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その7

短い休み時間、のりが真剣な顔つきで何かを書いていた。普段と違うのりの様子が気になっためるは…

「の〜り!真剣な顔して、な〜に書いてんの?」」

「あ、ああ、める…ああ…これ?これは…あ、そうそう、全然話違うんだけどさ…なんで、みんな、あたし達のこと(のりめる)ってデュエットっぽく呼ぶんだろうね?」

「デュエットって…まあ、2人だから合ってるっちゃ合ってるけど、そこはユニットじゃない?ユニット名じゃないの?」

「ああ、そっか…んで、なんで(のりめる)?なんて、あたし始まりなの?別に(めるのり)でもいいじゃん!ねえ?」

「あ〜…それはさあ…(めるのり)になっちゃうと、ネットで不用品とか売り買いする、あの感じになるからじゃない?」

「ん?…あ〜!メルカ…。」

「そこまで!そこまで〜!それ以上は言っちゃダメ!」

「なんで?」

「なんでって…それは…大人の…事情ってやつだから…。」

「ふ〜ん…そうなんだあ…そうなんだねえ…すごいね、める…あたし達まだ大人じゃないのに、大人の事情通なんだね。」

「えっ?大人の事情通?…え〜、全然事情通じゃないよ〜!それに事情通って言っちゃうと、またちょっと違う気がするけど…まあ、いいや…それより、本題!本題!」

「ん?本題?」

「そう!そうだよ!のり、さっきまで、すんごい真剣な顔で何か書いてたからあ、教えてもらおうと思って…。」

「ああ、これ?」

「そう、それ!教えてもらっても大丈夫なやつ?」

「ああ、うん、全然大丈夫!大丈夫!」

「ああ、良かった、いくら友達だからって、なんでもかんでも教えてもらうのって、ダメだからさ…でも、のりの了解もらえたから良かったあ…で、何?それ?」

「これはねえ、話すと長くなるけどいい?」

「全然!全然!いい!いいよ!聞くよ!なんなら朝までだって付き合うよ!」

「そ、そこまでは長くないんだけどね、昨日、優馬の誕生日だったから…。」

「あ、弟ちゃんの優馬くん!えっ!昨日、誕生日だったんだあ!え、優馬くん、今度何歳になったの?」

「10歳!」

「そっかあ…もうそんなに大きくなったんだあ…赤ちゃんの時から知ってるから、妙な気分…おめでとうねえ!」

「あ、ありがとう!で!でね、昨日、優馬が食べたいものを食べに行こう!ってなって…優馬がさ、あんかけ焼きそば食べたいって言うから…家族であんかけ焼きそば屋さんに行ったのよ…。」

「えっ?あんかけ焼きそば屋さん?そんな専門店あるの?」

「あ、ううん、ない。」

「ないんかい!」

「そう、ないの、正確にはラーメン屋さんなんだけどね。」

「まあ、そうだろうね、普通は。」

「でね、そこ、あんかけ焼きそばの名店らしくて、イチオシがあんかけ焼きそばだったから、家族全員でそれ食べたの。」

「そうなんだあ、みんな一緒だったんだあ…で、美味しかった?」

「うん!さすが名店だけあって、すんごく美味しかったんだよねえ…けどさ…。」

「けど…何?」

「けど…なんつうか…具がさ…。」

「何?具は美味しくなかった?とか?」

「ううん、逆!美味し過ぎてね、もうちょっと沢山入ってたらなあって思ったの。」

「そっかあ…そういうのあるね…あるある。」

「だからね、それをこう、書き出して、ランキングにしてみたの…。」

………

「あ〜…あ〜…そ、そうなんだあ…なんか…うん…なんかわかるな…書き出して整理しておきたいその気持ち…」

「でしょ〜!」

「で?どういう感じになったの?」

「あ〜、じゃあ、発表するね!まずは第3位!ドルドルドルドルドルドル…あ、ちなみにこれ、ドラムロールね!」

オッケー!オッケー!

「第3位は…ドルドルドルドルドルジャン!白菜!」

「えっ!白菜?白菜が3位なの?」

のりがコクンと頷いた。

「じゃあ、次!発表します!第2位!ドルドルドルドルドルドルジャン!キクラゲ!」

「あ〜…キクラゲ〜…あ〜…。」

「では、ラスト!第1位の発表の前に、番外編!あんかけ焼きそばの具ではないけれど、いい仕事してくれたのが、お酢!」

「あ〜、わかる〜…最初からじゃなくて、途中からお酢かけると、また違った美味しさになるよねえ〜…あ〜、な〜る!ねえ。」

「では、今度こそ、第1位の発表です!ドルドルドルドルドルドルドルドルジャン!」

「あ、ちょっとドルが多い。」

「あんかけ焼きそばにもうちょっと入れてほしい具、栄光の第1位は…えび!」

のりが発表すると、急に周りにいたクラスの仲間達が、立ち上がって拍手を送った。

もちろん、私も立ち上がって拍手を送った。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞよろしくお願い致します。

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