表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界建築録 ~YouTube知識で村を直したら、追放薬師と出会い王都をざまぁしました~  作者: 転々丸
第1章 村を要塞化

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/27

第5話 特製・薬草乾燥棚と王都の影

翌朝、俺はラウルと共に

「特製・薬草乾燥棚」の製作に取り掛かっていた。


「格子の間隔はこれでいいか?」 ラウルが切り出してきた材を並べる。


「いや、あと数ミリ詰めてくれ。

YouTubeの……いや、俺の知識によれば、この間隔が一番効率よく

『上昇気流』を生むんだ」


俺は巻尺コンベックスをシャカシャカと走らせ、

目にも止まらぬ速さで印をつけていく。


ただ干すだけじゃない。棚自体を「天然の乾燥機」にする設計だ。


そこへ、朝露に濡れた薬草を抱えたエレナがやってきた。


「……これを干すわ。柳皮と、森の花。花を下に、茎を上に吊るして」


「わかってる。香気を逃さないための逆さ吊りだろ?」


俺が即座に答えると、エレナは意外そうに目を丸くした。


「……どうしてそれを? 薬師の基礎だけど、素人が知っているはずないのに」


「言っただろ。俺には『正解』が見えるんだ」


視界の端には、【最適乾燥サイクル:湿度30%維持】の文字。


俺が棚の角度をわずかに調整すると、スッと風が通り、

薬草が心地よさそうに揺れた。


「……信じられない。ただの棚なのに、まるで呼吸しているみたい」

エレナが感心したように棚に触れる。


そんな和やかな空気を、集まってきた村人たちの声が引き裂く。


「……聞いたか? あの薬師、王都を追放されたって話だぜ」


「昨日、子どもを助けたのは事実だが

……関わると厄介事に巻き込まれるんじゃ」


ラウルが顔をしかめて言い返そうとしたが、俺がそれを手で制した。


俺は村人たちに向き直り、腰の巻尺をカチンと鳴らして見せた。


「あんたたち。家が傾いてたら直すだろ? 井戸が壊れてたら直す。

それと同じだ。エレナは、この村の『命の歪み』を直そうとしてるだけだ。

文句があるなら、

俺が作ったこの棚より便利なもんを持ってきてからにしてくれ」


俺の堂々とした態度に、村人たちは黙り込み

やがてコソコソと立ち去っていった。


「タカ、ありがとう……。でも、無理はしないで」

エレナが小さく呟く。その瞳には、感謝と共に、深い影が宿っていた。


「私は、王都で見てしまったの。

……絶対に作ってはいけない『延命薬』の真実を」


彼女の告白は、風に乗って消えた。


だが、俺の視界には赤い警告表示が点滅していた。


【警告:特定キーワードを検知――『延命薬』】

【関連動画をロック解除……王都の影が接近しています】


「……やっぱり、ただのスローライフじゃ終わらせてくれないか」


俺は拳を握り、次の設計図を脳内に描く。

次は、彼女を守るための「砦」――いや、最高の「調薬炉」を作ってやる。


その時、森の奥から鋭い鳥の鳴き声が響いた。

それはまるで、獲物を見つけた監視役の合図のようだった。


ご覧頂きありがとうございますm(_ _)m


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ