表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
食エッセイ  作者: 支援BIS
30/74

私信その2(2012年12月30日)

O様


 一昨日は会議お疲れさまでした。

 そのあとの恒例の水炊きは、おいしかったですね。

 豚肉と白菜とネギと豆腐とエノキとシイタケと春菊、それに豆腐とマロニーという、ごくシンプルな鍋なのですが、とにかくおいしい。

 豚肉のほうはもちろんですが、白菜がおいしいということの価値は、あの鍋を食べたらよく分かりますね。


 実は前菜に出るてっさですが、てっきり青柳あおやぎから取り寄せていると思い込んでいました。

 あれ、太政ふとまさのだったのですね。

 配膳を手伝ったとき、パンフレットが入っていて気付きました。

 まあ、店は隣同士なのですが。

 パンフレットに「ふぐ料理を美味しく召上るこつ」が書いてあって、そのなかのてっさの項に「切身2枚で皮を包んで召し上がってください」とあるのを見て愕然としました。

 今まで何をしてたんだろうと思いました。


 それはともかく、貴兄に「活動報告が滞っている」とおしかりを受け、「小説は1月1日に新章開幕だよ」とお答えしたとき、「小説なんかどうでもいい。そもそも読んでいない。活動報告しか読んでいない」と言われたのには、少しショックを受けました。

 あくまで小説のほうが本体で、活動報告は執筆状況とその周辺をおもな材料とする作者・読者の交流の場です。

 私の場合は取材活動のまとめに使ったりしていますが。

 そもそも活動報告は、ややコアな人しかたどりつかないというか、読もうとしないものだと思うのですが。

 というか、活動報告は作品ではありません。


 話は戻りますが、水炊きのあとの雑炊、おいしかったですね。

 でも、やはり先代が作ってくださったお雑炊の、あの卵のふわっと感が懐かしいなあ、と思いました。

 あんな絶妙においしいお雑炊は、お店でも食べた記憶がありません。

 もう二度とあれは食べられないのですね。

 味というのは写真にもビデオにも残せないものだから、それを作れる人がいなくなれば永遠に失われてしまいます。

 これから入ってくる新人たちは、あの味を知ることはありません。

 これから毎年、水炊きのたびに思い出すことでしょう。


 こちらは昨日、年度最後のイベントが無事終了しました。

 正月イベントに向けて、今日明日とラストスパートです。

 そちらもお忙しいことと思います。

 お体ご大切に。

 では、よいお年を。



          2012年12月30日 支援BIS拝


(2012年12月30日執筆)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 活動報告は作品ではないかもしれませんが、エンタメだと思います。 そして、7年経ったらエッセイ作品の一部になっているような
[良い点] 食『欲』に訴えてくるところ [気になる点] 自由に動けてどこにでも食べに行ける タイミングで読まないと、モヤモヤするところ [一言] 鍋は良いね、いつ食べても上手い 肉も良いね、何度食べて…
[良い点] 計算ずくだと思いますが、今日書かれた内容だったと言われても違和感のない内容でした。 やはり冬はなべ物ですよね。 熱が通ったばかりのシャキシャキとした食感の白菜も美味しいですし、味のしみ込ん…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ