四人目の魔法少女
いろいろなごたごたも解決したので(現実逃避)魔法少女全員のレベルアップと新人勧誘を同時に行うことにした。14才で中二の亜紀と美麗、13才で中一の紫の三人なので15才の大人の女性(当社基準)を勧誘したいと思っていた。
「誰か魔法少女向きの先輩とか心当たりない」とまず亜紀に聞いた。
「二人の子供のお守り大変ですもんね。だから今度はわたし達より年上がいいんですね。生憎ですが部活してる余裕もないので先輩は心当たりないですね」亜紀の態度がいやに冷たかったのは昨日寝てしまったからだろう。だって寝ないと美麗に負けまいとエスカレートしてあんなことやこんなことされるかも知れないって思ったんだよ… 美麗にも一応聞いてみたが不登校の俺に先輩がいるわけないだろアホと罵倒されてしまった。それなら紫ちゃんにも聞いてみるか。
「え?二人じゃ足りないのでもう一人彼女が欲しいんですか」亜紀&美麗と同時に付き合ってることはまだ言ってないのに紫ちゃんには相当危ない人と認識されてるな… で勧誘も望み薄と思ってたんだが
「わたし放送部員なんですよね。もうすぐ引退する部長さん元山さん好みかもしれませんよ」あてが出来た(しかし私の好みはもう亜紀と美麗だけで充分なんだ)
偏差値高い女子校に通ってるせいもあって紫ちゃんは相当勉強はできた。だが中一なのでこれから伸ばすためにも勉強は教えないといけない。実力で言うと紫=美麗>亜紀になるので席順も学力順に並べた。
三人分のプリント作りはかなり大変だ。ただ収入考えたらここは手を抜けなかった。
「今日の授業概要を配るので五分間眺めてくださいね」亜紀、美麗と紫にプリントを配り時間を測った。続けてそれぞれに20分程度解説をして理解度チェックの問題を渡しその場で採点をして解説、最後に宿題を渡す。これを三人分繰り返すことが戦闘前の仕事だった。
「顔色悪いですよ。疲れてないですか」久々に亜紀から優しい言葉を掛けられて思わず涙をこぼしてしまった。紫は何があったのか分からず二人の様子を見ていたが美麗はなんか察したようでこう言った。
「美麗があんまり冷たくするもんだから優しい言葉掛けられて嬉しかったんだよな先生は」本当のことだったが認めるわけに行かないので前に飼ってた猫が死んだ時のこと思い出しただけだと言った。
「わたしは美麗ちゃんみたく汚い言葉使わないしそんなことないですよ(乳首触らせたくらいで大きい顔しないでよね)」と言ってベーしていた。仲良くしてくれ私の恋人たち…
「亜紀先輩と美麗先輩なんか喧嘩してるようで実は前より仲良くなってませんか」紫が言った。
「お、俺たちは前と変わらないからな。なあ亜紀」亜紀は頷いたが紫の眼は余計怪しんでいた。
「確か亜紀先輩と元山先生はお付き合いしてらっしゃったはずですが、美麗先輩って元山先生のこと好きですよね?悔しさとか嫉妬とかないんですか」っつ、美麗は核心を付かれ焦っていた。どうしたものかと考えたがしばらく三人で戦闘に出るのだから知っておいてもいいだろうと勝手に判断し二人と付き合ってることを紫に言ってしまった。
「元山先生、それってありえないことですよ。今すぐ110番するので覚悟しててください」紫が本当に通報しそうだったので亜紀&美麗コンビは手際よく紫の口を塞ぎスマホを取り上げた。
「紫ちゃん、私たちはお互い分かった上でそうしたの。だから通報しないでね」亜紀が焦りながら言った。
「俺はそういうの嫌だったんだけどこいつに無理やり愛人やれと言われて仕方なく」昨日生ちちを当てて来た本人がそういうこと言うのか美麗…
またも通報しそうだったので今度は私も混ざって三人で紫を押さえつけた。
「美麗先輩、あなたは無理矢理二人目の恋人にしてもらったからそんなに機嫌がいいんでしょう」紫はは完全に見破ってしまったので美麗は逃げ出してしまった。
「まさか元山先生わたしのことも狙って!?背も胸も小さいのでおいしくないですよ」と両手ガードされてしまった。
「今のは半分ジョークですが二股って続くんですかね。紫は心配です本気で」彼女の言ってることは本当だ。どうなるか自分にもわからないけど美麗を突き放すことが出来なかったんだからしょうがない。彼女のことも愛してるし。
「紫、私は二股だとは思ってないから。二人を同時に大切にしていくって決めたんだ。それが出来ないならちゃんと身を引くよ」紫はちょっと考えてから分かりましたが応援はしませんからと言った。
疲れたので夕飯は出前にして出撃を待った。
するとあまり強くない蝶型イービル出現ということで紫一人にやらせることにした。もちろん亜紀、美麗も現場で待機する体制で。
結界を張り変身する紫。ロリっぽさ満点の格好でこれは相当需要あるなと感じた。
「刀の振りを小さくしてコツコツ当てて行くんだ。一撃でもう行けると感じたら技を繰り出せ」言われた通り敵を弱らせるとキュートに腕組みしてから両手を広げセクシーさをアピール、それから剣を頭の上に高々と構え詠唱した「斬鬼滅殺!」するとこの間のように三日月の刃が敵を真っ二つにして殲滅した。亜紀、美麗コンビはあっけに取られ見ていた。強過ぎた。
時間が遅いので皆直帰にした。通いの紫は車で送り、彼女コンビはその後私の家に向かった。
家に着くと先に風呂に入らされ、彼女二人はなにやら相談をしているようだった。
「紫のアレやばくねえか。お前のパンもろより色気あったぞ。特にあの衣装下着ベースだしな」
「そんな訳ないでしょう!実際一日で悩殺して落としたんだからね」と言ったあと二人とも黙ってしまった。
「秀樹さんはたぶんロリコンじゃありません。中学一年生の紫ちゃんにメロメロとかあり得ないです」
「お前俺たちの年を忘れてるだろ…それにたぶんって信じてないだろ」美麗は深刻に対策を考えていた。
急だったので荷物が届くのが今日になってしまったが亜紀は前の家からこちらに引っ越した。学校もこちらにある同程度の女子校に転向できることになった。美麗はというと親にしばらく男と同棲するとだけ連絡したらしい。荷物は邪魔なので要らんと言ったらしい。
「風呂空いたよ。順番こか一緒に入ってくるといいよ」と言われ二人は一緒にお風呂に向かった。
「お前胸でかいけどしょっちゅう揉ませてんのか」美麗が唐突に言ってきたので
「しょっちゅうじゃありません!それに直に触らせたこともないからね。ちょっと怒ってるんだから」
「それは悪かったな。あいつエロいしもうとっくにそういうのしてるかと思ったんだよ」美麗は押し倒されて下着の上からイカされたことは黙ってようと思った。
「あいつって童貞じゃないじゃん。いろいろしてあげたいんだけど亜紀のこと思うと過激なことはできないなと思ってな」亜紀は黙っていた。
「ベランダ行くんだ。何か上に羽織るといいよ夏風邪は長引くからね。あと飲み物用意してるから戻ったら声掛けてね」私は普通に言った。
ベランダからはレインボーブリッジが見える綺麗な夜景が見えた。
「角部屋で大きなベランダと普通のベランダがあるって相当だな、あいつの親。それに人数が増えたからって最上階で二階ぶち抜いた物件探してるらしいぞ」
「私たちのためにって頑張ってる秀樹さんが好き。その気持ちに答えてあげたいから今以上に頑張っていきたい」
「俺は今最高に幸せなんだよ。お前らの間に割り込んでおいて申し訳ないとも思ってるけどずっとあいつと一緒に居たいんだ。俺からあいつ振るとかありえねえ。ただし亜紀がそうして欲しいてんなら従うぞ。なんて言ってるが紫に全部持っていかれるかもな…」
リビングに戻ると秀樹さんが飲み物用意してくれていた。
「それ飲んだらもう寝ような。四人ベッド買ったからもう窮屈な思いしなくて済むぞ」とさらっと言った。「もう一人か…」美麗がぼそって言った。
「今日は何かして欲しいことないの秀樹さん」
「いや特にないよ。どうかした亜紀?」昨日のことを忘れていたので普通にそう答えた。
気合入れて下着付けてない亜紀を知ってる美麗は笑いを堪えていた。
「あのう、失礼なことお聞きいたしますが元山さんは亜紀先輩と美麗先輩お二人とお付き合いしてらっしゃいますが二人をお幸せにできると考えていらっしゃるんですか」
「そう願っている。けれど前例ないことだろうから断言はできない。あとね、キャンプの時に美麗を振って亜紀を選んだとしても将来後悔が残ると思った。亜紀と同じくらい一途に自分を想ってくれてた美麗を無理矢理振ったという過去を必ず思い出す。それが嫌だったんだ」紫は腕組みしながら考えていたが「それが元山先生のお考えならもう否定はしません。応援できるかはわかりませんがお二人を大切になさってあげてくださいね」私は頷いた。
紫の学校付近の喫茶店で彼女の先輩と待ち合わせしていた。パンフレットを見せたらけっこう乗り気だったという。是が非でも勧誘を成功させて戦力増強を図りたいところだ。
「やるわ」待ち合わせ場所に来た紫の先輩は即答した。まだ説明も終わっていないのに。彼女は亜紀、美麗とは違い見た目はかわいいタイプだったが度胸があるというか肝が据わってる感じだった。
「一応説明しますとイービルと呼ばれる敵は夕刻から夜に掛けて出現します。当然帰りも遅くなることがありますがそれでもよろしいですか」構わないと彼女は言い切った。
「変身するとこういうちょっと露出が多い感じにもなりますが抵抗はないですか」三人の変身姿を写した写真をスマホで見せた。またも彼女は構わないと言った。
「それなら先ずは先輩の見学という形で明日辺り来ていただけないでしょうか」彼女は頷いた。そして仮契約書にサインをしてくれた。
「今夜はダメなのかしら。もうこの仕事のお話をいただいてから夜も眠れないくらいなの」私は頷き今夜午後5時に簡単な作戦会議があるので来てくださるようお願いした。
「染谷美由紀といいます。これからよろしくお願いします」




