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見習い管理官・連城光太郎とハーレム狙いの少女たち  作者: 阿井川シャワイエ
第3章 変態パラダイスマンション

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第92話 ミチミチを防ごう

「でもそっかー。退院したら、うちのマンションに来なさいって言われてたから、このあとはコータローのおうちに行くつもりだったんだけど……聞いてなかったんだね」


「聞いてないねぇ……。まったくもって聞いてないねぇ……」


 どんな理由があったとしても、そのあたりの説明だけは事前にしておいて欲しかったものだ。

 そのせいでラビュが来ることも素直に喜びづらくなったし。


 俺があらためてぎちぎち詰め込みマンションになったことを憂いていると、そのことを察したのかヒャプルさんが嬉しそうな顔になった。


「あら、貴方の家にラビュも泊まることになったの?」


「ええ、そうですよ。まあ変なことはしないので、安心してください」


「そう……それなら私も泊まらせてもらおうかしら」


「悪いですけど、そういう冗談を笑い飛ばせる余裕なんて――」

 

 適当にあしらおうとした俺だったが、その言葉はすぐに途切れた。

 

 シュアルさんの様子に違和感があったのだ。


 彼女がこちらを見る表情は、真剣そのもの。

 だから自然と察してしまう。


 この人……本気だ……!

 本気で俺の家に泊まろうとしている……!


「だめです! すでに混雑してるのに、これ以上人が増えたらマンションがギッチギチのミッチミチになるじゃないですか」


 俺はいろんな意味で必死だった。

 マンションが混雑することを避けたいというのもたしかだが、それ以上にまずいのは相手がシュアルさんだということ。


 ラビュが泊まりに来るのはまあいい。

 混雑はするが、所詮はそれだけだ。

 

 でもシュアルさんは革命軍の疑惑がある危険人物。


 そんな彼女をわざわざ家に招き入れるなんて、どう考えても馬鹿げてる……!


「みなもだってこれ以上マンションに人が増えるのはイヤだよな!?」


 隣に座るみなもに、同意を求めると――。


「別にいいんじゃない? むしろシュアルさんなら大歓迎! ラビュにゃんこ先生と姉妹セットで、さらにお得じゃん!」


「なんでっ……!」


 俺は泣きそうになった。

 みなもなら俺の味方をしてくれると思ったのに、まさかの裏切り。

 どうやら俺は、彼女のファンっぷりを舐めていたらしい。


 聞くべき相手を明らかに間違えてしまった。

 大失態だ。


「そう……それは嬉しいわね……」


 あ、でもシュアルさんのテンションが露骨に落ちてる。

 嫌がらせが好きなシュアルさん的には、みなもみたいに真っ向から歓迎してくるタイプはむしろ苦手なのか。


 だとしたら俺も前言撤回して大歓迎するべき……?

 いやでもこの人は嫌がらせの達人だし、俺が「ぜひ来てください!」なんて言ったら、「じゃあお言葉に甘えようかしら」と言ってきそうな気がする。


 ここは大人しくしておくべきだな。


 スープを味わいつつ様子を窺っていると、シュアルさんは優雅に首を振っている。

 

「まあいいわ。私が泊まるとなると、この職務熱心な管理官さんもついてくるでしょうし。そうなると皆も息苦しいものね」


 良かった、とりあえず諦めてくれたようだ。

 みなものおかげだな。


 しかしヒャプルさんに責任を押し付けているところを見ると、彼女の監視が無くなったら、ウチのマンションに来るつもりなのだろうか。


 考えがよく分からないが、とりあえず警戒は続けておこう。

 

「あの……」


 と、テーブルの端から困惑まじりの声。

 御城ケ崎だ。


「どうかしたか?」


「その……なにやら皆さんが同居しているという話が聞こえてきたのですが……」


「ああ……」


 確かにずっと入院していた御城ケ崎は、そのことを知らないんだよな。

 しかも内容が内容なだけに、事実なのか冗談なのかすら判断がつかないだろうし。


「実はそうなんだ。御城ケ崎以外の女体研究部のメンバーは、全員俺のマンションで同居生活を送ってるんだ」


「ぜ、全員が同居中……!?」


「それと風紀委員の先輩ふたりもそうだよね」


「あの御二方まで……!? そんなことあります……!?」


「あったんだ、そんなことが。俺もびっくりしたんだけども」


「たしかに驚きました……ちなみにひとつお聞きしても……?」


「ん? なんだ?」

 

「なぜわたくしは、そこに呼ばれていないのでしょうか?」


 不思議なくらいまっすぐな瞳で疑問をぶつけられた俺は、ぐっと言葉に詰まってしまった。

 

 たしかに自分だけ仲間外れと知ったら、そう聞きたくなるのはむしろ当然だろう。


 でもここは慎重な対応が求められる場面。

 受け答えを間違えた場合、彼女まで泊まりに来るかもしれない……。

 

 これ以上のぎっちぎちは、御免こうむる。


「それは、ほら。あくまでも藤井さんが入院した関係での、一種の玉突き事故的なアレで……。御城ケ崎は藤井さんとは面識もないだろ? だから気にしなくていい事なんだよ」


「でしたらラビュさんはどうなのでしょう? その藤井さんという方との入院とは無関係なようでしたが」


「いやそれはほら……さっきも言ってたが、俺とラビュは恋人になって……だから……」

 

「なるほどそうでしたね。恋人であるラビュさんも、一緒に同居してはどうかという話になったと。それでしたら、仕方がありません」


 ん?

 もしかして納得してくれた?


「わたくしまでお泊りに行っては、さすがに邪魔になるでしょうし、今回は諦めることにいたしましょう……」

 

 おお、さらに踏み込んでくるかと思ったが、ここで引き下がってくれるとは本当にありがたい。

 御城ケ崎は、非常識なようで常識的だ。


「ちなみにですが――」


「ん?」

 

「どうせ恋人同士でいちゃつくのなら、自室より部室がおすすめです……!」


「そっか……心に留めておくよ……」

 

 でもあの部室、カメラが何百台も設置されてるの、俺忘れてないから……。

 どこでいちゃつくとしても、あの場所だけは絶対に無いから……。

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