この憂鬱は俺のもの⑦
「こちらスクランブルエッグ。サンド、イッチ、応答願う。」
「こちらサンド。いまのところ怪しい人物なし。」
「こちらイッチ。同じく異常なし。それはさておき、イッチって掲示板にでてきそうな名前じゃないか?」
「ストーカーに悩んでる友人がやばい、とかでスレッドたてたりしてねぇよな。」
「してないな。した方が良かったか?」
「しなくていい!」
「さっきからなんの話してるの?」
どうやら鈴原さんには伝わらなかったようだ。まあ俺もあまり詳しい方ではないのだが。
「おほん。とりあえず今から登校しようと思う。なにかあったら連絡してくれ。」
「「了解」」
そのまま無事登校し、午前、午後の授業もうけ、後は帰り道を残すのみというところになった。そろそろ帰ろうかと2人に連絡を取ったところ、松比良から呼び出しのメッセージが来たため、一度合流することになった。
「何かわかったのか?」
「ああ。といっても、ただ少し気になるというだけなんだがな。」
「どんなちっちゃな事でもいいと思うよ!何でも言おう。」
「そうだな。とりあえずこの動画を見てくれ。」
そう言って松比良は携帯の画面を俺たちに見えるように反転させる。そこには俺が学校に行く後ろ姿が撮影されている映像があった。
「これは、俺だな。」
「伊知地くんだね。」
「ああそうだ。だが見てほしいのはこっちなんだ。」
松比良はそう言うと画面を一時停止させ。俺が歩いている少し前の女性を指さした。
「この人だ。何か見覚えはないか?」
「うーん。あんまり見たことないなぁ。というかあんまり顔とか見えない。」
俺の数メートル先を歩いているため、顔があまり見えない。なんとなくわかるのは、髪が短くて茶色っぽい髪色ということだけである。
「この人なんだが、帽子をかぶっているよな。この帽子をよく覚えて次の動画を見てみろ。」
そこには一昨日の登校中の俺の動画が映し出されている。俺が歩いている少し先を、同じ帽子をかぶった茶髪の人が歩いているのがわかる。服の系統は全然違うが、帽子が同じである。
「これも、これも。同じ人が映っているだろう。」
「ほんとだ。よく気づいたね。私前からみてても全然気づかなかった。」
「何かあると思わないか?」
「確かに。鈴原さん顔とか覚えてたりする?」
「ごめん。全然覚えてないや。伊知地君ばっかりみてたから。」
トゥンク。もしかしてそれって俺のことす・・・
「伊知地君に何かあったら大変でしょ。すぐに助けにいけるようにね。」
やだ。男前。予想とは違ったけれど、それはそれでいい気分だ。
「今日見てみるよ!頑張って写真も撮ってみる。顔がわかっちゃう写真はあんまりよくないかもだけど、証拠として残す分にはいいかもだし。」
「そうだな。伊知地ももし何か思い出したりとかあったら頼むぞ。」
「ああ。わかった。」
といわれてもな。誰だろうこの人。まあ直接見たらわかるのかな。




