「第03章」
バディーは演奏中に、大音量とともに不思議な演奏を始めるのが、普通となった。
その音が、突然すぎて、慣れない人は音を外したり、演奏を中止してしまったりしてしまった。
バディーは、それを面白がってますます大きな音を出すようになった。
しかし、それも長くは続かず、バディーの周りにいる人達はすぐにその演奏方法に慣れてしまった。
そのため、バディーは単独で色々な演奏中のところに乗りこんだ。
パレードや、ミンストレルショーの演奏中、はたまたクラシックの演奏会場。
突然出てきた、バディーに観客などはびっくりしたが、
その演奏が面白かったため、いつも拍手喝采で終了していた。
ただ、バディーは演奏に乗り込む時にものすごい気合を入れて演奏をしていたため、
演奏を楽しむ代わりに、疲れが出始めてきた。
そんなある日、新聞屋がバディーに販売をして見ないかという話が来た。
演奏をしている音を聞きに来た人に、新聞を配るだけという簡単なお仕事だった。
余計な疲れもない仕事だったので、バディーは快く引き受けた。
この仕事はすぐに成功した。
バディーの音がする場所に新聞を読みたい人々は寄ってきては、新聞を貰っていったからだ。
それを見ていた床屋の店員もバディーに、演奏を頼んできた。
新聞を取りに来た人に、散髪しないかと誘うためだった。
この客寄せ方法もすぐに成功し、バディーのやり方はいつの間にか有名になってしまった。
他の演奏者も、色々なお店などと手を組み、バディーの真似をするようになった。
いろいろな、店同士の決まりごとも決まっていった。
おかげで、前のように、演奏中に乗り込んだりすることができなくなってしまった。
また、バディーの得意とする大きな音もチームを組んだ人たちには太刀打ちできず、
少しでも目立つためにバディーもチームを組むなどして演奏をするようなった。
ある日のこと、いつものようにコルネットを手入れしてマウスピースをはめようとしたら、
マウスピースが突然折れてしまった。
バディーはいったい何が起きたのかと、目を疑ったがガラスのような素材で出来たそのマウスピースは、
吹き口の部分からポッキリといっていた。
バディーは、仕方なく市販のものを使うことになった。
それからというもの、音がうまく出ない上に、音は小さく。
楽しさを全て奪っていたかのような、演奏しかできなくなってしまった。
バディーはあまりの音のひどさに、ついにノイローゼになってしまった。
そのため、バディーは大量のアルコールを・・・。
と書きたいところだが、これでは彼の話として、面白みがない。
ここは、アルコールのかわりに、ココアを飲ませることにしよう。
バディーは、大量のココアを飲む生活になってしまった。
でも、いくら飲んでも、気分が晴れない。
そりゃそうだろ。甘いだけだし。
そのため、飲む量はどんどん増えていった。
おかげで、バディーはさらに体調も崩してしまった。
ニューオリンズではバディーの音がなくなった。




