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ソレイユの輝き   作者: Daisaku
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第4話 作戦中止命令

日本時間17時にアメリカ軍が日本国に対して、連絡もなしに一方的に攻撃を始めた、このニュースは世界に一斉に流れた。富士基地のカメラが攻撃の模様を一部始終記録しており、間違いなくアメリカの戦闘機であることもしっかりと確認できるものだった。この間違い様も無いニュースは瞬く間に世界中の人が知る事になった。そんな時、先程、土方外務大臣から連絡を受けた大統領付き事務方のマイクは夜間の当直勤務が退屈でテレビをこっそりと見ていた。そして、先程の外務大臣の話を思い出してクスクスと笑っていた。


『日本人は本当に単純だな。アメリカは日本の各地に基地があり、ある意味、軍事的には占領しているような状態なのに、なんで、自衛隊の基地を攻める必要がある。こんなことを大統領を起こしてまで、伝える様な内容ではないな』


能天気なことを考えていたとたん、楽しく見ていたテレビ番組が急に切れて、緊急のニュースが流れた。


「緊急ニュースです。本日、アメリカ時間3時30分にアメリカ軍が通告なしに日本の自衛隊基地に攻撃をしかけました。こちらがその映像です。専門家によれば、この攻撃をした戦闘機はアメリカ空軍が先日、日本に配備したばかりの新型戦闘機であることに間違いないとのことです。最新型の戦闘機まで使用したアメリカの侵略行為は世界中から、非難されはじめております。国連も緊急でアメリカを除く主要国メンバーが招集がされるようです。また、軍を持たない日本に予告なしで攻撃した行為で各国ではアメリカとの交易など経済的な活動も全面的に一時取り辞めることも検討されると予想されます。アメリカでは最近の不景気に追い打ちをかけるような事態になり、アメリカ大統領から世界に向けて説明をしなければ、アメリカは経済破綻を招きかねない状況になりました」


事務方のマイクは飲んでいたジュースを落として、驚いてテレビを見ていた。自分の怠慢で我が国がとんでもない事になったことを悟った。そして、土方外務大臣の言っていたことがとても緊急であったことをやっと理解した。そして、すぐに上司に報告をしようと受話器を取ったが、あまりにも事が大きすぎて、手が震えだし、何を報告していいかわからなくなり、左手に持った受話器を元に戻した。

そしてホワイトハウスでは大統領補佐官が大統領の執務室にノックもせず急いで入って行った。


「大統領!大変なことになりましたぞ。我が軍が予告なしに日本の基地を攻撃しております」


大統領は起きたばかりで慌て過ぎて、服を着ているのか脱いでいるのか分からない状態で


「あ~、もうそんな事はわかっておる。いったい誰がこんな指示を出したんだ。おい!国防長官と連絡は取れたのか」


「はい、もうすぐ、ここに連絡が入ります」


「そうか、早くしろ、早くしないとアメリカは立ち直れなくなるぞ、それにしても、こんな重要な情報、なぜ日本は事前に連絡をくれなかったんだ。とりあえず、日本の上条総理に連絡するぞ」


トーマス大統領はホットラインで上条総理と連絡を取った。


「上条ですが」


「上条どうなっている!なぜ、こんなことをする前に連絡をくれなかったんだ」


上条総理は何を言っているんだと思い、


「何をおっしゃっているのですか?土方外務大臣が事前にそちらに連絡をして事情を説明したのに、あなたの事務方は連絡をつないでくれなかったんですよ。このような有事にいち事務方が大統領のごとく判断をくだし、あなたへの連絡をする必要はないと判断されたんですよ。我が国としては、指定時間以外の緊急連絡先を聞いておりましたので、手順を踏んできちんと説明をしました。よろしければ録音した物がありますので、お聞かせしてもかまいませんが」


「なんだと~そんなばかなことがあるか!」


「それならば録音データをそちらに送りますから、ご確認ください」


「いらん、そんな物は、こっちも録音する様になっておる。それより、このような攻撃はもうないから、これ以上、早まった行動は取るなよ」


「は?何をおっしゃっているのですか?富士基地に大規模なヘリの編隊が近づいております。こちらも緊急スクランブルで戦闘機が富士基地に向かっています。もうまもなく到着しますから、おそらく、交戦するようになるでしょう。フフフ、トーマス大統領、あなたとは始めて、ちゃんとした話ができたというのに、こんなことになって、とても残念です」


上条はそう言って電話を切った。トーマスはかつてないほどにイライラして、


「国防長官はどうした!こんな有事に連絡が取れないなら、あいつは首だ~」


大声でわめきちらしていたところ、やっと国防長官と連絡が取れた。


「ジョージ、お前~今まで何をしていた~」


「申し訳ありません。大統領、事前確認を取っていたもので、とにかく後で説明をしますので、大至急、日本駐留の空軍に大統領命令で富士基地への攻撃を中止させてください。補佐官にあちらの将軍と連絡をつなげてもらっています。そして、戦時下における休戦を指令するコードを読み上げて下さい」


「わかった。コードだな」


大統領は執務室の壁の絵画の裏にある金庫を開けて、コードを確認した。そして補佐官か現地の将軍に連絡を取り、


「将軍、これから、作戦中止の指示コードを言う。α・β・エコー・990A・・・・」


「大統領、作戦中止命令、たしかに確認しました。部隊を至急撤退させます」


将軍はただちに富士基地に向かっているヘリに作戦中止命令をだした。しかし、ヘリはもう富士基地上空に着いており、100名近い部隊が降下したあとだった。


「作戦中止命令を確認、全部隊、基地への帰還を命ずる、至急、降下部隊を回収し、撤退しろ」


そう指示を出した途端、航空自衛隊の戦闘機が飛んできた。


「自衛隊機が来たぞ、降下部隊は回収せず、全機、撤退しろ、撃ち落とされるぞ」


10機のヘリは降下した兵士を置き去りにして、慌てて撤退を始めた。航空自衛隊の戦闘機はほんのあと数秒で攻撃するところであったが、撤退をはじめたヘリを見て、ミサイルの発射はせず、上空を旋回しながら、ヘリの撤退を確認して、基地に戻って行った。その様子を基地の外から眺めていた少女はビュんビュん飛び跳ねて、楽しそうに空を見ていた。


「日本の戦闘機まで来たよ~すごいよ~でもヘリコプターは帰っちゃったよ。ばあちゃん」


老女は大統領が作戦中止命令をしたことを悟って


「マリ、どうやら、ばあちゃんの作戦は止められてしまったようだ。ごめんな」


「なんで~もうそんなこと、どうでもいいよ。こんなスゴイ物を見れたんだから、やっぱり、ばあちゃんは本当にすごいな~」


ホワイトハウスでは作戦中止が間に合ったか大統領や補佐官、国防長官などが将軍からの連絡を待っていた。そして


「大統領、作戦中止命令間に合いました。日本との交戦は発生しませんでした」


「よし!よくやった」


「しかし、100名ほどの兵士が基地に降下済みで置き去りになっております。撤退するにもヘリが近づいたら、撃ち落とされてしまいますし、少々困っております」


「心配するな。国防長官から日本に連絡してうまく対応させる」


「わかりました。それではよろしくお願いします」


将軍は何事もなかったように電話を切ろうとした。そこに


「おい、切るな、お前はなんで、自衛隊基地を攻撃したのか説明もせずに電話を切るつもりか!」


「は?説明とは何ですか?おっしゃっている意味がわかりませんが」


「なんでお前は自衛隊基地を攻撃したんだ!」


「私はアメリカ軍人として、司令官の指示に従って行動しております。いくら大統領といえど、そんな言い方はないんじゃないですか」


ジョージ国防長官との電話も繋がっている状態で、この一部始終を長官も聞いていた。


「ジョージ、何を言っているんだ、この将軍は最高司令官はアメリカ大統領だろうが、私はそんな指示を出していないぞ、いったいどうなっておる」


国防長官のジョージは就任時に渡された最重要事項のことを思い出していた。まるで映画のようなその内容は信じられない物であったことを思い出していた。



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