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オムツと私たち  作者: 062


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広井夏樹の帰還(14)

「4年前と同じく、ゆりあちゃんの負けね。ふふ」


妖艶にマリが笑う。一瞬の間。そして、ゆりあがすぐに口を開いた。


「マリちゃん、酷いなぁ。今回は私、何もしてない――とは言わないけれど、夏樹ちゃんと対立も勝負もしていないよ?」


「じゃあ、舞先生が完敗したら、私のお願いをひとつ聞いてくれる?」


「ふふ……怖いな。何を頼まれるのか想像もつかないよ」


「どうせ、すぐに舞先生から電話があるでしょうし」


マリがそう言ったタイミングで、まるで予告されていたかのように、ゆりあのスマホが震えた。

画面には「高野舞」の名前。


「はい、佐藤です」

『お願いします。助けてください!』


悲痛な叫びに似た声。

ゆりあはしばし沈黙し、それから短く指示を出す。

その指示を聞いて、電話の向こうの舞が慌てた様子で通話を切る。


モニターには、何かに取り乱した舞の姿が映し出されていた。慌ててどこかに駆け出していく。


「舞先生も、そしてゆりあちゃんも……夏樹ちゃんの“恐ろしさ”を、ちゃんと思い知ればいいわ」


つぶやくようにマリが言った。


「マリちゃん、いつ私を裏切ったの?」


前文部科学大臣、現職の衆院議員でもある佐藤ゆりあ。身長135cm。その見た目通りに不安を取り繕いもせずに表に出した。まるで見た目と同じく子どものように。


それだけ、付き合いの長いマリの裏切りはショックでもあった。


「裏切ってなんかいないよ?そもそも今回の件、わたしはゆりあちゃんの味方だなんて言ってない。もうすぐ『夏樹ちゃん対舞先生』の最終局面よ。まずはそれを見届けましょう」


モニターには、学校からスマホで電話をかける舞とデータセンターで電話がかかって来た夏樹、両方が映し出されていた。


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