プロローグ
どうせ無理だ。ほとんどの人は何か新しいことをしようとするときこう考えるのではないだろうか。何かをしてみようと思っても、時間がたつにつれどうせ無理だ、やっぱり面倒だと感じ、そのままやらなくなっていく。そしてほかにやるべきことがあったから、忙しかったから、リスクがあったからなどとやらない理由を並べ、自分に言い聞かせ、目を背け、そのまま思い出として風化していくのだ。これほどもったいないことがあるだろうか。確かに、リスクを考える事は大事かもしれない。だが、いろいろ考えて結局何もしないで、それで何かやったんだと胸を張って言うことができるだろうか。何かできるようになったんだと大声で叫ぶことができるだろうか。これが僕なんだと、これが私なんだと顔を上げることができるだろうか。それこそ無理である。結局、そこには何も残らない。いや、正確には残る者はある。自己を正当化しようとつらつら並べた理由という名のガラクタだ。
世の大人たちはああしなさい、こうしなさいといろいろ言ってくる。この意見がさも正しいんだと言わんばかりに大きな顔をして。だが、そんなことの前に言うべきことがあるはずだ。もっと大事なことがあるはずなのだ。
僕ならこう言葉にする。もっと簡単に。もっと端的に。もっと短く。
「今すぐ、動き出せ。」