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にゃんとも不思議な異世界生活始めましたにゃ  作者: YUUURI
第2章  町の名はバルバです
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5。モテるにゃ

 肉の焼ける香ばしい匂いに誘われた子猫達に急かされて、とある屋台の前に居るマサ達。

 毛玉達の意見は概ね一致していて、ここが一押しの屋台だと口をそろえて押してくる。

 なんでも、ここの匂いは別格だそうだ。


「おじさん、この串焼きってなんの肉なの?」


 いつもの如く、リコが屋台のオジサンに声を掛ける。

  人見知り無く、誰とでも仲良くなれるのはリコの凄い所だと、いつも感心されられるマサであった。


「おう、いらっしゃい。これはホーブアの肉さ、うまいぞ?」


「ホーブア? 私達セイタルからさっき着いたばかりなんだよね。残ってるの全部買うから、色々教えてよ」


「全部? まだ50本位残ってるけどいいのかい? 3.000アストになっちまうよ?」


 そんなやり取りを終え、リコが仕入れて来た情報はこうだった。


 バルバの周りには森や山も有るのだが、主に草原が広がっている。

 その草原の北に生息しているのがホーブア。

 1メートル程の大きさがある飛べない鳥の魔物だとか。

 バルバでは一般的に食べられているそうで、しつこくなく確かに美味しかった。


 その後も『あの店』『この店』と、言われるがまま幾つかの屋台で買い食いをしてお腹を満たしていった。

 毛玉達はまだ開いている屋台に突入したい様だったが、宿をとる為に何とか鞄に押し込む事に成功。

 宿はギルド経営のEランクまでが安く泊まれる宿を目指す事になった。



 マサ達が入って来たのが西門だそうで、ギルドはその西門前の広場の先にある。

 セイタルのギルドよりも大きいが、造りは変わらない様だ。

 正面がギルド入口で、右が買取所、そして宿屋は左の入り口である。


 今回は1階の奥にある101号室に入れる事となった。

 部屋は少し広いし、お風呂も近くてとてもありがたい。


 この宿の女将さんは若く小柄な女性で、名前はルルイさん

 厨房は双子の弟が調理をしているそうで、こちらはロロイさん。

 二卵性の為そっくりさんでは無かったが、何となく似た顔立ちではあった。

 明日の朝食からお世話になる事を伝え、自室へ向かった。



「本当なら、もっとゆっくり旅をするはずだったのに……」


 部屋に入るなり、リコはベッドに子猫達を乗せると、自分もコロンと横になった。


「なんか、面倒な人達に出会ったせいで、凄く疲れたよな……。」


 マサも隣のベッドにドカッと腰かけて、脱力する。

 二人そろって大きくため息を付いていると。


「明日は朝イチでギルドに行った方が良いと思いますよ? 母様も逃げ出した後言ってましたよね? どんな罪を着せられるか分からないって。ああいう輩は自分達を正当化する為に他人を平気で陥れると思うんですよ。念の為、ギルドには話を通しておいた方が良いですよ」


「やっぱりレオ君もそう思う? 私もそう思ってたんだよね……。あの男もおかしかったけど、お嬢様も凄かったでしょ? マサの事が気に入ったからとか言ってたけど、あれは対策しておかないと、後で酷い目に遭いそうだなって……」 


「……たしかに、絡まれた話はしておいた方が良いな。話を捻じ曲げられても困るし、ギルドの対応次第ではさっさと次の町に移動って事になるかもな」


「そうですね。信じてもらえなかった場合は町を出た方が良いかも知れませんね」


 三人が真剣に顔を突き合わせていると、ルビィが呆れた声をあげた。


「セイタルのギルマスに貰った物の事、忘れてるのかにゃ? ギルドであれを見せたら良いにゃ」


 その言葉に、マサとリコは顔を見合わせた。


「忘れてたね」


「そう言えば貰ったな」


「さすがルビィです。あれを使えば間違い無く信用されますね」


「た、たまたまにゃ!! たまたま覚えてただけにゃ!!」


 レオの称賛に何だか照れているルビィ。

 二人のやり取りにほっこりしながら、マサはアイテムボックスから餞別だと渡された封筒を取り出した。

 これはギルマスが「紹介状みたいな物」と言ってマサ達にくれたものだった。


「バルバのギルマスが知人だって言ってたよね?」


「……まあ、渡した時の対応次第って事で様子を見るか。……しかし、よりにもよって何で俺なんだ? とんだ災難だよ」


 あからさまに顔をしかめたマサに。


「昔からそうだったけどさ、無自覚にも程が有るよね。私は何度も言ったよ? あなたは地味かもしれないけど、結構モテてるよ? って。相談女だって現れた事も有ったし、変なお誘いも有ったのに、本人が気付かないから私がやきもきさせられてたんだよ?」


 目を三角にさせ、少し怒った口調でリコは話続ける。


「オシャレなんかしないから目立たないだけだったんだよ。人によったらモロ好みっていう人も居るのを理解してくれない? 私が良い例なんだから。今回もあのお嬢様のお気に召すお顔だったって事なんだろうけど、自覚して対応しなきゃ今後も面倒事は無くならないんじゃない?」


 昔から何度も言ってるでしょう? とリコは締め括ったが、自分がモテるなんて微塵も思った事がないマサは、言っている事が分からず困り果ててしまった。


「それって『あばたもえくぼ』っていうやつだろ? 俺はもてないって。今回はたまたまか、何か理由が有るんだろうな」


 ここまで言っても理解しないのかと、呆れ顔のリコ。

 マサは、ベッドの上でわちゃわちゃとじゃれ合う子猫達を見ながら。


 ……リコさんや。理不尽過ぎやしませんかね?

 

 どうして初っ端(しょっぱな)から変な奴らに絡まれた挙句、リコに怒られる羽目になってしまったんだ?と、何だか納得がいかず、マサは本日何度目かの大きなため息を付くのであった。 

お読み頂き、ありがとうございます。

少しでも面白かったと思って頂けたなら、次作への励みになりますのでブックマーク・評価・いいねを宜しく願いします。


そして、ブックマーク・評価・いいねを下さった皆様、本当にありがとうございます。

今後も頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

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