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異世界建築録 ~YouTube知識で村を直したら、追放薬師と出会い王都をざまぁしました~  作者: 転々丸
激突

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第17話 鴉の告白、王都への道標

捕らえたカラスは、ラウルの手によって

村の地下貯蔵庫――今は即席の牢獄となっている場所へと引き立てられた。


その手足は、俺が急造した**「強化ボルト式の枷」**で固定されている。


大工の技術で締め上げられたそれは、

魔法による身体強化でも逃れることはできない。


「……さて、聞かせてもらおうか。

王都がなぜ、ここまで執拗にこの村とアニマ草を狙うのか」


俺が低い声で問うと、鴉は力なく笑った。


「……無駄だ。私は王都の歯車に過ぎん。

だが……貴殿らには知る権利があるのかもしれないな。

貴殿らが守ろうとしているその娘、エレナが何者なのかを」


エレナが息を呑む。


「王都の神殿で『延命薬アルクス』の研究が進んでいるのは事実だ。

だが、それは王の命を延ばすためではない。

王都そのものを維持するための**『動力源』**が尽きようとしているのだ」


「動力源……?」


「王都を浮かせる浮遊石、結界、そして贅沢な魔法生活。

すべてはアニマ草を煮出した膨大な魔力で賄われている。

だが、従来の製法では効率が悪すぎた。

そこで現れたのが、エレナの師匠……

そして、異端の知識を持つとされるエレナ自身だ」


鴉の瞳が、エレナを射抜く。


「エレナ。君が持ち出したあの『黄金の触媒』

……それこそが、アニマ草の真の力を引き出す鍵。王

都は、君を連れ戻し、君を**『人柱』**として炉に捧げるつもりだ」


「そんな……!」

エレナが崩れ落ちそうになるのを、俺は支えた。


鴉は吐き捨てるように続けた。


「私が失敗すれば、次は第四、第五の騎士団が来る。

この村を更地にしてでもな。……救いたいなら、王都へ行け。

王都の『心臓』そのものを、君たちのその妙な知識で作り変える以外に、

この連鎖を止める術はない」


沈黙が地下室を支配した。


俺は、手の中のコンベックス(巻尺)を強く握りしめた。


「……タカ、行かなくていいわ。私は、一人で――」


「馬鹿言うな」 俺はエレナの言葉を遮った。


「一人で行かせて、王都の連中にいいようにされるのを

見てろっていうのか? 冗談じゃねえ」


俺は立ち上がり、ラウルを見た。


「ラウル。村の防衛はこのまま継続してくれ。

ガストンの件で、村人たちも目が覚めたはずだ。

壁の維持方法は教えただろ?」


「ああ。……だが、王都は魔境だぞ。大工の道具だけで何ができる」


「大工だからできることがある」


俺は脳内に浮かぶ、王都の巨大な魔法構造物の「欠陥」を幻視していた。

鴉の話が本当なら、王都は歪んだ設計の上に成り立つ危うい建築物だ。


「無理やり煮出すのが王都のやり方なら、

俺はもっと正しくて、もっと効率的な『構造』を叩きつけてやる。

……エレナ。一緒に来い。あんたの薬学と俺の建築で、

王都をリフォームしてやるよ」


【プロジェクト:王都改築リノベーション 承認】

【目的:システムの根本的刷新】 【同行者:エレナ(特級調薬師)】


翌朝。

俺とエレナは、村人たちに見送られながら、旅の荷車に乗り込んだ。

荷台には、愛用の大工道具と、わずかな黄金のアニマ草。


「タカ、死ぬなよ! 壁は、俺たちが守り抜く!」

ラウルの叫びが遠ざかっていく。


俺は御者台から、遠くに見える空に浮かぶ影――王都を見上げた。

「待ってろ、王都。……欠陥住宅の修理ケリをつけに行ってやる」

ご覧頂きありがとうございますm(_ _)m

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