私信その2(2012年12月30日)
O様
一昨日は会議お疲れさまでした。
そのあとの恒例の水炊きは、おいしかったですね。
豚肉と白菜とネギと豆腐とエノキとシイタケと春菊、それに豆腐とマロニーという、ごくシンプルな鍋なのですが、とにかくおいしい。
豚肉のほうはもちろんですが、白菜がおいしいということの価値は、あの鍋を食べたらよく分かりますね。
実は前菜に出るてっさですが、てっきり青柳から取り寄せていると思い込んでいました。
あれ、太政のだったのですね。
配膳を手伝ったとき、パンフレットが入っていて気付きました。
まあ、店は隣同士なのですが。
パンフレットに「ふぐ料理を美味しく召上るこつ」が書いてあって、そのなかのてっさの項に「切身2枚で皮を包んで召し上がってください」とあるのを見て愕然としました。
今まで何をしてたんだろうと思いました。
それはともかく、貴兄に「活動報告が滞っている」とおしかりを受け、「小説は1月1日に新章開幕だよ」とお答えしたとき、「小説なんかどうでもいい。そもそも読んでいない。活動報告しか読んでいない」と言われたのには、少しショックを受けました。
あくまで小説のほうが本体で、活動報告は執筆状況とその周辺をおもな材料とする作者・読者の交流の場です。
私の場合は取材活動のまとめに使ったりしていますが。
そもそも活動報告は、ややコアな人しかたどりつかないというか、読もうとしないものだと思うのですが。
というか、活動報告は作品ではありません。
話は戻りますが、水炊きのあとの雑炊、おいしかったですね。
でも、やはり先代が作ってくださったお雑炊の、あの卵のふわっと感が懐かしいなあ、と思いました。
あんな絶妙においしいお雑炊は、お店でも食べた記憶がありません。
もう二度とあれは食べられないのですね。
味というのは写真にもビデオにも残せないものだから、それを作れる人がいなくなれば永遠に失われてしまいます。
これから入ってくる新人たちは、あの味を知ることはありません。
これから毎年、水炊きのたびに思い出すことでしょう。
こちらは昨日、年度最後のイベントが無事終了しました。
正月イベントに向けて、今日明日とラストスパートです。
そちらもお忙しいことと思います。
お体ご大切に。
では、よいお年を。
2012年12月30日 支援BIS拝
(2012年12月30日執筆)




