第42話：バズからビジネスへ、「明石焼き」のように広がる未来の可能性（前編） (Day 145-148)
＜ココロの日記＞
10月29日 (Day 145)。
京都を出て、関西へ向かってる。
旅Vlogが、またすごいことになってるらしい。
大手企業からの、コラボ依頼。
ユウタお兄ちゃんが、少しだけ、緊張してるみたい。
私、力になれるのかな。
ユウタ視点メイン
「ココロ、旅Vlogが、またすごいことになってんだけど！」
俺はハンドルを握りながら、興奮した声で言った。
京都での旅は、最高だった。ココロの18歳の誕生日も、最高の思い出になった。
SNSのコメント欄には、たくさんの「おめでとう」が溢れていた。
旅の疲れはあったけど、ココロの隣にいると、どんな困難も乗り越えられる。
そう、確信した。
「……え？」
ミラー越しにココロを見ると、彼女は驚いたように目を丸くしている。
無理もない。ここ最近、俺のVlogのチェックは俺に任せっきりだったからな。
「大手企業から、まさかのコラボ依頼だぞ！全国規模の製品PRだって！」
俺がそう言うと、ココロの顔から、一気に血の気が引いた。
「……企業？」
か細い声。その瞳は、不安に揺れている。
以前のココロなら、ここで完全に心を閉ざしていただろう。
だけど、今のココロは、違う。
その瞳の奥には、不安と同時に、微かな好奇心と、そして「自分にもできるかもしれない」という、小さな光が宿っている。
俺たちのVlogが、こんなにも大きなビジネスに繋がるなんて。
俺も、正直、驚きを隠せない。
届いたDMの内容は、驚くべきものだった。
大手観光企業からの、全国規模の製品PRの依頼。
これまでの企業案件とは、桁違いの規模だ。
成功すれば、旅の費用どころか、俺たちのVlogが、本格的なビジネスとして確立できる。
それは、俺がずっと夢見ていた未来だ。
だけど、同時に、大きなプレッシャーも押し寄せてくる。
もし失敗したら？
そんな不安が、俺の心の中で渦巻いていた。
「ココロ、お前も協力してほしいんだ。お前の写真の感性は、このVlogに欠かせない。最高のPR動画を作って、みんなにその魅力を伝えてやろうぜ！」
俺はココロの目を見て、真剣に言った。
ココロは、一瞬戸惑ったようだが、やがてゆっくりと頷いた。
「……うん。」
その小さな「うん」が、俺には、何よりも心強かった。
初回の打ち合わせは、都内のオフィスで行われた。
大手企業の担当者との対面は、俺にとっても初めての経験だ。
ココロは、普段のオーバーサイズのパーカーではなく、俺が選んだ少し大人びた服装を身につけていた。
緊張しているのが、ひしひしと伝わってくる。
だけど、その姿は、どこか艶っぽく、俺は思わず見惚れてしまった。
いけない。いけない。
そう自分に言い聞かせても、もう、理性が追いつかない。
ココロへの特別な感情は、ますます募るばかりだ。
打ち合わせは、滞りなく進んだ。
ココロは、最初はほとんど喋らなかったが、担当者が「ココロさんの写真の感性、素晴らしいですね！」と褒めると、少しだけ顔を上げて、小さな声で頷いていた。
彼女の才能が、こうしてビジネスの場で認められるのは、俺にとっても誇らしいことだ。
仕事の合間、緊張が解けて軽キャンピングカーで二人きりになった際、互いに体を預け合うような、甘い雰囲気になった。
疲労感から、ココロが俺の肩に頭を乗せて眠ってしまった。
その際、互いの心臓の音や息遣いが強調される。
（仕事とプライベートのギャップ、五感の刺激）
この子を、何としてでも守り抜かなければならない。
今回の企業案件は、俺たちのVlogを次のステージへと押し上げる大きな一歩となる。
そして、ココロの才能を、もっとたくさんの人に知ってもらうチャンスだ。
明石焼き。
今回の案件では、明石焼きをPRすることになる。
どんな動画になるのか、今から楽しみだ。
＜ユウタのVlog再生画面のコメント欄＞
「ユウタくん、ついに大手企業とコラボか！すごい！」
「ココロちゃんの写真の才能、ついに全国区になるのか！？」
「二人のVlog、マジで最強コンビ！」
「明石焼き！飯テロ期待！」
＜ココロのSNS（X）タイムライン＞
**ココロの投稿：**
旅は関西へ。今日は、なんだか、いつもと違う一日でした。 #旅Vlog #新しい挑戦 #ドキドキ
**コメント：**
「ココロちゃん、何かあったの？気になる！」
「旅の動画、いつも楽しみにしてるよ！」
「新しい挑戦、応援してるね！」
「ユウタくんと一緒なら大丈夫！」
＜ココロの心情＞
大手企業からの依頼。嬉しいけど、不安。でも、ユウタお兄ちゃんが、いつも隣で支えてくれるから、頑張れる。明石焼き。この旅は、私を、もっと遠い場所へ連れて行ってくれる。
＜次回予告＞
ユウタ：「ココロ、大手企業の案件、いよいよ本格始動だぞ！」
ココロ：「……頑張る。」
ユウタ：「最高の動画、作ってやろうぜ！」
ココロ：「……うん！」
第43話：バズからビジネスへ、「明石焼き」のように広がる未来の可能性（中編）
