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にゃんとも不思議な異世界生活始めましたにゃ  作者: YUUURI
第1章  新天地セイタルです
11/119

11。オムライスにゃ

 まあ、悩んでも今更どうしようもない。


 そう割り切った二人は、取りあえず確認を後回しにして食事の用意を始める事にした。


「ルビィもレオも、俺達と同じ物を食べて大丈夫なんだよな?」


「大丈夫なのにゃ、もうただの猫じゃ無いにゃ。神獣だし、父にゃん達と同じご加護、(超)健康な身体が有るにゃ」


「食べたら危険な物とかも無いって事?」


「何を食べても大丈夫なんです、神様もそう言ってましたよ母様」


「そうなんだ嬉しい、同じ物が食べられるんだね」


「そうしたら二人は何か食べたい物があるか?」


 政継の問いに、二人はコショコショと相談を始めた。

 三毛と灰色の小さな毛玉がホヨホヨとしている。

 その姿が可愛らしくて、政継も里子もデレっとした顔になってしまうが、ここには注意をしてくれる者は居なかった。

 他人が見たら間違いなく引かれていただろう。

 

 ほどなくして毛玉達が頷き合うと。


「オムライスが食べたいにゃ」


「オムライスがいいの?」


「そうにゃ、日本で父にゃん母にゃんが食べてるのを見た時、あたちも食べてみたいと思ったにゃ」


「レオもそれで良いのか?」


「ルビィから何度も聞いた事が有って、ぼくも食べてみたかったんです」


 そうかそうかと顔を綻ばせ、政継と里子は作業を開始した。

 メインの調理は里子が行うが、政継も助手として昔から仲良くキッチンに立っていたのだ。

 なので簡単な料理なら自分で作る事が出来る。


 良い匂いが漂いだすと、ルビィとレオはお腹が空いてたまらなくなり、調理中の二人の肩によじ登ってきた。


「おい、危ないぞ」


 政継が注意するも嬉しさが勝る為、威厳など有ったものでは無い。


「しょうがないな、しっかり掴まってろよ」


「でも、火を使うから危ないよ」


「その時は俺が抱っこするさ、大丈夫だよ」


 結局二人は子猫達を肩に乗せたまま作業を開始したのだが。


「肉を多くしろ」だの「赤いの(ケチャップと思われる)を沢山かけろ」だの「もっと大きくつくれ」だのと色々我儘を言い始め。


「あなた達! いい加減にしなさい!! お夕食抜きにしてもいいのよ!!」


 とうとう里子の雷を受けてしまい「ごめんなさい」と謝る羽目になる。


「ま、まあ、初めてこういう物を食べれるから少し興奮しちゃっただけさ、あんまり怒ったら可哀想……」


 その時の里子の顔は微笑んではいたものの、得も言われぬ怖さがあった。


「スンマセン……」


 こうなった時の里子の恐ろしさを、嫌と云うほど理解している政継はすぐに謝り。


「(色んな意味で)危ないからあっちにいってなさい……」

 

 と子猫達をキッチンから遠ざけたのだった。

 

 


「母にゃんは昔から怒らせたら怖いにゃ」


「ぼくはちびりそうになりました……」


と、子猫達が陰で恐れおののき。


「「 二度と怒らせない様にしよう!? 」」


と、誓い合っていた事を里子は知らなかった。






「初めての味ですが美味しいですー!!」


「ほんとにゃ~! やっぱりこんなに美味しい物だったに

 ゃ!!」


 ルビィとレオをテーブルの上に乗せて、一緒に食卓を囲む。

 自分達とさほど変わらない大きさのオムレツが、見る見るうちに無くなっていく様子に啞然としながらも、里子は。


「ほら、口の周りが真っ赤になって」


と、世話を焼く。


「お腹いっぱいにゃ」


「もう食べられません」


 しっかり完食したルビィとレオ。

 とても満足そうである。

 

 ニコニコしていた政継も、見ても分かる位ポッコリしたお腹を見て流石に心配になった。


「そんなに食べて大丈夫なのか?」


「「 ?? 」」


 キョトンとした二つの毛玉。


「うん、何でもない……、いっぱい食べて大きくなろうな」


 と諦めたように微笑むしかなかった。






 食後、まったりしていた所へ里子が”例の箱”を持ってやって来た。


 忘れたままでいたかったのに…。


 そう思って苦笑いする政継に、里子も苦笑いを返す。


「分かるよ……私も忘れていたかったけど、開けないとマズイでしょう? それに、私たちの事を考えてくれているんだから感謝しないと」


 たしかにそうだな、でもなぁ……。


 そう思ったが意を決して箱を開く事にした。


 其処には黒い皮のベルトに、シンプルな文字盤のペアの時計が入っていた。


「おぉ! 見た目はシンプルで目立たないな、これなら着けても問題ないよな」


 少し安心した二人は、時計を手に取り左手首に装着した。


「色々使えそうな機能がついてるし、確かに便利だよな。ゴッド級アイテムじゃ無ければ、もっと有難いんだけどな」


「この世界にどんな危険が有るか分からないんだからさ、使える物は何でも使っていこうよ。こっちには鑑定って魔法も無いし、言わなきゃバレないんじゃない?」


「そうだな、気に掛けてこういう物をわざわざ送ってくれるんだから感謝だな」


 この時の二人は分かっていなかった。

 

 この会話を聞いていたアストリアが、感謝された事で気を良くしていた事も……。

 これから事あるごとにゴッド級アイテムが送られてくる事も……、まったく予想できていなかった。

筆がおそいため、書き溜めがなくなってしまいました……。書き上がればすぐに投稿いたしますが

少し間隔が開く事があると思います。頑張りますのでこれからもよろしくお願いします。


お読み頂き有難う御座います。もし宜しければ評価して頂けると嬉しいです。



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