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その20

お祭りに向かう道中、車内でののりとめるは…

「…実はさ…昨日の夜ね、お兄ちゃんからさ、やっぱり今日バイトしないかって、打診されたんだよね…。」

「え!そうなの?めるのお兄ちゃんも…。」

「そうなの…なんかね、今日と明日、コミケあるんだって…そんで、お兄ちゃんの友達もなんか、ちょっと詳しくはわかんないんだけど、出店するんだってさ…なんか聞いたことない漫画だか、ゲームの同人誌とか、その中のキャラのグッズとかを売るみたいで…だけど、あてにしてた1人が急に出られなくなったってんで、うちのお兄ちゃん、頼まれたんだって…。」

「なんか…似てるね…。」

「ね〜…でもさ、助っ人頼まれたはいいけど…なんかね、客寄せでコスプレするみたいなの…推しの女子のキャラのコスプレ…それでさあ…あたしにって…。」

「えー!そうなの〜!コスプレかあ…う〜ん…あ、でも、その衣装にもよるよね…着るにあたって…。」

「これなの…。」

のりにスマホの画像を見せた。

「ひゃあ〜!これは…ちょっと…無理だよねえ…うん…ちょっと無理!無理!や〜らし〜!あ、でも、じゃあ、どうなるの?」

「あ〜…なんかね、しゃあないからって、うちのお兄ちゃんが着ることになったみたい…別に無理して着なくてもいい様な気がするけど…でも、折角だからって、着るんだって…。」

「へ〜え…あ、でも、サイズとかは?だって、めるに頼むぐらいだから、女の人のサイズなんじゃ…。」

「そこはさ、うちのお兄ちゃんだもん…背はそこそこあるけど、ひょろひょろだもん…もしかしたら、あたしよりも細いかも…だから、着れるんじゃないかなあ?多分…。」

「そっかあ…すごいね、めるのお兄ちゃん…ただの助っ人なのに…チャレンジャーだね…尊敬するよ。」

「ね〜…だからさ、昨日、慌ててお風呂ですね毛とか剃ってた…あてにしてたあたしがダメになったからって…どうせ着るなら、ちゃんと綺麗に着たいって…。」

「そっかあ…プロフェッショナルだねえ。」

「妙にね…カツラとか、お化粧道具は、依頼してきた友達が全部用意してくれてるらしいよ。」

「へ〜え…意気込みが熱いね。」

「だよねえ…で、でね…実は…あたしも…昨日、のりと別れた後、100円ショップでさ、買っちゃった!これ!見て!見て!えへへへへ。」

私は昨日買った「猫耳カチューシャ」を見せた。

「わあ!可愛い!」

「実は、まだあるの!のり、どっちがいい?」

「え!あたしのもあんの?えっ!なんか嬉しい…。」

目の前に出された「猫耳カチューシャ」を見て、のりは少し戸惑っていたのかも。

可愛いピンクと、可愛い紫のふわふわした素材のカチューシャ。

「じゃあ…ん〜と…じゃあ…こっち!」

のりはピンク。

私は紫のに。

2人で早速着けてみると、なんか超可愛いんですけど〜!

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します。

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