スーパーに行こう①
買い物は近所のスーパーで済ませることにした。最近引っ越したばかりなので1度しか足を運んだことはないが、それなりに品揃えの良さそうなスーパーがあることはすでに知っている。自宅からは歩いて10分程度の距離なので、徒歩で行くことにした。
やはり自転車があった方が便利なのだろうか。一人暮らしなのでお金は慎重に使わねばならない。自転車を買う前に、バイトを探さないとお金が底をつきてしまう。しかし、大学生活が始まったばかりでは右も左もわからないままなので、ある程度大学生活になれてからの方が安心してバイト探しに専念することができる。どうするのが最善の選択なのだろうか。なかなか難しいモノである。今度、松比良にも相談してみよう。
そんなことを考えているうちに、スーパーについた。ウィンと小さな音を立てながら自動ドアが開く。数歩歩くと、また同じように自動ドアが開いた。
ちなみにこのような構造を風除室というのだそうだ。冷暖房の調節などの効果があるらしい。
スーパーに入ると、すぐに目に入ったのはたくさんの野菜だ。緑や赤など色とりどりの野菜を横目に、お惣菜コーナーをさがす。空腹を満たす事が先決のため、野菜を見るのはつぎの機会にしよう。野菜コーナーを通り過ぎると次は鮮魚コーナーが見えた。その奥にはどうやらお肉のコーナーがあるようだ。たくさんの魚やお肉を横目にぶらぶらと歩く。お肉コーナーの突き当たりを右に曲がると、惣菜がちらほら売っているのが確認できた。お昼時を過ぎているので、めぼしいモノはほとんど売れてしまったのだろう。透明なプラスチックの容器が赤いテーブルのうえにいくつかのっている。何にしようか、少し腕を組みながら考えていると、
「何を探しているんだい。」
と言う声が耳に入ってきた。