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その9

ものすごい形相で走って来たのり。投稿途中に何かあったのではと心配するめるだったが…

登校時。

たったったったったったったった!

「…はあはあはあはあ…める〜!はあはあはあはあ…め…め…はあはあはあはあ…める〜!はあはあ…助け…た…助け…はあはあはあはあ…。」

「おはよう…あっ!なっ…どしたの?どした?のり?そんなに慌てて走って…はっ!何?なんかあった?なんかあったの?大丈夫?ちょっと一旦、止まって休もっか?ねっ?あれっ?それとも今ものすごく急いでる?」

私は心配だった。

のりの身に何か得体の知れない不安や恐怖があるんじゃないかと。

のりがここへ来るまでの道中、何かしらの恐ろしい体験をしたんじゃないかと。

どうしてそんな風に考えてしまったかと言うと、のりがあまりにも激しい形相だったから。

ぞろぞろと私達の横を通って行く、同じ学校の生徒たち。

走って来て息が上がって苦しそうなのりと、心配そうに寄り添う私を遠巻きに見て通り過ぎて行く。

学校は目の前だけれど、のりのこんな状態では校門をくぐるのすら、容易くはない。

時間が迫っている。

とりあえず早く学校の中に入らなければ…。

「のり…あのさ、疲れてるとこ悪いんだけどね、まずは学校に入っちゃおう!いい?行けそう?」

まだ息づかいが激しいのりが、小さく頷いた。

「のり!荷物貸して!あたし持つから!あ、1人で歩ける?」

どれだけの距離を走ったんだろう?

前髪の間からツーッと汗が滴っている。

顔が真っ赤で、足取りがヨロついている。

大丈夫か?のり。

そんな中、不意に後ろから声をかけられた。

「どうしたの?あれ?鬼塚さん大丈夫?」

その声の主は…亀梨くんと鶴崎くん。

私がしどろもどろ、口ぱくぱく気味に状況を説明すると、「じゃあさ…。」と鶴崎くんがのりをおんぶしてくれた。

亀梨くんと私で、彼らの荷物を運んだ。

なんとか遅刻せずに済んだ私達は、のりに何故そんなに急いでいたのか尋ねた。

すると…「…あ…ああ…ご…ごめんなさい…家を出てわりとすぐぐらいからかなあ…ものすごく背中痒くなって…そんで…自分で掻こうと思ったら、手が届かなかったの…だから…めるに掻いてもらおうと思って走って来たの…。」とのり。

理由を告げられた私達は、疲れがどっと出た。

「…も〜う…で?どこ?」

「ん?」

「どこが痒いの?」

「あ〜…え〜とね…肩甲骨の間の…。」

「ここ?」

「あ…もうちょい下…の…もうちょい…気持ち…左…。」

「この辺?」

「そう!そこ!そこ!そこをガーッと!ガーッと掻いちゃって!」

「こんな感じ?」

「はあ…気持ちいい!」

「そっか…良かったね!」

「うん!ありがとう!やっぱ持つべき友は…ん?あれ?なんだっけ?」

「それを言うなら、持つべきものは友達だね!でしょ!」

「そうそう!うふふふふ!」

のりってば…。

ちょっぴりムカついたけど、思いがけず亀梨くんとご一緒出来てしまったので許す!

むしろ、のりに感謝かも。

な〜んてこと迂闊にのりに言った日にゃ、絶対のり調子こくと思う。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

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