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第13話:北の大地を駆けるひまわり号、そして「夕張メロン」の甘い別れ(中編) (Day 45-47)

<ココロの日記>

7月19日 (Day 45)。

北海道での旅は、まだ続いている。

毎日、色々な景色を見る。

ユウタお兄ちゃんが隣にいると、安心する。

お兄ちゃんは、私が困ってると、すぐに気づいてくれる。

最近、少しだけ、甘えちゃう。

夕張メロン、食べたいな。


ユウタ視点とココロ視点を交互


「ココロ、今日のVlogのサムネイル、どれがいいと思う?」


俺は運転席で、今日のVlogの編集作業をしていた。

最近のココロは、Vlogの企画にも積極的に口を出すようになった。

最初はスマホの画面を避けていたのに、今では「このアングルがいい」とか、「このBGMの方が合う」とか、俺に意見をくれる。

頼もしい限りだ。


北海道での旅も、もう一ヶ月近くになる。

俺たちは、美瑛、富良野、知床と、北の大地を駆け巡った。

雄大な自然の中で、ココロは毎日、K-1 IIを構え、積極的に写真を撮り続けた。

彼女の撮る写真は、どれも俺の想像を超えてくる。

彼女の「感性」は、本当にすごい。


ココロ視点


軽キャンピングカー『ひまわり号』は、また、知らない道を走っている。

窓の外には、どこまでも続く、緑の草原が広がっている。

ユウタお兄ちゃんは、いつも、私の隣にいる。

私が疲れていると、すぐに休憩してくれる。

私が何かを言いたそうにしていると、じっと待ってくれる。

そんな、不器用だけど、優しい気遣いが、私には、すごく心地よかった。


最近、気づいたことがある。

私が、無意識に、ユウタお兄ちゃんに頼っている、ということ。

例えば、朝、目が覚めて、まだ体が鉛みたいに重い時。

私は、ユウタお兄ちゃんの簡易ベッドに、もたれかかっていた。

体が触れると、ユウタお兄ちゃんは一瞬、ビクッとするけど、すぐに、そのままの私を受け入れてくれる。

その体温が、私には、安心できる温かさだった。

あるいは、Vlogの撮影中に、ユウタお兄ちゃんが、私の髪が乱れているのに気づいて、そっと指で直してくれた時。

その指が、私の頬に触れる。

ひんやりとして、でも、優しい感触。

ドキッとして、顔が熱くなるけど、どこか、嬉しい。

私は、彼が、私を「女性」として意識していることに、少しだけ気づき始めていた。

それが、私にとって、心地よい「刺激」になっている。


ユウタ視点


ココロは、最近、俺にべったりだ。

着替えの時も、簡易ベッドのカーテンを閉め忘れて、無防備な姿が目に飛び込んできたりする。

さすがに焦る。

「おい、ココロ! カーテン!」

慌てて声をかけると、ココロは「あ……」と小さな声を出して、耳まで真っ赤にする。

そんな姿に、俺はドキッとする。

いけない。いけない。

俺は、ただの従兄だ。

そう自分に言い聞かせるんだけど、正直、無理がある。

こんなにも近くに、無防備なココロがいるんだ。

理性で抑えつけるのは、限界に近い。


昼食は、北海道の道の駅で、地元のB級グルメをVlogのネタにすることにした。

ココロは、積極的に食レポにも挑戦してくれる。

「これ、甘くて、美味しい。」

そう言って、屈託のない笑顔を見せる。

そんなココロの笑顔を見るたびに、俺の心は温かくなる。

この旅は、ココロを、本当に変えてくれた。


夕食の買い出し中、ココロが、俺の服の裾を、そっと掴んだ。

「……あれ、食べたい。」

彼女が指さしたのは、夕張メロンだ。

北海道の旅も終盤に差し掛かり、そろそろ本州へ戻る時期が近づいている。

旬の夕張メロンは、今が一番美味しい。

鮮やかなオレンジ色の果肉が、ショーケースの中でキラキラと輝いている。

甘くて、濃厚な香りが、周りに漂っている。

ココロの目が、完全にロックオンしている。

「お、おう。じゃあ、買ってやるか。」

俺は思わず苦笑した。

こんな風に、ココロが自分の欲求を、はっきりと口にするようになったなんて。

これも、この旅での大きな成長だ。

夕張メロンを抱きしめて、嬉しそうにしているココロの姿は、まるで小さな子供みたいだ。

そんな彼女の姿に、俺は、ますます目が離せなくなっていく。


夜、キャンピングカーの中で、俺たちは夕張メロンを堪能した。

とろけるような甘さが、口いっぱいに広がる。

ココロは、メロンの汁で、口の周りをベタベタにしながら、幸せそうに笑っている。

その口元についたメロンの汁を、俺は思わず指で拭ってやりたくなった。

危ない。危ない。

俺は、とっさにその手を引っ込めた。

こんな日常の小さな出来事一つ一つが、俺たちの関係を、確実に深めている。

互いの存在が、当たり前になりすぎている。

もう、相手がいない状況なんて、想像できない。

この旅は、俺たちを、どこまで連れていくんだろう。


<ユウタのVlog再生画面のコメント欄>


「ココロちゃん、食レポうまくなってる!成長してる!」

「ユウタくんとココロちゃんの距離感、なんかドキドキする!」

「夕張メロン、甘そう!飯テロすぎ!」

「二人の日常、ずっと見てたい!」


<ココロのSNS(X)タイムライン>

※第13話時点では、まだ投稿を再開していないため、コメントは表示されません。


<ココロの心情>

夕張メロンは、甘くて、とろけた。ユウタお兄ちゃんの隣にいると、なんだか、世界が全部、温かい。無意識に、お兄ちゃんに体を寄せてしまう。この気持ちは、何だろう。ずっと、このままでいたい。


<次回予告>

ユウタ:「ココロ、北海道の旅も、そろそろ終わりだな。」

ココロ:「……寂しい。」

ユウタ:「でも、最高の思い出は、Vlogに残るからな!」

ココロ:「……うん。」


第14話:北の大地を駆けるひまわり号、そして「夕張メロン」の甘い別れ(後編)!

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