41/47
この憂鬱は俺のもの⑧
「いまから帰りまーす。」
俺はそう小さな声でつぶやくと同時に、携帯に同じ旨のメッセージを送る。
2人から、
「了解」
「気を付けて」
のメッセージを確認し、歩き出す。
先ほどの映像に映っていた茶髪の女性はまだ見受けられない。
帰り道の3分の1が終わったというところまで来た。
俺は一度立ち止まってメッセージを送る。
「どうだ。あの女の人はいたか?」
「いや、まだ確認できていない。」
「私もまだ見てないわ。」
「なかなか出てこないな。今日はもしかしたらいないのかもな。」
「油断しちゃだめよ!なにがあるかわからないよ!」
「そうだな。引き続き警戒していこう。」
「助かる。あ、そうだ。申し訳ないんだが、ちょっと帰りに寄り道をしてもいいか?」
「かまわないが、どこへ行くんだ?」
「ちょっと買い物だ。新しい食器がほしくて。」
「了解だ。くれぐれも気を付けて。もしかして人混みに紛れて出てくるかもしれないからな。」
「わかった。」
俺はその足で近くの大型ショッピングセンターに向かった。
今の家にはない、少し大きめのお皿を新調しようと思っていたのだ。
二人には、私用に付き合ってもらって申し訳ないが、一人で出かけるのも怖いし、タイミングとしては今しかない。二人にも今度食器をプレゼントしよう。




