腹ごなし
「とりあえず、さっき送ってもらった画像だけ共有しとくわ。」
歩きながら、俺はそう言って、2人に送信する。
「サンキュー。」
「ありがと。」
2人も携帯を開き、送られたことを確認する。
「これでとりあえず、履修登録に関しては大丈夫か。」
「うん。後はこの写真にのってる講義を中心に、家に帰ったらどんな授業があるのかを確認してみるよ。」
「そうだな。」
「じゃあ今日は一旦解散するかー。」
「オッケー。」
「特にすることもなくなっちゃったもんね。」
そんなことを話していると、ちょうど校門に着いた。
「じゃあまた明日。」
「また明日。」
「うん。また明日。」
鈴原さんは手を振りながら右へ、俺と松比良は左へ歩き出す。
「いまからどうするかなー。」
「何だよ。することないのか。」
「まあな。帰っても寝るだけだしな。」
「じゃあ、自転車を見に行かないか?」
ナイスな提案だ、松比良。完全に忘れていた。
「それいいな。昨日見に行かないとなって話してたもんな。」
近くの自転車屋をネットで検索する。便利な時代になったもんだ。
「お、あったぞ。」
「了解、ここからどれくらいかかるんだ?」
「歩いて15分くらいって出てる。腹ごなしに歩くか。」
「そうだな。」
俺はちらちらと画面に映し出される道を確認しながら歩く。
こういうときにさりげなく車道側を歩く松比良にはいつも感心されられる。
「おれもまねしないとなあ。」
「ん?何の話だ。」
「なんでもねーよ。気にすんな。」
「そうか。」
「おう。」
なんとも言えない空気になってしまった。




