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オムツと私たち  作者: 062


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広井夏樹の帰還(16)

「ところが、みんな先程までこの対決は『私VS舞先生+咲ちゃん』って思ってたんだよ」


モニター上でもあからさまに顔色が変わる者がいる。舞とゆりあだった。


「咲ちゃん、さっき私と戦った時、『スーパーモード』を使ったよね?『誰から』教わったの?味方というか実質的リーダーの舞先生は知らなかったのに?」


「夏樹さん、あまりゆりあちゃんをいじめないであげて。もうわかっているでしょ?ゆりあちゃんが『スーパーモード』の存在を咲さんに知らせたのよ。あたし、横で電話するとこ見てた」


マリがサラリと暴露する。夏樹は自分が問い詰めるよりも、ショックを隠せないゆりあの表情に満足する。


しかし、ここで予想外の質問が飛んでくる。


「確かに佐藤前大臣から教えられました。ただ……なぜ私にそんな機能を教えたのか、ずっとわからなくて。いま教えてもらえるなら、知りたいです」


咲だった。夏樹とマリが苦笑する。聞かれたゆりあは沈黙を守っている。


「そうだね、ゆりあさんが言いたくないみたいだから、私がバラしちゃう。そのためには事件を最初から振り返らないといけない」


夏樹が仕方なく、場を取り持つ。


「最初って言うと、事故とDNAデータの窃盗ですね?」

「もうちょっと前。まず、舞先生の妊娠がわかって、『テンペスト』を我が子に着けたくないと考えたところから」


夏樹の説明に咲が補足する。


「はい。その後、優秀な生徒75人で『スーパーセル』の破壊計画を立てました」


咲が舞の目的をサラリと暴露するが、誰も気にしない。と言うより、全員に気づかれているので当然の事として扱われている。

その後の夏樹の方が暴露としては衝撃的だった。


「この段階で、ゆりあさんはそれを察知している」

「え?」

「ウソよ!」


咲も舞も驚愕の表情を浮かべる。


「唐突な話で悪いけど『エシュロン』って知ってる?」

「諜報装置、システムと言うべきでしょうか?日本だと三沢に『ある』と言われているものですよね?」


咲が大雑把ながら答える。

さらに夏樹は言葉を重ねる。


「『テンペスト』でも同じ事ができるの。いや、『スーパーセル』の方かな。枝葉としての『テンペスト』と幹の『スーパーセル』だから」

「知っていたら、私達の事故に巻き込まれないで済んだのでは?」

「さすが咲ちゃん、鋭いね。ゆりあさんには巻き込まれた方が都合が良かったんだよ。理由は2つ。

1つ目はゆりあさんが癌で入院が必要な状態である事。交通事故なら野党議員も『国会議員として仕事していない』と批判はされない。ところが癌だと『後進に譲るべき』と批判の対象になってしまう」


全員が呆気にとられる中、マリと夏樹だけが平常を保っている。だから、先を促すために発言するのもマリだった。


「それで2つ目は?」

「私を参戦させるため、だよ。これは舞先生の目的とも被るから乗っかっただけとも言えるけど」

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