未来の天皇陛下
更新が遅くなって大変申し訳ありませんでした。
大学生って大変なんですね………
明治37年 1904年 1月
オレは今、父上や兄弟と共に皇居に向かっている。
天皇陛下への新年の御挨拶に向かっているところだ。
ちなにみ皇居に行くのは初めてで物凄く緊張している……
だって天皇陛下と間近で会えるんだよ!?誰でも緊張するよ!もし緊張しないって奴がいたらそいつはきっと人間じゃないんだよ!!
「緊張しているのか?卯宮?」
「……はい」
「まぁ今日は成人だけ拝謁を賜るからな」
「……僕来る意味あるの?」
「いや、会わせたいお方がいるのだ」
「会わせたいお方とは誰ですか?」
「それは着いてからだ」
……一体誰ななんだ?
―待合室―
「しばらくここで待っていてくれ私は陛下に御挨拶しに行ってくる」
案内をされ待たされることになった部屋は和室で中庭が見えるようになっている。
「…………やっぱり広いなぁ皇居は」
ここに来るまで何分掛かったんだよ……
それから待つこと数十分……
「遅いな……一体何をしているんだ?父上は?」
なんだ陛下との挨拶はそんなに時間が掛かるのか?もしかして一人一人が挨拶しているのか?それなら時間がかかるな……
その時襖が開いた
「……あなたは誰ですか?」
「…………」
おいおいオイオイ!?マジかよ!?マジでかよ!?オレの記憶が正しければこのお方は……!?
「恐れながらお聞きいたしますが貴方様は嘉仁皇太子殿下の第一皇子の裕仁殿下であらせられますか!?」
「そうですけど……あなたの名前はなんですか?」
「失礼しました!自分は有栖川宮威仁の次男の称号は卯宮、名は義仁と申します!」
「そうですか。なんと呼べば良いでしょうか?」
「殿下の御好きなように御呼びください!」
「では……卯宮と呼んでも良いですか?」
「どうぞなんなりと御呼びください!」
やばい……!興奮して震えが止まらない!!あの未来の昭和天皇にお会い出来るなんて……!!
こんなに嬉しいことはない!!
―拝謁の間―
「威仁よ……まずは次男の誕生おめでとう」
「勿体無き御言葉です。陛下」
「して……今、幾つになったのだ?」
「今年で五歳と成ります」
「そうかそうか……では将来は貴殿と同じ海軍士官を目指すのかな?」
「………」
「ん……どうした威仁よ?急に黙りこんで?」
「恐れながら天皇陛下……あの物は陸軍にも海軍にも入りたいと申しておるのです。」
「陸軍にも海軍にも入りたいとな?」
「はい………」
「フム……噂ではその子は神童と聞くが?」
「どこでそれをお聞きになったのですか?」
「嘉仁が喋っていたぞ」
「………なんと言いますか……不思議な子です」
「不思議……とな?」
「はい。三歳頃から自ら身体を鍛えたり、勉学に取り組んだり、果てはどこで覚えたかは分かりませんが船の設計までしているのです。」
「それは……すごいな……しかし船の設計までするとは……」
「さらに英語とドイツ語が喋れるように成っています。」
「なんと!そこまで出来るのか!?」
「今はロシア語とフランス語を覚えようとしているようです」
「………まさしく神童だな」
「………しかし両軍に入りたいと言うのですからどうしたらいいものか……」
「………朕に聞くな」
―待合室―
「殿下は動物が御好きなのですね」
「うん!」
まだ三歳なのにこんなに立派に育ってらっしゃるのか………やはりこの方は天皇陛下に成るべきだ!
「殿下……」
「どうしたの卯宮?」
「自分は殿下にこの身、この命を捧げましょう」
「うん……」
「ですから殿下は自分に何なりと御命令ください。自分はその御命令を遂行して見せましょう」
「卯宮……お願いしてもいいですか?」
「何なりと」
「では……僕と友達になってください」
「………えっ?」
「駄目ですか?」
「いえっ!?あの……その……自分でよろしいのですか?自分よりも良い人はいると思うのですが……」
「僕は卯宮と友達になりたい」
「…………分かりました。よろしくお願いいたします。殿下」
「殿下ではなく迪宮と呼んでください。」
「………せめて殿下と付けさせてください」
「………それぐらいなら良いですよ」
「ありがとうございます!」
殿下を呼び捨て出来るわけ無いよ……
そう言えば父上が言っていた会わせたいお方とは誰なんだろうか?
「卯宮、入るぞ」
「あ、父上と……嘉仁皇太子殿下!?」
そこに入ってきたのは父上と迪宮殿下の父親である後の大正天皇になられる嘉仁皇太子殿下だった
「父上遅かったですね」
「すまないな威仁殿と話していてな……」
なかが良さそうでよかった……なんか涙が出てきた……
「どうした卯宮?塵でも目に入ったか?」
「はい……大丈夫です。ところで父上、自分に会わせたいお方とは誰ですか?」
「こちらの方だ」
「………迪宮殿下の事ですか」
「卯宮、殿下を迪宮と呼ぶのはどういうことだ?」
「迪宮殿下がそう呼べとお願いなされたので断ることができませんでした……」
「実は嘉仁殿下からお前を迪宮殿下の友達にしてほしいと頼まれてな………あまり心配することでもなかったな」
「そうですか?」
「そう言うものだ」
「そう言えば父上?」
「なんだ?」
「嘉仁皇太子殿下と何を話していたのですか?」
「…………」
「顔を反らして黙りこまないで下さい」
「まぁ……いずれ知ることになるよ」
逃げたな………
「君が卯宮だね?」
「はい、嘉仁皇太子殿下」
「そんな固苦しいくなくていいよ」
「はい、しかし……」
「殿下で良いよ」
「……分かりました嘉仁殿下」
「今まで迪宮の相手をしてくれてありがとう」
「いえ自分も迪宮殿下のお相手を出来て光栄でした」
「これからも迪宮と仲良くしてやってくれ」
「喜んでお受けいたします」
1904年 明治37年 2月8日
旅順沖44海里
第一・第二・第三駆逐隊 旅順港攻撃艦隊
第四・第五駆逐隊 大連湾攻撃艦隊
18時
第一駆逐隊
「浅井司令、時間です。」
「よし、全艦に信号『全艦突入セヨ』だ」
「ハッ!」
20時50分
「ロシア艦発見!」
「電灯消せ!」
9日0時20分
「湾外に敵艦発見!」
「数は?」
「……10隻以上います!」
「千載一遇の好機だ!水雷長、攻撃開始!」
「よーい……撃てぇぇえ!」
「急速離脱!急げぇええ!」
大日本帝国は世界列強の一角であるロシア帝国に宣戦を布告、自国を守るために開戦した。
日露戦争勃発
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