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にゃんとも不思議な異世界生活始めましたにゃ  作者: YUUURI
第1章  新天地セイタルです
55/119

55。嫌な感じにゃ

 (気分は)命からがら逃げ出して来た二人。

 部屋に入るなり、鞄から子猫達を出すと、同時にベッドに倒れ込んだ。


「怖かった~」


 リコがそう言って、クスクス笑い出すと、マサも笑いながら返す。


「酷いよな、俺を盾にして生き延びる気だったのかよ?」


「私を守って死ねるなら、本望でしょ?」


「いやいや、死ぬなら一緒だろ?」


 そんな冗談を言い合いながら、ひとしきり笑い合った二人は、大きく深呼吸をして、意識を切り替えた。


「今日はあの女、休みだって言ってたよね」


「そう言ってたな、〈サーチ改〉を使いたかったが、居場所を探すのは無理そうだし、明日以降だな」


 すると、リコはニンマリと笑って。


「買い物に行きたいな~。お昼ご飯も食べに出なくちゃいけないし、ついでに買い物へ行こうよ~」


 何か欲しい物でも有るのか、両手を組み合わせてお願いポーズをしている。


「珍しいな、何が欲しいんだ?」


 マサはベッドから体を起こして、リコを見た。


「テーブルセット!!」


 待ってましたとばかりに、元気にそう答えるリコ。


「前にも言ったの覚えてる? 外でわざわざシートを広げるのは大変だし、もしもの時は手間になるって話したでしょ? その点、テーブルセットは物を乗せたまま、アイテムボックスに入れられるから買おうって」


 ……そう言えば、人が居たりするとテントが出せないって言って、シートを使い始めたんだったな。

 その流れで、そんな事を言ってたような?


「あー、そんな話してたような気がする」


 リコがジト目で睨んできた為、マサは取り繕う様に。


「昼飯の後に探してみるか」


 そう言って、誤魔化し笑いを浮かべる。


 うん、こういう時、買い物にケチを付けちゃいかんのよ……。

 嫁の言う事に従っておいた方が平和だし、確かに間違いは無いしな。


 そんな事を考えながら、うんうんと頷くのであった。 





 子猫達のリクエスト兼、アイテムボックス補充の為に、二人は中央広場へやって来た。


 始めのうちは、少量ずつ沢山の屋台から買っていたのだが、あれやこれやと買い込んでいるうちに、ひと月も経てば、段々と決まった屋台で結構な量を買い込む様になっていた。


 顔なじみになった屋台のオジサン達も、最初は「食べきれるのか?」だの「アイテム鞄に入りきるのか?」だのと心配していたが、今は慣れたもので、驚く事無く提供してくれる。


「なんだかんだと、結構な量になったけど大丈夫なのか?」


 心配になって聞くと、子猫達どころか、リコまでもが「大丈夫!!」と、太鼓判を押すので、この件に関しても口出しは出来ないマサであった。



 ギルドの配達依頼を受けた時に見かけた、家具屋を覗いて見ると、四人掛けと六人掛けのテーブルが丁度展示されていた。

 どちらも重厚な、しっかりした造りの物で、お値段は小さい方が4万アスト、大きい方が6万アスト。

 今なら椅子も付けると言われた為、リコがこっそり鑑定を掛けて。


「お買い得だね」


 とご満悦な顔でマサに(うなづ)いてから。


「両方下さい」


 と、勝手に購入を決めてしまった。


「使い分ければ良いんだし、有った方が何かと便利だと思うんだよね」


 リコの口調は穏やかであったが、目が「何か文句ある?」と語っていた為。


 はい、お任せします。決して口出しは致しません。


 マサは心の中で白旗を上げながら、黙てお金の入った小袋をリコに渡すので有った。 


 家具屋の女将さんには「あんた達、若いのに良いアイテム鞄を持ってるんだね~」と感心されて、二人そろって。


『『 しまったっ!? 』』


 と思ったが、もう後の祭りである。

 愛想笑いで支払いをし、逃げるようにその場から移動したのだった。




 ハワードさんには「夕方に来い」と言われていたので。


「もうそろそろ16時になるな、少し早いかも知れないけど、買取所に行ってみるか?」


 町の中心にそびえる時計塔を見て、マサはリコを振り返りながら聞いた。


 その時、マサの視界に(うつ)った物が有った。


「行ってみようか? 駄目なら、宿は隣だし出直せば良いしね」


 マサは違う事に意識を持って行かれていた為、そう言ったリコの返事を聞き逃してしまう。


 マサが振り返った時、大道りに繋がる脇道の奥に歩いて行くあの女(サラ)が見えたのだ。

 よりにもよって一緒に居たのが、マサの見間違いでなければ、昨日、知り合いになったあの二人だった。


 どういう事だ、俺の見間違いか?


「どうしたの? 急に立ち止まって」


 リコが不思議そうに聞いてきたが、マサは手でそれを制して、急いで〈サーチ改〉を展開する。


 リコは、マサの視線が空中を彷徨(さまよ)い始めたのを見て悟ったのか、静かに見守っている。


 ここが大通りだから、ここからこの道に来て……。

 あった、この道の奥に――。


 マサが〈サーチ改〉の地図上で見たものは、()()()()()()()と、ダレンとソフィーの名前が記載された二つの青い点だった。


「リコ、急いで〈サーチ改〉を開いて、あそこの奥を確認してくれ!!」


 マサの慌てた声に驚きつつも、何も言わずにリコも〈サーチ改〉を展開した。


「これって……? あの二人(ダレンとソフィー)と一緒に居るのは誰なの?」


 強張った顔で、リコはマサを見上げてそう言った。


あの女(サラ)だったんだ……、ダレン達とあの小道の奥に入って行ったのはあの女(サラ)だったんだよ!!」


「どういう事? 間違いなくあの女だったのなら、どうして名無しなの?」


 リコは益々顔を強張らせて聞いてくるが。


「……さっぱり分からん……、何か嫌な感じがするよな……」


 そう言って、何も言えなくなったマサであった。

お読み頂き、ありがとうございます。

少しでも面白かったと思って頂けたなら、次作への励みになりますのでブックマーク・評価・いいねを宜しく願いします。


そして、ブックマーク・評価・いいねを下さった皆様、本当にありがとうございます。

今後も頑張っていきますので、よろしくお願いいたします。

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