知らない天井①
目が覚めると、そこは知らない天井だった。
「おい!伊知地!大丈夫か!?」
「松比良か・・・。」
「俺のことがわかるようだな。良かった。」
「俺がお前のことわすれるわけねぇだろ。」
「うれしいこと言ってくれるじゃないか。」
「まあな。よっこらせっと。」
俺はゆっくりと体を起こす。
「おいおい。そんな急に体起こしても大丈夫なのかよ。」
「まあ、大丈夫だろ。まだちょっと頭が痛いくらいさ。」
「大丈夫なのか。それ。」
「それよりも、俺はどうしてここにいるんだ。教えてくれ。」
「ああ。ここは病院だよ。お前は救急車で運ばれたんだ。ちなみにどこまで覚えてる?」
「えーっと。」
俺はぼんやりとした記憶を思い出そうとする。たしか皿をかいにいって・・・。
「階段から転がってきた子を助けようとして・・・。あ、あの子はどうなったんだ!?けがはなかったのか!?」
「起きてそうそうあの子の心配とはな。まあ、お前らしいか。無事だよ。お前がしっかりと抱きかかえていたおかげでな。」
「良かった。」
「また今度、お礼がしたいとさ。」
「そうか。お礼はともかく、またあの子と会えるのはいいことだな。」
「あ、そうそう。鈴原さんはさっきまでいたんだが、今の飲み物を買いに自販機へ行っているところだ。伊知地が目を覚ましたって伝えてくる。お前はもう少し横になってやすんでおくんだぞ。」
「あいよ。」
「あ、それからストーカーの件だが。まあその話は3人そろってからでいいか。ちょっといってくる。」
そう言うと、松比良は椅子から立ち上がり、外へ出て行く。ドアがガラガラと閉じられると、部屋には静寂が訪れる。




