第40話:日本縦断クライマックス!「京都の抹茶パフェ」と古都の誘惑(中編) (Day 131-133)
<ココロの日記>
10月15日 (Day 131)。
京都の街を歩いている。
ユウタお兄ちゃんの隣にいると、なぜか安心する。
私の写真が、もっと、この街の魅力を伝えられるかな。
抹茶パフェ。
どんな味がするんだろう。
なんだか、ドキドキする。
ココロ視点メイン
軽キャンピングカー『ひまわり号』を京都の駐車場に停め、私たちはバスに乗って街を巡っていた。
昨日、ユウタお兄ちゃんが「ココロはまだ子供だな」と冗談で言った時、私は思わず「もう18になったんだよ」と口にしてしまった。
その言葉に、お兄ちゃんが顔を赤くしたのを見て、私の胸は、甘く、熱くなった。
この旅は、私を、知らない気持ちで満たしてくれる。
彼との距離が、どんどん近づいている。
このまま、どこまで行けるんだろう。
今日は、京都の街並みを散策する日だ。
清水寺の参道を歩き、二年坂、三年坂の石畳を下る。
両側には、京土産の店がずらりと並び、甘い匂いや香ばしい匂いが漂ってくる。
たくさんの観光客が行き交い、賑やかな声が響き渡る。
人混みはまだ少し怖いけど、ユウタお兄ちゃんが隣にいてくれるから、大丈夫。
彼の背中に隠れるように歩きながら、私は、K-1 IIを構え、夢中でシャッターを切っていた。
清水の舞台から見下ろす、紅葉が始まったばかりの京都の街並み。
石畳の路地を、和傘をさして歩く舞妓さん。
ファインダー越しに見える世界は、どこを切り取っても絵になる。
この街の、歴史と文化。
そして、そこに息づく人々の姿。
私の「写真の感性」で、どこまで表現できるだろう。
昼食は、京風おばんざいの店に入った。
湯葉や京野菜を使った、優しい味の料理。
どれもこれも、繊細で、温かい。
「ココロ、これ、美味いぞ!」
ユウタお兄ちゃんが、楽しそうに湯葉を口に運んでいる。
彼の隣で、こうして美味しいものを食べられることが、何よりも幸せだ。
食後、私たちは祇園の甘味処へと向かった。
今回の旅の、もう一つの目的。
抹茶パフェを食べるためだ。
店の中は、抹茶の甘くて、少し苦い香りで満ちていた。
テーブルに運ばれてきた抹茶パフェは、想像以上の美しさだ。
鮮やかな緑色の抹茶アイスに、白玉、あんこ、そして、抹茶の生クリーム。
見た目も、芸術品みたいだ。
「わー、すごい!」
思わず、声が漏れた。
ユウタお兄ちゃんが、私の顔を見て、嬉しそうに笑っている。
私は、一口、抹茶パフェを口に運んだ。
ひんやりとした抹茶アイスが、舌の上でとろける。
抹茶の濃厚な苦みと、あんこの優しい甘さ。
もちもちとした白玉の食感。
全ての味が、口の中で、絶妙なハーモニーを奏でる。
「……美味しい。」
か細い声だったが、その表情は、感動に満ちていた。
ユウタお兄ちゃんが、私の口元に抹茶クリームがついているのに気づいて、思わず指で拭ってくれそうになった。
その瞬間に、彼の指先が、私の唇に触れる。
ドキッとして、顔が熱くなる。
彼も、少しだけ、顔を赤くしているのが分かった。
こんな甘い時間。
京都での旅は、順調に進んでいたが、一つだけ、心がざわつくことがあった。
清水寺の参道で、私がK-1 IIを構えて写真を撮っていると、突然、ユウタお兄ちゃんが、私の腕を引っ張った。
「ココロ、ちょっとこっちだ!」
彼の声は、どこか焦っているように聞こえた。
振り返ると、私をじっと見つめている、一人の女性がいた。
彼女は、以前私がSNSで誹謗中傷を受けた際に、私を罵倒するコメントを執拗に書き込んでいたアカウントのアイコンに、よく似ていた。
私の体が、一瞬で固まる。
あの時の、恐怖が、再び蘇る。
ユウタお兄ちゃんが、私の前に立ちはだかるように、私を隠してくれた。
「ココロ、大丈夫だから。俺がついてる。」
彼の声が、私を安心させてくれる。
人との摩擦。それは、まだ、私にとって、大きな壁だ。
この旅で、私は、自分の「好き」を表現することの楽しさを再確認した。
そして、ユウタお兄ちゃんへの特別な感情が、さらに深まっていく。
彼の隣にいると、私は、どんな困難も乗り越えられる。
そして、彼との距離が、どんどん縮まっていくのを感じた。
<ユウタのVlog再生画面のコメント欄>
「京都Vlog最高!抹茶パフェ、飯テロすぎ!」
「ココロちゃんの京都の写真、やっぱりセンスが違う!マジ天才!」
「ユウタくんとココロちゃんの距離感、どんどん近くなってるね!」
「抹茶パフェ食べるココロちゃん、可愛すぎ!」
<ココロのSNS(X)タイムライン>
**ココロの投稿:**
京都の抹茶パフェ。美しくて、とても美味しかったです。 #京都 #抹茶パフェ #古都の旅
**コメント:**
「ココロちゃん、京都楽しんでるね!抹茶パフェ美味しそう!」
「ココロちゃんの写真、見ると京都に行きたくなる!」
「写真展の時、京都にも来ると聞いてたけど、やっぱり来たんだね!」
「ユウタくんと京都デートか!羨ましい!」
<ココロの心情>
京都は、美しくて、そして少しだけ怖い場所だった。抹茶パフェは、甘くて、私を癒してくれた。ユウタお兄ちゃんが、いつも私を守ってくれる。この旅は、私を、もっと強くしてくれる。彼への気持ちは、どんどん大きくなるばかりだ。
<次回予告>
ユウタ:「ココロ、旅も後半戦だけど、疲れてないか?」
ココロ:「……大丈夫。」
ユウタ:「そうか!なら、これからも、最高の旅にしようぜ!」
ココロ:「……うん!」
第41話:日本縦断クライマックス!「京都の抹茶パフェ」と古都の誘惑(後編)




