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恵まれた男

もう近いはずだがイービルの本体は見えなかった。恐らくまだ羽化する前と予想される。主に怪獣のようななりをしているが実態は精神集合体だ。霊体のような存在がどう顕現するかは聞かせれていないので恐らく本社も知らないであろう。5分ほど結界を作って湾内浅瀬を探索していたが未熟なわたしのそれでは限界なので陸にもどった。

「秀樹さん、大丈夫ですか。それと敵の居場所は」亜紀が尋ねて来たが、残念ながら発見できなかったとそのまま伝えた。美麗と紫も変身して戦闘態勢を取っていたが作戦の中止を伝えた。

「ぬるくねえか。今のこいつが逃げて巨大化することもあり得るんだろ」美麗は納得いかないようだったがここで無駄に体力と魔法力使って消耗した後で戦闘することの方が危険度は高いと伝えた。それはそうとみんなに変身解かないで置いて欲しいと懇願した。

「膨大な性欲を今感知したです」紫に看破されたが気にしないで三人を見つめ続けた。会社の財産である魔法少女を三人も私物化してしまっている私は無敵だ。しばらく彼女たちを眺めた後で帰って休もうと伝え車に乗せマンションに戻った。

ああは言ったものの守るべき女の子が三人に増えてしまったので私はベッドを抜け出してベランダから夜でよく見えない東京湾を監視していた。時間は午前三時を過ぎようとしていた。そろそろ限界が来た頃美麗がベランダに入って来た。

「お前が居なくなったことすぐに分かったからな。亜紀と俺はずっと起きてたぞ。紫は疲れてぐっすりだったんで今亜紀が添い寝してあげてる。だけどもう戻って来い。お前に倒れられても困るんだよ」頷いてリビングに戻ったところで美麗が私をソファに押し倒して来た。

「俺だって性欲くらいあるんだからな」私は右手を抑えられ何度もキスされた。美麗がパジャマを脱ぎ始めた時誰かの視線を感じたのでそちらを見ると紫と亜紀が居た。

「美麗、ストップだ見つかった」亜紀がリビングの灯りを付け飲み物を作り始めた。紫は冷蔵庫を開けジュースを探していた。こういうの見てももうまったく動じない二人にホッとした。美麗だけ顔を真っ赤にしていた。口調はアレだが一番乙女で幼いのが美麗だった。

「こういうのが毎夜繰り返されてるのが元山ハーレムなんです?」と紫が私に聞いて来たのでわりとそうと答えた。ココアを飲みながら亜紀は微笑んでいた。美麗はまだ顔が赤かった。

「あんなことして置いてなんですけど私はお二人の代わりに性欲処理させられるんじゃないかとちょっと不安でした。でも今のを見てちょっと安心しました」紫がまた涙を流したので亜紀は紫の頭を胸に埋めさせて頭を撫でた。美麗も後ろから紫を抱きしめてあげた。

「なんか性欲のお化けみたいに言われてますがこの会社入ってから限定で俺は童貞だからね」一応反論しておかねばなるまい。三人がそうだったんだという顔で見てるのはなんでだろう。


翌日目を覚ますとすぐに会社に向かった。以前は電車通勤だったが今はセカンドカーのNSXで行っている。給料がとんでもなく上がっていたので原宿に駐車場借りるのもなんてことなかったからだ。

「元山君おはよう。今日は随分早いね」社長が既に出勤していた。昨日から紫も自分のマンションに住まわせることになったことを報告し詫びた。魔法少女を私物化してしまったことに。

「謝ることはないですよ。あなたなら当然そういうこともあると思っていました」続けて社長は言った。

「あなた方の敵の正体はだいたい分かってますよね。満たされなかったリビドーを持て余し徘徊するアレを。あなたはそうではなく亜紀含めて三人のハーレムを瞬く間に作ってしまった。完全にイービルと反対の存在なのですよ元山君は」褒められてる気があまりしなかったが頷いた。

「誰もがあなたのように性的に満たされていればイービルは顕現しなかった。性的な動画やアニメ、漫画で性欲処理をしていても実物の女性には恐らく敵わない。こういった不均衡はたぶん永遠に埋まらない。そもそも元山君の顔立ちは恐ろしく整っています。三人の魔法少女があなたの虜になったのはごく自然なことであると同時にこの世が理不尽に不平等であることも示しています。あなたの実家はかなりの富豪であることも含めて」全て当たってることなのでわたしは黙った。

「社長のいうことはけっこう当てはまっていると思います。ですがわたしはうつを患ってますしそれほど幸せっていうわけではなかったですよ。彼女たちと会うまでは」社長は私を睨みつけて言った。

「恵まれていることを知っていながら認めたくない。じゃあ元から恵まれていない人々はどうなるのですか。そういう恨みのようなものも混ざりイービルは現れるんです。だから元山君の自分を卑下した発言は余計に彼らの怒りを増幅させるでしょう」

「それが私を採用した理由ですか。あの年棒ならT大卒も居たはずです。彼らを差し置いて私が選ばれたのは恵まれ度なんですね」今度は社長はにっこりして答えた。

「違いますよ。お察しのとおり亜紀の伴侶選びでした。あとうつになる方は頭がよく責任感が強い。これも重要でした。だから自信をもっと持ってください元山君」今後も期待してると言って社長は別室に言ってしまったが私は多少打ちひしがれていた。


今夜は最近にしては弱いイービルみたいだ。私が先に行くので皆は待機していてくれ。皆はえっと言う顔をしたが構わず出撃した。

『ソニックランナー!』一瞬のうちに敵前まで到達した。お前も恵まれてる私を憎んでいるんだろ。ならチャンスだぞ。お前たちが亜紀を追いかけても決して手に入れることは出来ない。手に入れた私を見事討ち果たしてみせろ。負け犬に負ける気はこれっぽっちもないがな。

『カッターオブミリオンスター!!』無数のカッターが魔物を切り刻んだ。が装甲を完全に貫くことができなかった。敵が炎を吐いたのでソニックで躱す。そしてもう一度ミリオンスターを放つと弱っていたイービルの身体は全身を切り刻まれ爆発した。すべての力を使い果たした私は頭から落ちて行った。


「もうあんな戦い方は許しません。絶対に」亜紀は真剣な顔で俺に言った。他の三人は彼女の迫力に何も言えないでいた。医務室で横たわる私を紫が覗き込む。

「お前も俺の顔がお目当てか。そうじゃなきゃ惚れたりしないよな」紫は涙を流した。最近彼女はよく泣く。美麗はこっちを睨みつけていた。今にも殴られそうだった。

「馬鹿なんですかあなたは。どれだけ皆さんがあなたのことを心配してると思ってるんです」意外なことに由紀子が私にビンタをした。

「病人になんてことするんですか。皆さんこの部屋から退去です」医療班の責任者が彼女らを病室から追い出した。

医療班の責任者は若い女医だった。喫煙室から彼女は戻って来て言った。

「モテすぎて苦労してるみたいね。でもあんなこと言ってたら捨てられちゃうわよ」

「もともとそういう人生歩んでたので別にいいですよ。彼女たちは魅力的過ぎて俺に釣り合わない」げんこつを喰らった。あなたも退去では…

「素直に彼女たちの気持ちを受け入れなさい。あなたを好いた理由に顔はあるだろうけどそれだけじゃないでしょ。素直になりなさい」女医に言われて私は少し泣いた。

明日は有給取って休みますと言って眠りに落ちた。


三人と一緒に暮らしているので学習については家でやれるので由紀子以外は家で勉強を教えることにした。私は前回の戦闘については何も言わなかった。

「元山先生はTOEIC900点超えなので紫に英語を教えてください。他の三人についてはわたしと元山先生で手分けして授業しましょう」紫が提案した。紫は次期会長選で選ばれ一年生で生徒会長になったらしい。

「おめえが俺たちにのことを信じていないのは意外だったが社長のとこに行った後だからなんか言われたんだろ。俺はお前のこと全力で好きだからなるべく気にすんな」美麗が宣言した。

「元山先生は放って置けないけど魅力あるから好かれているんです。三人の女性と同棲してるだけでも奇跡なのですからそれを誇りに思うべきです。あとビンタはやり過ぎでした。ごめんなさい」由紀子には謝罪されたが亜紀は黙っていた。今の生活の秩序乱すことして悪かった。悪いとこがあったらいつでも言ってくれと亜紀には言った。すると亜紀に美麗が言った。

「この家にまとめ役はお前なんだ。感情にまかせて喋るんじゃねえ」亜紀は頷いた。


今日中野に出現するイービルはこの間と比較して相当固いようだが由紀子の長距離射撃を中心として攻撃する。

亜紀、紫、美麗は先行してイービルと対峙する。敵が予想以上に硬かったら亜紀のウエディング・アイルは自爆技になってしまうので結界で攻撃を防ぎ美麗と紫の援護に回ってくれ。

まず由紀子が変身、銃を構え黒い包帯で全身を包まれている間にくのいち姿になり走りながら止まって銃を乱射するポーズを取って変身完了。射程500m迄なら面制圧できるで先制する。ホーリーエクスプロージョンで敵の体力を削っていく亜紀、由紀子との連携で相当敵を弱らせた。私は一瞬だけ超加速でイービルに接近しミリオンスターを叩き込み撤退。後は紫と美麗の出番だ。『W斬鬼滅殺!!』『ライトニングフルパワー!!!』オーバーキルと言った圧勝で敵は爆発霧散した。


今日の私は完璧な作戦で敵を殲滅したので亜紀はご機嫌だった。彼女三人を我が家の送ったあと由紀子を送りながら話をした。

「今日の援護は完璧だった。ありがとう」と私はお礼を言った。が少し不満そうだった。

「他の三人が必殺攻撃を持っているのに縁の下の力持ち扱いですよね私」本当ならアサルトライフルは地上戦の花形だが魔法少女の戦いは高火力が求められているので難しいかな。

「対戦車砲のようなものを覚えてみるかい。命中率は低いが火力では三人に負けないぞ」由紀子の目がキラキラしていた。ただしメインは援護射撃で先行三人が危機の時限定だが。


家に帰ると三人はリビング居た。風呂にはまだ入ってないようだった。

「俺はもう汗でべたべたなのですぐに風呂に入るけど」皆はどうすると聞いたら紫だけ一緒に入りますと言って付いて来た。他に二人に比べると明らかに未発達な身体だったがそれがいいのか物凄く私のアレは反応していた。湯船に浸かっていたところ身体を洗い終えた紫が私の横に体育座りでしていた。

「次は俺から誘うわないと何にもしてくれないんだっけ」

「先生が言ってくれれば全力でご奉仕しますよ。最後まで」私は頷いたが他の二人より最初にすることに抵抗を感じていた。

「まだいいや。紫があの二人くらいに成長するの待つよ」と言うと紫は私に一番反応してるのに我慢するつもりですか。おかしな考え方ですね。と言って風呂を後にした。

しばらくして亜紀と美麗が入って来た。普通に掛け湯をして身体を洗っていたが

「お前我慢しなくていいぞもう。いい感じになったら最後までやれ」美麗が豪速球の言葉を放ったが「まだいい。我慢は辛いけど最後まで行って関係が壊れるのが怖いんだ」率直に答えた。

「秀樹さんは自分のペースでいいと思いますよ。わたしはもう心の準備できてますから」

「今夜は俺が隣だからな。俺もとっくに覚悟してるしいつでもいいからな」

魔法少女の貞操奪ったらもう少女じゃなくなる気がする。私が恐れてるにはそこだった。















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