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オムツと私たち  作者: 062
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佐藤ゆりあ(2)

『恥ずかしいと思うけれど、今夜はこれを使って寝てね。ママより』


それを見て、私は自分の計画の成就を実感した。ここ3日間、朝のオシッコはベッドの中で済ませた。本当は4日前から始めようと思ったけれど、どうしても寝た状態で出せなかった。


早速、身につける。『まえ』と書かれてファンシーなイラスト付きのそれに足を通す。


久しぶりの感覚。このままママに見て貰おうと、自分の部屋を出てリビングのドアを開ける。キッチンにママがいた。


「どうかな?」

「サイズ的には大丈夫そうね。それはそうともう着けたの?」

「私もサイズは気になったもの。それに毎日、洗濯とかママに頼むのも悪いし・・・」

「ちょっと懐かしいと思ってたぐらいよ。今は更に前に戻ったみたいだけど」

「あのね。ママ・・・ううん、なんでもない」


こうして伏線を張っておく。明日の準備だ。


「あんまり張り詰め過ぎないでね。身体を壊しては元も子も無いわ」


「分かってる・・・つもり」


これ以上言っても追い詰めるだけと思ったのか、ママは少し話題を変える。


「何か履いたら?いくらお父さんがいないからって」


私のパパは外資系の銀行で働いている。昨年、本店勤務になってアメリカに単身赴任中なのだ。だからタワーマンションの上から数えた方が早いここには私とママしかいない。「はぁい」と返事して私は自分の部屋に戻った。


翌朝、目が覚めた私は反射的にトイレに行こうとして、止まる。布団をかけ直し、少しお腹に力を入れる。股の間が暖かくなる。オムツは問題無さそうだ。


「おはよう、ゆりあ。起きてる?」


私のおねしょが再発してから(実際には「した事なってから」)ママは朝、私の部屋に来るようになった。


「おはよう、ママ」

「それで布団は大丈夫?」


おねしょはしてる前提として、ママが聞いて来た。私は起き上がる事で正解を披露する。


挿絵(By みてみん)


「大丈夫みたいね。じゃあ、このオムツをネットで注文しておくから、帰りに下の宅配ボックスで受け取ってね。それから、脱衣場のトイレの横に新しくゴミ箱を置いてるから、オムツはその中に入れておいて」


そう言い残してママは部屋を出て行く。ママも近所の調剤薬局で薬剤師として働いているので、朝は忙しいのだ。


さて、私のオムツ計画(笑)第2段階へと進もう。


終業式を明日に控えた学校の廊下は寒い。今日は4時間目の授業中で他に生徒がいないのもあるだろう。今日はお昼休みの後、大掃除で終わりだから本来ならば今年最後の授業になる。その最後の授業が体育になったクラスを横目に見ながら廊下を進み、目的の部屋のドアをノックする。


「失礼します」

「久しぶりね、ゆりあちゃん。今日はどうしたの?」


2年の修学旅行の時に怪我をした事があって、私は養護教諭の西田先生とはそれなりに人間性というか性格を知っているつもりだ。それでも少し緊張する。


「・・・あのっ!・・・その・・・」


思った以上に言葉が出ない。緊張のせいか尿意も感じる。・・・ん、これはチャンスじゃない?


「・・・ええと、ダメ!」


下腹部にチカラを入れて、感じた尿意を押しだす。当然、おしっこが出てきて私の下着から太ももをつたって水たまりを作った。


「この量って事は、ここに来る前にも失敗しちゃったって事ね」


驚きの表情から私を慰めるような顔に変えつつ西田先生が言った。私がこくんとうなずくとカーテンで仕切られたベットスペースへ誘導した。


「とりあえず、下着と制服のスカートは脱いじゃおうね。風邪をひいちゃうわ」


そう言い残してベットスペースから出て行き、何処かの戸棚を開けるような音がする。


「あ、ゆりあちゃん、予備の下着とオムツどっちがい〜い?」


「・・・おまかせします」


私の返事を予想していたのか、次の瞬間には西田先生がカーテンの間から現れた。手にはオムツを持っている。


「じゃあ、そこのベットにゴロンってしてね!」


ノリノリで先生はオムツをつけ始めた。

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