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異世界建築録 ~YouTube知識で村を直したら、追放薬師と出会い王都をざまぁしました~  作者: 転々丸
激突

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14/27

第14話 陥穽(かんせい)の建築

「突撃ィィッ!!」


指揮官の苛烈な号令とともに、

数百の蹄がアルラ村の入り口へと殺到した。


一騎で家屋をなぎ倒す破壊力を持つ、王都騎士団の重装騎馬隊。

その質量が、目前の「泥の壁」を粉砕せんと迫る。


だが、衝突の瞬間――。


ドォォォォォン!!


凄まじい衝撃音が響いたが、壁は微動だにしなかった。


それどころか、最前列の馬たちが、

まるで「目に見えない巨大なクッション」にぶつかったかのように、

不自然にその場に押し留められたのだ。


「……なっ、なんだと!?」


指揮官が目を見開く。

壁の表面、黄金色の回路が走る版築の層が、

激突のエネルギーを吸い込んで赤熱していた。


【建築スキル:応力分散(衝撃・熱変換)発動】

【変換効率:92%。余剰エネルギーを排熱ダクトへ転送】


「ただの壁じゃねえと言っただろ」

俺は監視塔から、設計図通りの「熱の動き」を視認した。


「エレナ、今だ! 溜まった熱を吐き出せ!」


「ええ……っ! 弁、開放!」


村の中央、エレナが調薬炉のレバーを引き抜く。


次の瞬間、壁の表面に設けられた無数の通気孔スリットから

**キィィィィン!**という高周波とともに超高温の蒸気が噴き出した。


「ぎゃあああッ! 目が、前が見えん!」

「鎧が、鎧が焼けるぞ!!」


突撃の衝撃をそのまま「熱」として返した、建築的カウンター。


白煙に包まれた騎士団がパニックに陥り、機動力が完全に死んだ。


「これでおしまいじゃない。……重力を忘れたあんたたちの負けだ」


俺は足元のトリガー、滑車に繋がった「固定ピン」を一気に引き抜いた。


ガコォォォン!!


「な……地面がっ!?」


騎士団が立ち往生していた入り口の地面が、

テコの原理と「跳ね出し構造カンチレバー」によって、

一気に数メートル跳ね上がったのだ。


視界を奪われていた騎士たちは、跳ね上がった路面に足を取られ

、次々と重なり合うように転倒していく。


最前列の落馬が、後続の突撃を巻き込み、銀色のドミノ倒しが完成した。


【トラップ:跳ね出し基礎、全稼働】 【戦果:重装騎馬24騎、戦闘不能】


「……馬鹿な。魔法でもないのに、地面が動くだと……!?」


落馬し、泥にまみれた指揮官が、

信じられないものを見る目で俺を仰ぎ見る。


「魔法じゃない。ただの建築だ。

……あんたたちが踏みにじってきた土と、風と、計算の力だ」


俺は監視塔の上で、愛用のコンベックスをカチリと戻した。


混乱する騎士団の向こう、

森の影からこちらを凝視する「冷たい視線」を感じる。


――密偵『鴉』か。


だが、村人たちは違った。 震えていた男たちが、

自分たちの塗った壁が王都の騎士を退けたのを見て、歓喜に震え始めている。


「……守れる。俺たちの村は、守れるんだ!」


その声が、新たな熱となって村に広がっていく。

要塞村アルラ。その真価は、ここからだ。


ご覧頂きありがとうございますm(_ _)m

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