この憂鬱は俺のもの④
「お悩み解決、開始!」
鈴原さんが高らかに宣言する。
「おー!は?」
「「おー」」
「やり直し。お悩み解決、開始!」
「「おー!」」
さっきよりも大きな声を出す。どうやら合格のようだ。
「では伊知地くん。どうぞ、帰ってください。」
「お、おう。」
戸惑いながらも俺は帰路につく。
おれが数十メートル歩いて振り返ると、電柱の後ろに鈴原さんが隠れているのが見えた。バレバレなんですけど・・・。
鈴原さんのさらに後ろでは、松比良が手を顔にあてて上を見上げている。こころなしかため息も聞こえてくる。いや、気のせいなんだろうけど。
「ま、まあなんとかなるか。気がすむまで付き合うしかないよな。」
そうつぶやいて、俺はそのまま歩く。
家に着いちゃった。なんにもなく、家についちゃった。
俺が家の前についた5分後に鈴原さんが、そのまた5分後に松比良がやってきた。
「どうだ?なにかわかった?」
「うーん。あんまりわかんないな。」
鈴原さんがあんパンを食べながら答える。左手には牛乳もある。いつ買ったんだよ。俺のお悩み解決はどうしたよ。
そんな思いが顔に出ていたのか、鈴原さんは焦って
「雰囲気は大事だよ!」
と答える。
「うん。そうだね。雰囲気はとっても大事だね。」
かわいいからよし。
「ま、松比良君はどう?」
露骨に話をそらしているのが見え見えである。
「いや、俺も今のところはわからん。今日はたまたまストーカーにも予定が合ったのかもしれない。もう何日か俺たちもストーカーしていいか。」
言い方よ、言い方。お悩み解決のサポートと言ってくれ。
「あ、ああ。頼んだ。」
「じゃあ、明日の朝もここに集合だね!一緒にみんなで登校、じゃなかった、ストーカーしよう!」
う~ん。だから言い方っ!




