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私は夏樹の言葉を疑った。


だって私は夏樹を傷つけたのに……そんなことあるはずがない。


きっと、私を慰めようとしてるんだ。


そう思った私は、横に首を振って夏樹に言った。



「ゴメン…でも、そんな慰めいらないよ」



そう言った時、一瞬夏樹の抱きしめていた腕が緩んだ。


その隙をつかって、私はスルリと暖かかった温もりから抜け出した。


そして、夏樹の顔をみると……真剣な顔でだけどとても悲しい顔でジッと私を見ていた。



「……夏樹」



私は、なぜか夏樹の名前を呼んでいた。


だけど、これ以上はもう夏樹にかける言葉が見つからない……わからなかった。


私は、ゆっくりと夏樹に背を向けて歩いた。


二歩、三歩、四歩、五歩……十歩以上歩いても、もう夏樹は追いかけて来ない。


あぁ、やっと諦めたかな?そう安心しなくちゃいけないのに、やっぱり夏樹の側にいたいって思う私は、矛盾してるかな?

 

その時だった、後ろからいきなり抱きしめられたのは……夏樹が私をまた強く抱きしめてきたのだ。



「…なつ──…」



私は慌てて、夏樹に声をかけようとする。



「慰めとかじゃない!」



しかし、私の声は夏樹の言葉にかき消された。



「…俺は、本気でお前を……カズハが好きなんだ」


「私が、夏樹の側にいちゃいけないの、だから…その気持ちには──…」


「違う!お前の本音が聞きたいんだ」



なんで?なんで夏樹は諦めてくれないの?


私がいたら、また傷つくよ?迷惑もかけちゃうよ?……それでも私、側にいて良いの?












─────夏樹を好きで居ていいの?─────













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