明治35年 1902年
久しぶりの更新です。楽しく読んでいただけたら嬉しいです。
1902年 明治35年 春
この世界に来てから3年たった。オレはようやく3歳になり体も大きくなったので自分で行動できるようになった。
「父上、この本読んでいいですか?」
オレが今手に持っている本は英語の本だ。前世では英語は得意ではなかったのでこれからのためにも英語は完璧にしておきたい。あとはドイツ語、ロシア語、イタリア語、中国語も習いたい。
「卯宮……それはお前にはまだ早い。こっちの本を読みなさい。」
渡された本は「桃太郎」と書かれていた………
「これはもう読みました」
「ではこれは?」
今度は鶴の恩返し
「これも読みました」
「じゃあこっちのは?」
猿かに合戦
「読みました」
「うむ……もう絵本は無いぞ?」
「絵本ではなくこの本が読みたいのです!」
「だが卯宮……お前は英語を知らないだろ?」
「だから今から読んでおいたらすぐ覚えれます」
「……分からなくなったら私のところへ来なさい。分かったな?」
「はい!」
―庭―
オレはこれから運動を始める。子供の頃から体力づくりをしていた方が良いと思うので一ヶ月ぐらい前から始めた。
基本は腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワット、などを10回ずつ3セットを毎日している。最初は父上や母上から止められたがそれでも続けて今に至る。3歳でこのメニューは体力的にきつかったが最近は大分楽になってきた。
―部屋―
これらのメニューをした後は自分の部屋で本を読んでいる。いま、読んでいるのは孫子の本でやはり孫子の考えは凄いとつくづく思う。
一時間程孫子の本を読んだ後は兵器の設計をしている。設計と言っても前世の記憶を思い出しながら少し手を加える程度しか出来ていない。三式中戦車を傾斜装甲にしたり、零戦の防弾性能を上げたり、飛龍の性能を上げたり、金剛型戦艦に41センチを搭載してみたり、している。
……気づいたらもう夕方になっていた。
コンコンッ
誰だオレはいま忙しいんだ
「誰?」
「若様、威仁様がお呼びです。」
「父上が?」
何だろう?面倒なことでなければ良いのだが……
「父上、卯宮です。」
「入れ。」
「失礼します。」
―威仁の部屋―
「父上、どうしましたか?」
「卯宮、お前はもう3歳になった。お前も知っているように我が、有栖川宮家は陛下に忠誠を誓っている。私は海軍に入った。お前の兄の栽仁も海軍に入るだろう……卯宮、お前は将来なにがしたい?」
「ボクは将来、この国を守りたいです。」
「では軍人になりたいのか?」
「はい!その為に毎日運動をして体を鍛えています!勉強もしています!孫子は凄いですね!」
「………でッではお前は陸軍と海軍、どっちに入りたい?」
「両方です!(即答&ドヤ顔)」
「…………は?」
「どうしました父上?」
「いッいや何でもない!もう下がって良いぞ!」
「わかりました。失礼しました。」
部屋を出たオレはそのまま自分の部屋向かった。
陸軍と海軍、両方に入った方が色々できるしな……早く入隊したいなぁ……
―威仁の部屋―
「卯宮…あいつはいずれ化けるかもしれん……しかし陸軍と海軍の両方に入りたいとは……無理ではないだろうか?それに卯宮が成人する前にこの国は滅びるかもしれん………我々は勝てるだろうか……?あのロシアに……」
次は5歳ごろの話になると思います。
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