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第30話:写真展への誘いと、新たな才能の発見!輝く「浅草雷門」(前編) (Day 96-98)

<ココロの日記>

9月8日 (Day 96)。

東京に着いた。

人が、すごくたくさんいる。

また、怖くなるかな。

でも、ユウタお兄ちゃんが隣にいるから。

私の写真が、誰かの目に留まったらしい。

不思議な気持ち。


ココロ視点メイン


軽キャンピングカー『ひまわり号』が、高速道路を降りて、東京の街へと入っていく。

窓の外には、高層ビルがそびえ立ち、たくさんの車がひしめき合っている。

人、人、人。

どこを見ても、人、人、人。

私の心臓が、ドクンと大きく鳴った。

怖い。

また、あの時のように、世界が私を拒絶するのではないか。

そう思ったら、体が、じんわりと冷たくなった。

私が引きこもるきっかけになった、あの場所。

東京は、その記憶と、どこか重なる。


「ココロ、東京だぜ!人も多いけど、それだけ面白いものもたくさんあるんだ!」


運転席のユウタお兄ちゃんが、明るい声で言った。

ミラー越しに、彼の顔を見ると、いつものように自信に満ちた笑顔だ。

彼が隣にいると、なぜか、安心できる。

この旅は、私を、大きく変えてくれた。

もう、以前の私じゃない。


「……はい。」


か細い声で、そう答える。

まだ、完全に恐怖が消えたわけではない。

でも、この旅で得た「強さ」が、私を支えてくれる。


東京での移動は、満員電車や、人混みの中を歩くことが多かった。

電車の中では、ユウタお兄ちゃんの体に、私の体が密着する。

その度に、彼の温かい体温が、私に伝わってくる。

ドキッとして、顔が熱くなる。

でも、それは、私にとって、心地よい刺激になっていた。

彼の隣にいると、人混みも、少しだけ、怖くない。


その日の午後、ユウタお兄ちゃんが、突然、真剣な顔で私に話しかけてきた。

「ココロ、お前の写真が、プロの目にとまったらしい。」

「……え!?」

思わず、目を丸くする。

プロの目?

私の写真が?

信じられない。


「SNS経由で、ギャラリー関係者から連絡が来たんだ。お前の写真で、地域限定の写真展を開かないかって。」

ユウタお兄ちゃんの言葉に、私の頭は真っ白になった。

写真展。

私の写真が、たくさんの人に見られる。

嬉しい。

でも、怖い。

また、あの時のように、心ない言葉をぶつけられるのではないか。

そんな不安が、胸を締め付ける。


ユウタお兄ちゃんは、私の不安を察したのか、優しく頭を撫でてくれた。

「無理にとは言わない。でも、ココロの才能を、もっとたくさんの人に見てもらえるチャンスだ。」

彼の言葉に、私は、少しだけ、迷った。

この旅で、私は、自分の「好き」を表現することの喜びを知った。

私の写真が、誰かの心を動かすことの喜びを。

それは、私にとって、新しい「希望」だった。


夜、旅館の部屋で、私は、自分のK-1 IIを手に取った。

レンズを覗き込み、部屋の中を写す。

ファインダー越しに見える世界は、いつもと変わらない。

でも、このカメラが、私に、新しい表現の場を与えてくれるかもしれない。

私の才能が、もっと、広がるかもしれない。

東京は、私にとって、試練の場所だ。

でも、同時に、新しい私に出会える場所かもしれない。

そう思ったら、なんだか、胸の奥が、温かくなった。


<ユウタのVlog再生画面のコメント欄>


「東京上陸お疲れ様!やっぱり都会は人が多いね!」

「ココロちゃん、写真展デビューか!?激アツ展開!」

「ユウタくん、ココロちゃんの才能引き出すのうますぎる!」

「二人のVlog、ついにプロの目にとまったか!すごい!」

「ココロちゃんの写真、SNSで話題になってたよ!やっぱりプロも注目するよね!」

「最近ココロちゃんの投稿ないけど、裏でこんなすごいことになってたのか!」


<ココロのSNS(X)タイムライン>

**ココロの投稿:**

東京は、人が多いけど、なんだか、キラキラしています。私の写真が、誰かに届くって、不思議な気持ちです。 #東京 #写真展 #旅

**コメント:**

「ココロちゃん、東京来てたんだ!嬉しい!」

「写真展とかすごすぎる!絶対見に行く!」

「ココロちゃんの写真、いつも心に響くよ!」

「ユウタくんとココロちゃんのコンビ、最強!」


<ココロの心情>

東京は、怖くて、人が多い。でも、私の写真が、プロの目にとまった。嬉しいけど、不安。でも、ユウタお兄ちゃんが、隣にいるから、きっと大丈夫。新しい私に、出会えるかな。


<次回予告>

ユウタ:「ココロ、写真展の準備、手伝ってくれよな!」

ココロ:「……頑張る。」

ユウタ:「よし!最高の写真展にしてやろうぜ!」

ココロ:「……うん!」


第31話:写真展への誘いと、新たな才能の発見!輝く「浅草雷門」(中編)

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