物語の「構成」部分の考え方
作品を作ってゆくうちに作者はある問題に行き着きます。
ネタ切れです。それからそのネタ切れの次にどんなネタを仕込んでゆくかって問題です。
これを便宜上ここで「構成」と言いましょう。
お話の構成をどう組み立ててゆくか、今回のエッセイではそこを一緒に悩んで行こうと思います。
というのも答えを出せるほど簡単な部分ではないんですね。
天才とされる人種は直感でキレイな構成を仕上げてしまうのかもですが、凡人にはそうはいきません。
ならどうすれば上手くお話を組み立てられるのでしょうか。
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まずネガティブな部分からなぞってみましょう。
構成に失敗した場合どうなるかって話です。ぶっちゃけ失敗せず無難な構成に出来るのなら、あとは中身勝負で良いです。
つまりは失敗しない構成で作れればそれでいいんじゃないかな。
と、あまりに難しい部分なのでちょっと後ろ向きな方向で考えていきます。
では、ダメな構成パターンをリストップ。
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1.全く別の物語になる
好き勝手に作るあまり、序盤からあったストーリー展開から逸脱し過ぎてしまうケース。
例えるならケーキ食ってたら途中からカレーだった! ってダメな構成です。
この場合、読者はケーキ食うつもりでお話を読んでいるので、カレーを出されても喜びません。
でもうっかり入れてしまって話のベクトルがグッタグダになる失敗パターンです。
これ無意識にやらかすので注意しましょう。プロット組んでからとか、実際に書いてから気づく、とかざらです。
うっかり変な方向に脱線してしまうとですね、作者も読者の方も混乱します。
その混乱がその後の展開にも響く。恐ろしい話なのです。平たい言葉で、迷走、とか言います。
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2.話が進まない
日常回や番外編を入れるのはいいのですが、あまりに話が進まないのはやっぱりまずいです。
読者サイドに立つとこういった感想になります。
これ「引き伸ばし」だ。
作者本人には引き伸ばしてる自覚がなくとも、話が進んでないとスッキリしない印象を与えてしまうのです。
なので配分に注意しましょう。たまに進める勇気が大事だともいます。
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3.話が進み過ぎる
逆のパターンです。お話としてはそれで構わないです。
やり過ぎると読者がついて行けなくなったり、ネタがあっという間に切れて作品が寿命を迎えます。
別にそれでいいなら良い話ですが、なろうなんかでやると長期連載が強いので問題になります。
特に初期のテーマや構想を使い切ってしまうと、もうそこから先は蛇足です。
進める部分と、進めない部分を選びましょう。
悲しいかな、これも引き伸ばしだとか、「延命」とか言われちゃいます。
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4.バランスがおかしい
それがわかったら苦労しねーよ!
って部分ですけど、後から作品全体を見渡してみるとやっぱりバランスがおかしい……。
ってやつです。
暗いエピソードの後に、さらに暗いエピソードを重ねたり、やたらに日常パートが長く続いたりと、リズムやら構成の上で明らかに間違ってる組み合わせってあります。
気をつけましょう。
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5.同じパターン過ぎる
サザエさんみたいな様式的な面白さって大事です。
ただあれも意識した結果だと思います。
無計画にただ同じパターンのお話を並べても面白くなりません。
お話の主軸を守りつつ、別の角度からのお話展開を作らないとダレます。
――以上リストアップ終わり
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ネガティブ視点から並べるとこんなものでしょう。
なら理想的な構成とはなんぞやと申しますと、その辺りは伏線とか煽りにもあると言いましょう。
続きが気になる要素を並べていって、それを回収してゆくだけでお話になります。章と章が繋がります。読者の興味が維持されます。
後々の話で書きたいネタを事前に仕込んでおくのです。
それだけであら不思議、それぞれのエピソードが繋がる上に、読者の興味や読む意欲も維持できるって寸法。
この方法の難点は、一度に複数章のプロットを用意した上で、さらにそこから繋がるように微調整しなければならないって点です。
時間がちょっとかかるのは否めません。生産性と相談です。
ただ、プロットってやつは一気に複数、大量に作った方が良いです。
できればの話ですけど、その方が体感的に一貫性を出しやすいので迷走しにくいです。
章やエピソード単位でばかり作り過ぎると発想も思い付きに寄りがちで、結果的に迷走を招き苦労することになります。
とはいえとにかく本文を書きたい、ライブ感を出したいって気持ちもわかります。
考え過ぎると逆にダメになったりもします。
なので無計画にならない程度に自分のやり方を見つけましょう。
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結論。やっぱわかんないので好きにしましょう。
考え過ぎは良くないね。完璧な物語構成なんて存在しないのかも……。
それでも悪手をちょっと把握しておくだけでも問題対策になると信じてます。