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食エッセイ  作者: 支援BIS
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柿ピー関西限定版

 昨日、仲間内の年に一度の旅行で、能勢温泉に泊まった。

 夕食のぼたん鍋は、おいしかった。刺身もおいしかった。今朝の朝食もおいしかった。

 今日の昼、Googleに案内してもらった「焼肉すとろんぐ」のランチもおいしかった。

 だが、今私が語ろうとしているのは、それらについてではない。

 道の駅で買ってしまった柿の種についてだ。


 堂々たる箱に入り、中央上部に「関西限定」と印刷されている。

 その右側やや下よりに、「16袋入 4種類×4袋」と印刷されている。

 中央にはロゴマークと並んで「いつでもカリッと! 亀田の柿の種」「ピーナッツ入り」と印刷されている

 そして下段には四つの写真が並んでいる。


 一番左に、たこ焼き。

 その右側に、串カツ。

 その右側に、カレー。

 そして右端に、梅干し。

 それぞれの下には商品名が書いてある。

 一番左に、「たこ焼ソース風味」。

 その右側に、「串カツソース風味」。

 その右側に、「カレー風味」。

 そして右端に、「梅しそ味」。

 その下側に、判読困難なほど小さい文字で、「写真はイメージです」と注記がある。


 はっきり言って、「たこ焼ソース風味」も「串カツソース風味」も「カレー風味」も「梅しそ味」も、食欲をそそらない。食べたいとは思わない。買おうとは思わない。「梅しそ味」については、ふだん似たような柿ピーを食べているという事情もある。

 だが、買ってしまった。

 今、私の机の上に乗っている。

 どうして買ってしまったのだろう。

 たぶん、「関西限定」だからだ。

 私はこういう売り文句に弱いのだ。

 いずれも新潟で生産されたものなのだが。

 それと、四種類というのをまとめてあるのも、たぶん原因の一つだ。

 平凡な手札も四枚集めれば強力な手札となる。


 ともあれ、食することにしよう。

 反省はそのあとでよい。

 温泉にたっぷり漬かったので、腰や節々の痛みは消え、体調は良好である。それでいて、少しけだるい。

 こんな午後は、柿ピー関西限定版の謎の魅力にひたりつつ、ぼんやり過ごすのもいいではないか。


(2023年12月3日執筆)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 限定の魔力すごいわかる…
[一言] ご当地限定商品というパワーワードが発する魔力よ 柿ピーネタ出るたびにまた一歩柿ピー中毒者への階段登っているようで何よりです
[良い点] 地方限定系はお土産にして結局自分では食べない人種です そして稀に当たりを報告されて後の祭り
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