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オムツと私たち  作者: 062


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橋本花乃(2)


わたしの家にはルールがある。わたしが小さい時からだ。それは『おねしょをしたら1週間はおむつで寝る』という事である。今日は2月17日なので、あと5日でわたしのおむつはとれるだろう。


「お姉ちゃん、今日はおねしょしないといいね!」


クスクスと笑いながらわたしに言ってくるのは妹の風乃(かざの)だ。


「しないわよ。21日にキッチリパンツで寝るんだから!」


「お姉ちゃん、そういうの『フラグ』って言うんだよ?」


「わたしはおねーちゃんにおねしょしてほしいけどな!わたしだけおむつなのイヤだもん!」


真っ直ぐに悪意のない希望(わたしにとっては絶望)をぶつけてくるのは1番下の妹、月乃(つきの)。現在、年少のトイレトレーニング真っ盛りのお年頃である。




翌朝


この前とは違う違和感で目が覚めた。ごく一部分に濡れた感覚がある。現実を受け止めるとかなり凹む。最悪な気分で1階のリビングの扉を開ける。


「おはよう、花ちゃん。その顔は失敗しちゃったのね。シャワーを浴びていらっしゃい。オムツはいつもどおり脱衣場のゴミ箱ね。それからカレンダーにバツ印を入れておいてね」


わたしの顔を見ただけで全てを察したママがそう言った。脱衣場に行くと洗面台の横にカレンダーがかけられている。15日から斜線が引かれて、2つに区切られている。どうやら上がわたしらしい。下は昨日バツ印がついている。


『どうか月乃が1週間以内に失敗しますように』と願う。


4歳児と競争している事実に赤面する。


それを流すようにわたしはお風呂場に逃げ込んだ。

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