くじらの姿焼き(2015年2月20日)
昨日、他出する用事があった。
待ち時間に読もうと本を買った。
風野真知雄氏の「隠密 味見方同心(一)」である。
主人公月浦波之進は、南町奉行所に勤務する町方同心である。
新年の人事異動で新設の「味見方」を命じられる。
それはいかなる役職か。
江戸の民はうまい物には金を惜しまないという総グルメ時代である。
至る所で多種多様な食べ物が商われている。
だがその食材は本当に安全か。
違法な取り引きは行われていないか。
人と物と金が動くところ、犯罪がある。
奉行所の経費で市中を食べ歩きしながら、江戸の食い物屋の動向を探る。
それが波之進に与えられた任務であった。
という、のっけからのけぞりそうな設定である。
しかし、おもしろそうだ。わくわくする。
とはいうものの、本当にこんな設定で小説が書き続けられるものなのだろうか。
などと心配しつつ読み進めていくと、いきなり不思議ワールドに引き込まれ、あとはただ気楽にページをめくるだけだった。
主人公は容姿端麗、頭脳明晰、剣術達者であり、温かい家族と、気立て良く料理上手の嫁に囲まれた幸せ者である。
その幸せ者がさくさくと事件を解決してゆく、ストレスフリーのライトな時代劇ファンタジーなのである。
ところで、この第一巻には、「禿げそば」「うなぎのとぐろ焼き」「くじらの姿焼き」「鍋焼き寿司」という四話が収められている。
くじらの姿焼き。
いったいどんな料理なのか。
それは私も知らない。
なぜかというと、まだ第二話までしか読んでいないのだ。
今夜寝るときにでも読むことにしよう。
(2015年2月20日執筆)
追記
読み進めていくと、上記の紹介にいくつも正しくない部分があるのがわかった。
だが、それが何かはここでは述べない。
実際に書籍を読んで、驚いていただきたい。




