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オムツと私たち  作者: 062


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橋本花乃(1)


2月14日バレンタインデー。わたしの初恋は終わった。


高山草太君、わたしの好きだった人。今はかわいい2年生の後輩の彼氏をしている。それを今日、しっかりと見てしまった。



どうやらわたしは自分が思う以上に高山君が好きだったみたい。どうやって学校から帰ったかご飯を食べたかも思い出せない。気がついたらパジャマ姿でベッドの上だった。


もういいや。今日はこのまま眠ってしまおう。


翌朝、違和感で目が醒めた。下半身にジットリと濡れた懐かしい感覚、『おねしょ』である。うろたえつつもスマホ画面を見る。6時過ぎ、ママは起きているだろう。下の妹達にバレないようにリビングに向かう。わたしには2人妹がいる。どちらにバレても面倒だと思いながらリビングからキッチンを見る。予想通りママがいた。


「ママ、おはよう。そしてごめんなさい」


あいさつと謝罪を同時に行ったママが目を丸くする。そして、わたしの姿を見て今度は点になる。


「あらあら、ずいぶんと久しぶりね、月乃(つきの)ちゃんなら珍しくもないけど」


月乃は下の妹で現在4歳。夜のおむつが取れそうで取れない子だ。11歳下の妹と一緒にされた事でわたしの顔は赤くなる。


「妹ちゃん達にバレちゃう前にシャワーを浴びてらっしゃい。今回は秘密にしてあげる」


ママがニッコリと笑って言った。


「汚れ物は洗濯機に入れておいてね。あとシーツとかは妹ちゃん達が学校と幼稚園に行った後で綺麗にするからそのままでいいわ」


「はーい」と返事をしながら脱衣場に移動する。脱衣場の室内、正確には洗面台の前に悪魔がいた。


「あ、お姉ちゃんおはよう。パジャマどうしたの?もしかして、おねしょ?」


上の妹、風乃(かざの)だ。わたしの2つ下で中1、反抗期真っ盛りである。


「・・・・・・・・・」


「やっぱり、おねしょだコレ。月乃に言ってやろうっと!今晩から月乃と一緒におむつをつけるといいよ!」


ニヤニヤと意地が悪そうに笑う風乃。


「・・・・・・そこまでよ。(ふう)ちゃんはお姉ちゃんをいじめないの!花ちゃんはバレちゃった以上、今日から1週間、おむつして寝る事」


ママが仲裁と死刑宣告を同時に行なって、わたしをシャワーに誘導した。


逃げ道がない事を自覚しながら、わたしはシャワーの蛇口をひねった。

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