表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/19

「第10章」

バディーは、ちょっと困りながらも、ルイに会うことにした。

ルイはこの時代に合わせた、5人の小さなバンド編成でやって来た。

オリバーのところに戻るためだったのだが、シカゴにオリバーはいなかった。

後でカポネに聞いて調べてもらったところ、オリバーはシカゴで一番の演奏者だったが体調を崩し、ルイを追うようにニューヨークにいったそうだ。

ニューヨークで、仕事を探したがうまくいかず、今はどこにいるかわからないと言うことだった。

デュークと出会った、あのコットンクラブにも交渉に来ていたらしい。

なんとも、不思議な話だとバディーは思った。


ルイのバンドはいろいろなところから、声がかかった。

人数が少なく、安くですむうえに、オリバーの弟子とも言える人物なので、腕が確かと言うのが、売りだった。


そんなある日、ルイが何度目かのレコードに録音するという話を、バディーに持って来た。

バディーは、レコードには嫌な思い出しかなかった。

始めて録音したのは、2曲。

再生した時のあまりの音の悪さに、耳をふさいだものだ。

その話は置いといて、とりあえず、ルイの演奏する曲を聞いてみた。

昔よりは、マシになったみたいだけど、相も変わらずノイズだらけだ。

その中で、面白かった1曲歌詞を見せてもらった。

「ルイ。この曲いいじゃないかな?」

バディーは、”ヒービージービーズ”という曲をルイに進めた。



ルイが帰って、部屋を見ると、1枚の歌詞カードを忘れて帰っていた。

まぁ、取りに戻ってくるでしょ。

バディーはそう思いながら、いつも通り生活していた。


それからしばらくして、ルイが歌ったレコードが面白いという噂が聞こえてきた。

バディーはカポネに蓄音機を借りて、ルイの曲を聴いた。

バディーはその曲を聴いてあぜんとした。

歌の途中で、適当にハミングしていたのだ。

多分、歌詞カードを忘れたまま録音したに違いない。

バディーは居た堪れない気持ちになった。


その後も、ルイは7人のバンドと大きくなり、成功をしていった。

また、ラジオという謎の箱によって、ニューヨークで会ったデュークや、モートンの声や曲を聴けるようになった。

しかし、世界恐慌で街中は地味な服装が増え、貧困で住む家もなくなった人は、街中を徘徊するようになっていた。

そんな状態も、ラジオという不思議な箱は、救ってくれた。

なんと、ルーズベルト大統領が「世界を巻き直す」と宣言して、ニューディール政策というのを始めた。

街中でラジオを販売している、お店には多くの人が集まり、その内容を聞くや否や、仕事をもらうためハローワークへ向かった。

これによって、街は整備され、田舎の道にも綺麗な道路ができるようになっていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ