第19話:ガッカリ聖地巡礼とファンの熱狂!「喜多方ラーメン」が繋ぐ絆!(中編) (Day 61-63)
<ココロの日記>
8月4日 (Day 61)。
昨日、たくさんの人が、私の写真を見て喜んでくれた。
ユウタお兄ちゃんのVlogも、すごくバズってる。
聖地は、やっぱり、私にとっては特別な場所だった。
今日は、もっと、何かできるのかな。
少しだけ、期待してる。
ユウタ視点メイン、ココロの心情描写あり
「うおおお! マジかよ、ココロ! この聖地巡礼の動画、すげぇバズってんだけど!」
俺は興奮して、スマホの画面をココロに見せた。
聖地巡礼のVlogをアップして一晩。コメント欄は爆速で流れている。
「ファンの熱狂、半端ねーぞ!」
「……え?」
ココロは、まだ眠たげな目で画面を覗き込んでいる。
「……すごい。」
その小さな声に、俺はさらにテンションが上がった。
「だろ? お前が撮った写真も、すげぇ反響だぜ! 見てみろよ、この『いいね』の数!」
昨日の聖地巡礼は、ココロが「がっかり」したところから始まった。
だが、ファンの熱狂と、俺のVlog編集センス、そして何よりココロの「感性」が、あの場所を最高のコンテンツに変えてくれた。
視聴者からのコメントは、驚きと興奮で埋め尽くされている。
「まさか、あの聖地がこんなに綺麗に撮れるなんて!」
「ココロちゃんの写真、本当に感動した!」
「この動画見てから聖地巡礼行きたくなった!」
ポジティブな声ばかりだ。
俺のVlogは、今、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
この「バズ」を、さらに加速させるには。
「ココロ、今度はファンのみんなと、もっと近くで交流してみるか!」
俺はそう提案した。
ココロがビクッと身を震わせた。
「……え、どうやって?」
不安そうな声。
「お前が撮った写真、みんなに直接見せてやろうぜ! サイン会とか、一緒に写真撮るとかさ!」
俺の言葉に、ココロの顔が真っ青になった。
「……無理。」
はっきりとした拒絶の言葉。
そうだよな。無理もない。
いくら慣れてきたとはいえ、大勢のファンの前で、直接交流なんて。
まだ、ココロにはハードルが高いだろう。
俺は、ココロの様子を見て、少しだけ反省した。
バズることばかりに夢中で、ココロの気持ちを置いてけぼりにしていたかもしれない。
「ごめん。いきなり無理強いはしないよ。でもさ、せっかくだから、お前が撮った写真、俺のVlogで、もっとたくさん紹介していかないか?」
ココロは、戸惑いながらも、ゆっくりと頷いた。
それが、今のココロにできる、最大限の歩み寄りだった。
その日、俺たちは聖地周辺の、まだVlogでは紹介していなかった隠れた名所を巡った。
ココロは、K-1 IIを構え、夢中でシャッターを切っている。
彼女の目は、光を捉えるように、キラキラと輝いている。
俺は、ココロの邪魔にならないように、少し離れた場所から、Vlogの撮影を続けた。
彼女が真剣にカメラを構える姿を、あえてVlogに映し込む。
その姿もまた、コンテンツになる。
聖地巡礼中、作中のキャラクターが身につけていたような、少し露出度の高い衣装をココロが着てみて、ユウタがドキッとする描写があった。
あるいは、聖地巡礼の再現シーンで、ココロが体を密着させるようなポーズを取り、俺が内心興奮する。
その際、視線の交錯で互いの意識を強調する。
この旅は、俺の理性を、どこまで試すつもりなんだろう。
<ユウタのVlog再生画面のコメント欄>
「聖地巡礼動画、何回も見てる!マジで神!」
「ココロちゃんの写真集、出してほしい!」
「ユウタくんとココロちゃん、最高コンビ!」
「ココロちゃんが着てる服、もしやあのキャラの衣装!?」
<ココロのSNS(X)タイムライン>
※第19話時点では、まだ投稿を再開していないため、コメントは表示されません。
<ココロの心情>
たくさんの人が、私の写真を見てくれる。嬉しいけど、まだ、直接会うのは怖い。でも、ユウタお兄ちゃんが、私をちゃんと見てくれてるから、大丈夫。あの服は、ちょっと恥ずかしかったけど、ユウタお兄ちゃんが褒めてくれたから、少しだけ、嬉しかった。
<次回予告>
ユウタ:「ココロ、この聖地巡礼のVlog、ついに大台突破だぞ!」
ココロ:「……?」
ユウタ:「お前が撮った写真も、どんどん有名になってる!」
ココロ:「……すごい。」
第20話:ガッカリ聖地巡礼とファンの熱狂!「喜多方ラーメン」が繋ぐ絆!(後編)




