その22
「ブブブ.ザ.デーモン」の名前の由来と、お祭りステージに出る出演者のこと。
お店でお祭りが始まるのを待っていると、スタッフの方がお祭りのタイムスケジュールを持って来てくれた。
のりと一緒に見てみると、お祭り会場の案内図や、ステージイベントの順番など、色々な情報がぎっしり。
「ブブブ.ザ.デーモン」と「ヒグマタイガー」の出番は、昼の1時からと3時からの2回。
のりのパパさん達、大変そう。
「あ、そうそう…ねえ、のり。」
「ん?何?」
「あのさ、ずっと気になってたんだけどね…パパさんのリングネーム…なんで、ブブブ.ザ.デーモンなの?」
「あ〜…それね…うちのパパ、実は(おなら出過ぎ病)なの…。」
「へ?おなら出過ぎ病?」
「そう、不治の病なんだって…。」
「え?嘘!」
「ほぼ、ホント!」
「ほぼ、ホントって何?どういうこと?」
「あ〜…なんかね、うちのパパ、家でもどこでもしょっちゅうおならしちゃうの…それでね、あんまり出るから、一度ちゃんとお医者さんに診せた方がいいんじゃない?ってなったんだよね…でね、会社の健康診断の時に、お医者さんに聞いてみたんだって…そしたら、あっさり問題ないですって…それより血糖値がちょっと高めで…なんて、言われたんだって…。」
「そ…そうなんだあ…。」
のりのパパさんのリングネームには、ちゃんとそういうのがあったんだあ。
…
「えっ!嘘っ!えっ!マジで?」
のりのママさんが急に驚いている。
「何?どしたの?ママ。」
のりが聞くと、「ごめん、のり、優馬、めるちゃん…ママ、2時からちょっとステージ見に行っていい?」と。
「うん、いいけど…何?なんかそんなに見たい人出るの?」
「そう!出るの!出るの!あんた達は知らないと思うけど、ママが若い頃、(ニャンズナ)ってビジュアル系バンドがいてね、まあ、結局は一発屋だったんだけど…そのヴォーカルのイズムが出るんだって!ヒット曲の「とろけちゃう愛!」歌うって…。」
「えっ?どれどれ!」
のりと優馬君と3人で、慌ててタイムスケジュールに目をやると、確かに2時からの30分「元ニャンズナのイズム登場」と書いてある。
その下に「大ヒット曲!とろけちゃう愛、熱唱!」とも。
のりのママさん、当時、ニャンズナの大ファンだったんだって。
バンドはわりとすぐに解散しちゃった様だけど、カリスマ的な人気のヴォーカルのイズムは、1人で活動を続けているらしい。
随分前に、サスペンスドラマで始まって5分ぐらいで、すぐ殺されちゃう役で俳優として出てたとも、のりのママさんから教えてもらった。
「へ〜え…。」なんて言いながら、続けてタイムスケジュールを見ていくと…。
「双子座の女でお馴染みの波川ケンイチのそっくりさん、モノマネ芸人なによ!ケンイチショー!」だの、「演歌界の重鎮、カモメ大三郎の一番弟子、小カモメ大作歌謡ショー!」だの、「漫才日本一を決めるザイマンで、過去5年間準決勝まで経験したわんわんコンクールによる爆笑ステージ!」だの…。
結構、色んなのをやるみたい。
ちょっとだけ、「なによ!ケンイチ」が見たいなあと思った。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。




