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にゃんとも不思議な異世界生活始めましたにゃ  作者: YUUURI
第1章  新天地セイタルです
76/119

76。お仕置きにゃ

「もう一つの群生地で採取しなくちゃならなくなったな。そっちも無事かは分からないけど……」


 森の奥に厳しい目を向けながら、マサはダレン達にそう告げる。


「行く気なの? もう一つはCランク以上じゃないと採取に行けない場所なんだよ? いくらあなた達が強いったって、私達が一緒だと無理じゃない?」


「そうだよ、俺達が足手まといにならないか?」


 確かに、普通のFランクならば無理があるし、ギルドに報告するのが本当なのだが、マサはチラリと視線を横に向け、ニヤリと笑うと。


「心配ないさ。()()()()()()()みたいだしな」


 二人にに向かって思わせぶりな事を言う。


「!?……やっぱりこの依頼って、()()()()()?」


「マサのあの顔を見れば、()()なんだろうな……」


 ピンときた様子のダレン達は、とても嫌そうな顔を見せているが。


「何が有っても守るつもりだけど、念の為にこの子達と一緒に居てくれる?」


 そんな二人に、リコは自分のボディバッグに入っている子猫達を差し出した。


「(やっと出番が来たにゃ)」


「(じっとしてるのも大変なんですよね)」


 子猫達は少しぼやきながらも、ダレンとソフィーの肩に移動し、やる気満々の様子だ。


「よろしくね、ルビィちゃん」


「頼むな、レオ」


 それぞれを肩に乗せたダレンとソフィーは、優しく子猫達を撫でながら、嬉しそうに話しかけている。


「(任せるにゃ)」


「(心配しなくて大丈夫ですよ)」


 数日行動を共にして、すっかり気心が知れた様で、子猫達の強さも認識している二人。


「それじゃあ、行こう!!」


 リコの合図で、四人と子猫達は森の奥に向かって移動を始めるのだった。




 ダレン達の速度に合わせての移動だったが、軽い昼食休憩を挟んでも、二時間程でもう一つの群生地にたどり着く事が出来たのだが――――。


「よお、お前達も心配になって群生地を見に来たのか?」


 ――――群生地の向こう側には、いやらしい程ニヤケた顔のガスタルが立っていた。


「「ガスタルさん……」」


 ダレンとソフィーは少し怯えている様で、それ以上言葉にならない様子。

 リコと目配せし合ったマサは、あえてのんびりとした口調でガスタルに話しかけた。


「おっさん、手前の群生地が枯れている事に気が付いたのか?」


「意外だね~? オジサン、そんなタイプには見えないんだけど~」


 揶揄うような二人の言葉に、ガスタルは一瞬怒りの形相を見せたが、取り繕う様にまたにやけ顔を保つと。


「……ああ、そうだ。変だと思ってこっちの様子を確認しに来たんだが、丁度いい所にきてくれた。俺だけじゃ判断ができなくてな~、ここを見てほしいんだ」


 ガスタルはそう言って、自分の足元を指さした。


「俺が見てやるよ」


 マサはあえて一人で動き出すと。


「お、おいっ、お前一人じゃ確認出来ねぇ!! 全員で来いって!!」


 慌てて声を荒げるガスタルを見て、リコが「ぷっ」と噴出した。


「ああん? 何が可笑しい!?」


「何がって……どう見ても怪しすぎでしょう?」


「確かに。罠なのか、何か考えが有るのかってところか? 全部バレてんだよ、おっさん。あんたが群生地を枯らした犯人だろ? 俺達を誘い出す為とはいえ、卑劣な事するんだな?」


「オジサンが、ダレン達からお金をだまし取ってる事とかも、ぜ~んぶ分かってるんだからね!!」


「なっ!? このクソガキがああああっ―――」


 ガスタルは言い当てられて動揺したのか、そう叫ぶや否や剣を構えてマサ達に向かって来た。


 へえ、腐ってもCランクか? ()()()()()()動きが速いんだな。


 マサは剣を鞘から抜いて構えながら、ゆっくり見えるガスタルの動きを目で追う。

 しかし、ガスタルは剣先が交差する手前でヒョイっと体をずらし、マサの横をすり抜けて行った。

 逃げる気なのか? と、視線で追いながら振り返ると、ガスタルは手にしていた何かをリコに向けて投げつけたのだが……。

 ――――リコは風魔法でそれを弾き返し、コントロール良くガスタルにぶつけ返すのだった。


「うわあぁぁ!?」


 背中にそれを、風魔法と一緒に受けたガスタルは衝撃で地面に倒れ込むが、何が起こったか察すると、酷く慌て出した。


「な、何しやがる!! ちくしょうめ!! マズイ、このままじゃ――」


 見ると、ガスタルの背中一面に赤黒い液体が付着し、飛び散った物は地面に染み込み始めている。

 焦って上着を脱ごうとするガスタルだが、今度はマサの魔法で動きを封じられ、身動きが取れずに怒鳴り始めた。


「何なんだコレは!! 動けねぇ!! 何しやがったんだぁ!! 離しやがれぇぇぇ!!」


 マサが口を開こうとした時、漂って来た異臭に顔をしかめた。 

 錆び臭さと、獣臭が混ざった独特の臭い。

 魔物寄せ玉に似ていたが、それよりも強い臭いだった。


「これって、魔物の血の臭いだよね……」


「……ああ、間違い無い。このおっさん、またしても俺達を魔物に襲わせようとしたんだな」


「やばいね~。魔物は鼻が利くから、もう集まりだしたみたい。オジサンをこのまま囮にして逃げようか?」


「そうだな。俺達にしようとした事が自分に返って来ただけだし、文句は言えないよな?」


 二人の会話を耳にしたガスタルは酷く怯えだし、懇願する様に声を張り上げ始めた。


「お、俺は何も知らん!! 何もやっちゃいねえんだ!! 頼む~!! 助けてくれ!!」


 その姿を見下ろしながら、「まだまだお仕置きが足りないな」と思うマサだった。

「またぼく達をちょい役扱いですね!!」


「良いにゃ、主役はドンと構える物にゃ」


「この前は怒ってたのに、どうしたん……!?それ、母様秘蔵のチーズケーキじゃないですか!?」


「見つけたにゃ~。これ位は許されるはずにゃ~」ムシャムシャ


「……ぼくの分も有りますよね?」

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