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豚に真珠といわれましても

作者: 八神シュウ

「クリソベリル様!」


 王立学園内にあるガゼボで、婚約者のヴァージルと二人でお茶を楽しんでいたクリソベリルは、名前を呼ばれて振り返った。

 そこには月の光のような銀糸の髪に、秋の実った麦穂のような金の目を持つ美少女が立っている。

 誰だったかしらとクリソベリルは頭の中で学生名簿をめくって、美少女の名前を探し出した。


「ごきげんよう、イベリス様」


 座ったまま、クリソベリルはイベリスに笑顔で挨拶を返した。

 クリソベリルはジェム侯爵家、イベリスはトレニア子爵家の令嬢で、普通であれば爵位の高いクリソベリルから声をかけない限り、イベリスは話しかけてはならない。しかし、王立学園内で生徒は平等とされ、下位の者から話しかけても表向きは問題にならない。

 イベリスはぎゅっと胸の辺りで手を組むと、大きな金の瞳を潤ませて口を開いた。


「ヴァージル様を解放してください!」


 突拍子もない言葉に、クリソベリルが金緑色の目を大きく開いて、首を傾げながらヴァージルを見ると、彼は訝しげに片眉を上げている。ヴァージルにも意味が分からないのねと考えながら、再びクリソベリルが視線をイベリスに戻すと、彼女を守るように3人の男子生徒が立っていた。いつの間にとびっくりしながら、クリソベリルはその面々を見て、あらまあと心の中で呟く。


 第二王子と騎士団長子息、魔術師団長子息たち。


 彼らは最近、相次いで婚約を解消したが、その原因はイベリスであると噂されていたことを、クリソベリルは思い出す。ゴシップな話題にあまり興味のない彼女は、その原因が何だったか、もう少し友人たちの話をしっかり聞いておけば良かったと頭を痛めたが、後の祭りだった。


「君はリルに何を言っているんだ?」


 不快感を顕にしながら、ヴァージルはイベリスに問いかける。イベリスはそんな様子のヴァージルに臆することなく、大げさに片手を差し出して、キラキラと瞳を輝かせながら口を開いた。


「ヴァージル様!是非、私たちと一緒に魔王を倒しましょう!」


 突拍子もない発言にシンと辺りは静まり返る。


 イベリスたちは決まったと言わんばかりに得意満面になっているが、対するクリソベリルとヴァージルは固まっていた。二人は心の中では顎が外れるほど呆れていたが、貴族の矜持がそれを許さず、固まるだけに留めていた。


 確かにこの世界は人間に害をなす魔獣や魔物や魔人が存在し、その頂点に魔王という存在が君臨している。


 イベリスは魔獣たちに対して強力な威力を発揮する希少な光魔法の使い手だが、魔人や魔王に勝てるとは、クリソベリルもヴァージルも到底思えなかった。第二王子も魔法や剣の技量は同年代では頭一つ抜きん出ているが、国一番とは言えない。騎士団長子息と魔術師団長子息も同じことが言える。


「ハオラン皇子の言っていた中二病か?」


 ヴァージルの呟いた聞き慣れない単語に、クリソベリルは首を傾げた。こそこそとヴァージルはクリソベリルの耳に顔を寄せて手で口元を隠しながら囁く。


「シン皇国から留学されているハオラン皇子がおっしゃってたんだ。選ばれし特別な能力を持つものと思い込んで、他人の前でもそう振る舞うことを中二病と呼ぶって……」


「えぇ?」


「自分たちを魔王を倒す勇者と思い込んでるんだろう」


「そんな馬鹿なこと……」


 困惑した表情を浮かべるクリソベリルは、勇者ごっこだなんて、幼児じゃあるまいにと、ちらとイベリスたちを盗み見る。彼女たちは自信満々な様子でそこに立っていた。あ、これは駄目だわとクリソベリルは座ったまま、ふわふわと目眩を感じる。そんなクリソベリルを心配しながら、ヴァージルは彼女たちを真っ直ぐに見据えた。


「断る」


 凛としたヴァージルの声がガゼボに響く。思いもよらぬ返答だったようで、イベリスは今にも泣き出しそうな顔で口を開いた。


「な、何故ですか?!」


「リルに対して解放しろなどと……私はこの婚約に不満は一切ない」


 淡々とそう告げたヴァージルはハオラン皇子から貰ったシン皇国の青茶を口に運ぶ。花のような豊かな香りと味に、ホッとしつつ、ヴァージルは彼女たちに冷たい視線を送った。


「魔王討伐、大いに結構。しかし、私には荷が重い。それに、王命で国境の警備に当たらなければならない」


 ヴァージルは現国王の王弟、ロードナイト公爵家の二男。ロードナイト公爵領は、豊かな穀倉地帯であるが、魔獣や魔人の出没する国境に面している。その為、精鋭揃いの騎士団を持つ。クリソベリルと結婚後も第二騎士団に所属し、国境の警備に当たる予定だ。


「ク、クリソベリル様!」


「はい?」


 イベリスはヴァージル相手では分が悪いと感じたのか、クリソベリルの名を呼んだ。彼女がおっとりと返事を返すと、イベリスは捲し立てるように話し出す。


「ヴァージル様は魔王討伐に必要な人材です!クリソベリル様から婚約を破棄してください!」


 そうイベリスに詰め寄られ、クリソベリルは今にも怒鳴りだしそうなヴァージルをなだめなければと内心焦りながらも、穏やかに微笑んだ。イベリスは勘違いしたようで、ぱあと顔色を明るくする。


「ごめんなさいね。この婚約は両親が決めたものだから、私たちではどうしようもないの」


 取り敢えず、クリソベリルは当たり障りない断り方をした。


 実際、この婚約は鉄鉱石や宝石の取れる鉱山を有するジェム侯爵家から、優先的かつ割り引いてそれらをロードナイト公爵家が入手できるような契約もされている。騎士団の装備を整えるためだ。

 また、ロードナイト公爵家から穀物や農産物を優先的かつ割り引いてジェム侯爵家は入手できるように契約がされた。鉱山で働く労働者やその家族など人口が増えており、領地内の農地だけでは彼らの胃を賄えない。

 お互いの利害が一致しているため、婚約解消、ましてや破棄は難しいとクリソベリルは考えている。


 イベリスは口をへの字に曲げて、クリソベリルに顔を近づけると彼女にしか聞こえない声で呟く。


「貴女にヴァージル様はもったいないわ。豚に真珠よ」


 フフッと勝ち誇ったように笑ってイベリスはクリソベリルから離れると、第二王子たちの元に駆け寄り、彼らに困ったように笑いかける。


 あぁ、成る程。彼女もヴァージルの美貌に溺れたご令嬢の一人なのかと、クリソベリルは納得した。 


 確かにクリソベリルは他の令嬢よりぽっちゃりしている。というより、他の令嬢たちが細いのだ。本人の美意識のために痩せることに熱心だったり、異性に好意を持ってもらえるためであったり理由は様々だが、彼女たちは痩身に余念がない。


 ジェム侯爵家の一人娘であり後継者のクリソベリルは、領地の視察も行わなければならない。鉱山の視察はかなり体力を使うので、クリソベリルに食べないという選択肢は考えられない。

 そして既に婚約者のいる身かつ、ヴァージルはクリソベリルに痩せろと一切言わないので、彼女にとって痩せなければいけない理由がない。


 耳ざといヴァージルはイベリスのささやき声が聞こえていたようで、怒りのオーラがだだ漏れていた。

 プラチナブロンドに蒼玉色の瞳を持つ、第二王子よりも王子様オーラを纏うヴァージル。美形が怒ると本当に怖いのよねと、怒りの矛先を向けられたことのないクリソベリルは呑気に考えていた。

 再び穏やかな笑みをたたえて、クリソベリルはイベリスを視界に捉えると口を開いた。


「私たちの婚約に関しては、どうぞ我が家とヴァージル様のご実家、ロードナイト公爵家に問い合わせて下さい」


 イベリスは一瞬、顔をしかめたが、直ぐに聖母のような慈愛に満ちた笑顔を作る。凄い役者だわとクリソベリルは感心しながら彼女を見つめた。


「クリソベリル様がヴァージル様を手放したくないということがよく分かりました」


 そうは言ってないでしょうとクリソベリルは彼女に内心呆れたが、笑顔を崩さずにイベリスを見つめるに留めた。肯定も否定もしない。それがクリソベリルの答えだ。


「私はリルを手放したくないがな」


 突然、ヴァージルはそう言うと、甘く微笑んでクリソベリルの手に自身の手を重ねた。あぁ、ややこしくなりそうだから話さないでとクリソベリルは心の中で叫んだが、ヴァージルはにこにこと彼女を見つめながら言葉を紡ぐ。


「リルのように美しい曲線を持つ女性はそうはいないし、瞳は名の通り金緑石のように輝いて何時間見ていても飽きない……」


 うっとりとヴァージルの蕩けた視線を浴びながら、クリソベリルは遠い目をして心の中で盛大に溜息を吐いた。彼が何故、自分をこんなに好いているのかクリソベリルはよく分からない。甘い言葉を沢山並べて褒めてくれるが、彼女は今一つピンとこないでいた。


 本当にそれ私?ヴァージルの目には誰が映っているの?目医者にかかったほうがいいんじゃない?と一度、両家を交えた食事会の時にやんわりと伝えたが、その場に居た全員に「ヴァージルは正しい」と口を揃えて言われて、クリソベリルは閉口した。


 鏡を覗けば、ぽっちゃりしたのんきそうな亜麻色の髪を持つ金緑の目の少女が映っている。ヴァージルが言ったような絶世の美女は映っていない。

 腑に落ちない。

 クリソベリルはムッとした顔で鏡とにらめっこした。


 そんなことをぼんやりと思い出していると、ヴァージルに手をぎゅっと握られ、クリソベリルは我に返る。そろりとイベリスたちに視線を移すと、この短時間でクリソベリルを賛辞する言葉を並べまくったのであろう、彼女たちは引いていた。クリソベリルは小さく溜め息を吐いて助け舟を出す。


「ヴァージル様。そのような言葉は二人きりの時にとお願いしたはずです」


 幼子に言い含めるようにヴァージルに話しかけながら、クリソベリルはイベリスたちにここを去るように目で合図した。


「お、おほほ……私たち、お邪魔なようですわね。また、後日お誘いに参りますわ」


 諦めないのね、根性あるわとクリソベリルが半ば呆れながら感心していると、一礼して彼女たちは去っていく。台風みたいと呆気に取られていると、ヴァージルはクリソベリルの手を恭しく取って、その指先に口づけた。


「リル、二人きりになったよ?もっと言ってもいいかな?」


 正確には給仕してくれる者が近くに待機しているので二人きりではないが、キラキラと蒼玉色の目を輝かせながらヴァージルは言った。ヴァージルのお尻に、犬の尾っぽの幻が見えるわと、クリソベリルは観念して困ったように笑う。


「えぇ、構いませんわよ」




 後日、卒業パーティーの為に準備していたクリソベリルのドレスが第二王子に奪われる事件が起きた。ヴァージルの髪の色である白銀の生地に、瞳を模したサファイアを散りばめた美しいドレス。第二王子も似た髪色と目の色をしているので、丁度いいと思ったそうだ。クリソベリルは頬に手を当てて、慌てて事件を報告に来たドレスショップのオーナーに困った声で話しかけた。


「困ったわね。急いで作り直さないと……」


 オーナーは抵抗したものの相手は王族。ドレスの代金を無理矢理押し付けられたそうで、平身低頭でクリソベリルに謝罪する。たまたまジェム侯爵家を訪問していたヴァージルは穏やかにクリソベリルを見守っているが、怒りのオーラが隠しきれないでいた。


「飾り付けるサファイアが足りないでしょうから、生地をサファイア色にして、白銀色の真珠を縫い付けてはいかがかしら?ドレスの型は以前のままで構わないわ」


 クリソベリルの提案に、オーナーは涙目でこくこくと首を縦に振る。怒鳴られることを想定していたので、彼女の寛大な態度に感激していた。ヴァージルはそんなクリソベリルをうっとりと見つめながら話しかける。


「あぁ。そう言えば、何年か前に真珠の養殖を始めていたね?」


「はい。美しい真珠たちなので、晴れの舞台にぴったりですわ」


 宣伝にもなりますしねと、穏やかに微笑んで言葉を返すクリソベリルを、オーナーは女神を見るような目で見る。新たなクリソベリルの信奉者が誕生した。


「本当に申し訳ございませんでした、クリソベリル様。必ず、必ずやご納得いただけるドレスを完成させます」


「えぇ、期待しているわ。でも、あまり無理はなさらないでね」


 クリソベリルの思いやりのある言葉に、オーナーは世界一のドレスを作ろうと心の中で誓うと、頭を下げて謝辞を述べる。


「ありがとうございます。直ぐに制作にかかります」


 クリソベリルはその言葉に微笑んだ。顔を上げたオーナーは彼女の笑顔を見て、再び頭を下げると急いで部屋を後にした。残されたクリソベリルたちは紅茶を口に運ぶ。


「制裁を加えなくていいのか?リル」


 ヴァージルが不満そうに問いかけると、クリソベリルは苦笑いを浮かべた。


「そうですね。不要だと思います」


「何故だい?」


 クリソベリルの返答が納得できない様子のヴァージルに、彼女は困った顔で理由を語りだす。


「あのドレス、普通のご令嬢には着れません」


「え?」


 意外な答えにヴァージルは思わず声を漏らした。彼は仕立て直せば誰にでも着られるだろうと不思議そうにクリソベリルを見つめる。彼女は頬に手を当てて困った顔のまま笑みを浮かべた。


「重たいんです」


「重い?」


「えぇ。サファイアは比重が大きいので、あのドレスは普通のご令嬢が着るには重すぎるんです」


 第二王子は男性かつ打倒魔王を謳うだけあり、身体を鍛えてあるのでドレスの重さはあまり気にならなかったのだろうとクリソベリルは推測する。ぽっちゃりかつ視察のために鉱山を歩き回る体力がある自分でも重さを感じるドレス。並のご令嬢では長時間身につけることは拷問に近いと、クリソベリルはドレスを贈られた相手を気の毒に思っていた。


「それは……リルにも重たかったのか?そうなら、他の軽い宝石に変えればよかっただろう?」


 ヴァージルの言葉にクリソベリルは首を横に振る。そして花がほころぶような笑みを向けた。


「だって、ヴァージル様の瞳は本当にサファイアのようなんですもの」


 虚をつかれたヴァージルは目を丸くしてクリソベリルを見た。フフッと彼女が笑う姿に、思わずヴァージルは両手を伸ばして、絹のように滑らかな自分よりも一回り小さなふっくらした両手を包む。


「あぁ、リル。なんで、そんな……」


 嬉しい気持ちをうまく言葉に出来ず、熱い視線を自分に向けるヴァージルに、クリソベリルはやんわりと微笑んだ。使用人たちはほっこりと二人のやり取りを見守る。ちゃんと自分もヴァージルを想っていることが伝えられて良かったわ。怪我の功名ねと、クリソベリルはのんきに考えていた。



 件のドレスを身に纏って、イベリスは卒業パーティーに現れた。

 クリソベリルはドレスを強奪されたことを周りに伝えなかったので、参加者は第二王子の色をまとうイベリスについての憶測が飛び交う。ドレスの重みでぎこちなく動くイベリスに、クリソベリルは特に興味がなく、卒業パーティーの後に開かれる両家の食事会についてヴァージルと小声で話していた。


 ややあって国王と王妃が入場し、厳粛な雰囲気の中、卒業生たちへの卒業を祝福する言葉と合わせて、第二王子たちが魔王討伐に向かう激励の言葉が述べられる。


 体のいい国外追放だとクリソベリルは考えながら、イベリスたちに拍手を送る。隣に立つヴァージルだけでなく、大半の生徒もそう思っているのだろう、笑顔の仮面を貼り付けているのが彼女には分かった。


 本当に魔王を倒したなら、それはそれで僥幸。しかし、学園内でトラブルメーカーとなった彼女らはこの国での輝かしい道を閉ざされた。特に、希少な光魔法の使い手であるイベリスを手放すのだ。これから旅の途中で立ち寄る他国の人の目に、どう彼女たちは映るのか。知らぬは本人ばかりなりと、誇らしげに手を振る四人を、ヒソヒソとどこからから聞こえてくる、彼女たちの無謀な魔王討伐計画の内容に頭を痛くしながら、クリソベリルは笑顔で見つめる。

 旅支度があるからと早々に彼女たちは退場したが、第二王子にエスコートされるイベリスの顔色は悪く、姿勢は猫背がちになり足どりは重い。会場内の誰もが、この討伐は上手くいかないだろうなと予想していた。



 結局、五年後に光魔法の使い手の少女が魔王を封印した。それに同行したのはハオラン皇子だった。彼は神から啓示を受けた本物の勇者で、光魔法の使い手である“聖女”を探していたそうだ。


「良かったですね」


 ハオラン皇子からの手紙を一緒に読んでいたクリソベリルは、ヴァージルに穏やかに微笑む。二人は卒業した一年後に結婚していた。相変わらず昼間はお互いの仕事に追われているが、昨年実用化された転移水晶のお陰で夕飯から二人で過ごせるようになり、充実した毎日を送っている。


「あぁ。しかし、魔王の影響力の弱い魔獣や魔物は封印し切れなかった。以前よりも倒しやすくなったが、これからも国境の警備は続くだろう」


 ヴァージルはお腹の大きくなったクリソベリルを心配そうに見下ろした。


「リル、出産には必ず立ち会うから」


 クリソベリルのふっくらとした滑らかな手の甲に、ヴァージルは優しく口づけた。クリソベリルは慈愛に満ちた顔で彼を見つめる。


「えぇ。無理しないでね、バーギィ」


 愛称で呼ばれたヴァージルは目尻を下げ、クリソベリルのお腹に向けて、手紙の内容を話して聞かせ始めた。胎教にいいのか疑問ではあるが、ヴァージルのいいようにクリソベリルはさせる。



 魔王を討伐できなかったイベリスたちは、それぞれ別の国内の修道院に入り、慎ましく生活しているとヴァージルが教えてくれた。旅は温室育ちの彼女たちには大変なものだったらしく、その風貌の変化にイベリスたちだとすぐに分からなかったらしい。

 リルを豚扱いした報いだなと、ヴァージルは言ったが、クリソベリルは幸せな日々を過ごしていたせいか、そんなことを言われたことをすっかり忘れていた。


 平和な世の中が続きますようにと願いながら、元気に胎動を繰り返す我が子を、クリソベリルはお腹の上から優しく撫でた。

お読みいただきありがとうございます。

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[一言] 表沙汰になってないだけで、ドレス強奪も王家に筒抜けなんだろうなぁ。 面白かったです。
[気になる点] 聖女は勘違い子爵令嬢とは別ですよね? 皇子は転生者? [一言] 終始穏やかなクリソベリルが可愛かったです。 でもクリソベリルがどうしてもクソリベルと読んでしまう…。
[一言] >イベリスと第二王子と騎士団長子息、魔術師団長子息たち。 魔王討伐なんざ道なき道を数か月かけて行くのだし。 ガチの軍隊行軍に放り込んで出来なかったらこの程度できない人間が魔王討伐なんかでき…
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