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私たちは泣きじゃくりながら、本音で互いのことを話した。

何分、何時間と。一体どれだけの時間が経ったかわからない。


気づくと辺りは暗くなっており、下校時刻はとうに過ぎていた。

私は泣き疲れ眠ってしまったシスタの頭を撫でながら、これからどうするべきかと考えた。


「そろそろ入ってもいいかな?」

「…ずっと居たんですか」


そういうとユーリアスは保健室の扉を開けた。

その姿は王族であるにも関わらず、ところどころ汚れが付いている。


「前に話した通り、僕は待つことは苦手じゃないからね。

 まぁ、今回ばかりは少し無粋かとも思ったけど許して欲しい」

「…わかりました」


妹との会話を聞かれていたと思うと、恥ずかしい気持ちはあるものの、下手に途中で会話に入られるよりかはまだマシだろうか。


「下校時刻については気にしないで大丈夫だよ。

 僕から教師に言っておいた。何なら泊っても問題ない」

「ありがとうございます。

 ただシスタが起きたら帰ろうとは思っています」


学園にも迷惑が掛かるだろうし、シスタもお風呂に入りたいだろう。


逆に言えばシスタが起きるまでは時間が出来たということだ。

私は疑問に思っていたことを聞いてみた。


「ユーリアス様…。

他の生徒会役員についてはご存じでしょうか?」


私が生徒会の業務に関わらなくなって、シスタは一人で仕事をこなそうとしていた。

もし他に役員が居れば、こんなことには―――


「いないよ。今回の件の前からね。

 ずっと生徒会は生徒会長のシスタさんと、役員ですらない君だけで運営されてきた」

「…」


衝撃の事実と同時に納得も出来た。

道理で他の役員の顔も名前も知らないはずだ。


「どうして…」

「それについては僕より妹さんに聞いた方がいいさ。

 まぁ、おおよそ見当が付くけどね」

「…そうですね」


今は生徒会役員がいないという事実だけ受け入れることにした。


私は眠る妹の頭を撫でる。

互いの話を聞き、受け入れ、和解することができた。


今までは恐怖の対象だった妹は、今は何よりも愛おしかった。

だから今度こそ、私は守りたい。


「ユーリアス様。一つ、お願いがあります」


私は覚悟を決めた。



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