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にゃんとも不思議な異世界生活始めましたにゃ  作者: YUUURI
第1章  新天地セイタルです
60/119

60。バリバリにゃ

 買取所へは「明日、込み合っていない時間を見計らって行こう」という事で、宿に戻った二人。

 マサはリコよりも先に、夕食後の入浴も済ませ、ベッドでゴロゴロしている子猫達を撫でながら、考え込んでいた。


 冒険者の場合はギルドカード。

 商人や様々なギルドに所属して居る人も、所属先のギルドカードを持っている。

 町や村には住民カードというものが有って、生まれたばかりの赤ん坊にだって、カードが発行される位、必ず何かしらの個人認証のカードを1つは持っている。


 そして、何処の町や村でも、入るときはカード提示が必須で、なおかつ、どのカードも神器で作成するから偽造が出来無い仕組みだ。


 このカードの凄い所は、他人が盗んで使う事が出来ない事にある。

 自分のカードを手にして魔力を流せば青く発光し、他人の場合は赤く発光するのである。

 その為、基本的には、なりすまし等は出来ない様になっているはずであった。


 聞いた話では、あの女がこの町に来たのは3年前くらいだという。

 少なくても、その時には門でカードを提示しているはずだ。

 俺達も、門をくぐる際は、毎回カードを片手に魔力を流して見せている。

 どうして今までバレていないんだ?

 3年の間、一度も町から出ていないとしても、入る時には魔力を流して見せているはずだよな。

 門番の中に仲間でもいるのか?

 そもそも、何の為に偽名を使っているんだ?


 マサの頭の中に様々な疑問が浮かんでは、消えていく。


 そんな時、リコが帰って来た事で子猫達が「おやつ」攻撃を開始。

 騒がしくなった事で、マサは考えるのを放棄せざる得なくなった。





 次の日。

 買取所に獲物を買取に出し、ハワードさんに特大のため息をつかれたり、自称サラからの憎悪の視線を背中に浴びながら(あれから近づいて来なくなったのは有り難い)依頼を受けたりしているうちに、1週間が経った。


 その日、二人はいつものように依頼板を眺めながら。


「これ、凄く良い依頼だけど……」


 リコがため息を付きながら、依頼書をマジマジと眺めている。


「確かになぁ……でも、ここが問題だよな」


 マサはそう言って、依頼書の文言を指で突いた。



 <急募>【 拠点への運搬依頼 】


 森の西側に在る砦への物資の配達


 報酬    60,000アスト


 点数     40点



 ※ 必ず四名以上での参加 必須。


 また、警備隊への支給品配達の為に、

 アイテム鞄の貸し出しを致しますが、

 紛失・損壊等につきましては、場合に

 よってペナルティと賠償金が発生致します。




「俺達なら日帰りで行けるんだけど、四名以上ってのがな~」


「そうだよね、こんな美味しい依頼なんて中々ないよね」


「それだけ危険なのか、重要物資なのかって処か? やりたいけど、受付に頼んでも駄目だろうな」


 マサがそう言って肩をすぼめた時。


「それじゃあ、俺達と組まないか?」


 マサ達が声のする方へ顔を向けると、そこには少し疲れた様子のダレンとソフィーの姿が有った。


「お帰り~、いつ帰ったの?」


 リコがソフィーに駆け寄ると、二人で楽しそうに話し出した。

 それを見て、マサはダレンに向き直る。


「久しぶり、いつ戻って来たんだ?」


「昨日の夕方に戻って来たんだよ。朝まで疲れて爆睡してたんだ」


 そう言ったダレンの顔には疲労が色濃く残っている。


「おい、大丈夫かよ? 農家の依頼だって聞いてたが、そんなにハードだったのかよ?」


 心配になって声を掛けるが、ダレンは首を横に振って。


「大した事はなかったんだ。それより、実は俺達もこの依頼に目を付けて、今受付で交渉して来たんだけどさ、絶対四名以上じゃないと駄目だって断られたばかりなんだよ。なあ、足手まといにならない様にするから、俺達と組んでくれないか?」


 真剣に頼んで来るダレンの後ろから、リコがひょっこり顔を出した。


「この依頼、皆で受けようよ」


 リコは平穏を装っていたが、さっきまでとは様子が違い、マサは驚いた。

 取りあえず、誰かに取られては困るという事で、さっさとカウンターへ行き、臨時のパーティーを組み、合同で依頼を受ける事になったのだった。




 依頼内容はとても簡単で、森に沿って西側に2日程行った所にある砦へ、物資の配達であった。

 セイタルはセイタルース男爵が治める領地で、森を中心にして東側に在る町だ。

 街道は森を迂回するように北と南に伸びているが、森の中を通って西に行くルートも有る。 

 今までは、商人が行商を兼ねて請け負ってくれていたのだが、その商人が高齢で引退してしまったらしく、次の商人が見つからないらしい。

 砦に行くには少し森に入り込まなくてはならない為、今までより護衛に費用が掛かる事になる。

 引退した商人は、その人自身が冒険者からの転職で商人をしていた人らしく、護衛を雇う経費が少なく済んでいた為、商売が成り立っていた様だ。

 男爵家の依頼でも、儲からない事には商人は手を出さないらしい。

 そこでギルドの出番となった訳だが、森に入ると言っても浅い際までという事でFランクが選ばれ、四名以上の括りが付いたとの事だった。


 依頼内容を詳しく聞き、出発が明日の朝だと聞いた四人は、それぞれ必要な物を用意しようと、ギルドで分かれる事になった。


「夜に宿屋の食堂で合流しようぜ」


 マサの言葉に、ダレンとソフィーは笑顔でその場を後にしたのだが。


「ちょっと、ソフィーの言ってる事が変なんだよね……」


 リコのその言葉に、またもや嫌な予感がバリバリに体を駆け巡ったマサであった。

お読み頂き、ありがとうございます。

少しでも面白かったと思って頂けたなら、次作への励みになりますのでブックマーク・評価・いいねを宜しく願いします。


そして、ブックマーク・評価・いいねを下さった皆様、本当にありがとうございます。

今後も頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

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