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奇妙な留置人  作者: 伊藤むねお
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立花

 午後7時、県警本部は特別捜査本部を入間南署に立てることを決した。本部長は県警本部刑事部長の立花敬吾。指揮は畑中が取ることも併せて決定された。午後8時を過ぎても殆どの刑事はもどっておらず、署では全員総残りで特捜本部設置の準備に忙しかった。

 男は狭い応接室にいた。兵藤と田代が話を聞きに入った。刑事課で最初に現場に到着したのがそのふたりだった。

「あらためまして。ここの刑事課の兵藤、こちらは田代です。もう8時過ぎなんで悪いんですが、もう少しつきあって欲しいんですよ。いいですかね」

「いいよ。カツ丼を食わせてもらったし」

「名前、やっぱり駄目ですか」

「それはやっぱり、ちょっと」

「どうしてですか」

「色々と」

「色々とですか。じゃ住所も」

「それもちょっと」

「そうですか。でもなんと呼べばいいですかね。不便なんだけど」

「立花」

「仮名ですか」

「いやああ、まああ」

 男は顔を上げて兵藤の後ろを見た。

 兵藤は、ははあ、と思った。そこには署がもらった表彰状が並んでおり、そのひとつに県警本部刑事部長・立花敬吾の名前がある。

 ――人をくったやつだな。


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