その15
うっすら前回の続きです。どうぞ宜しくお願いします。
「え?デブ会議?」
「違う!違う!あはは…める、耳、悪〜!ウェブ!ウ、エ、ブ、会議!ウェブさ、ウェブ!」
「あ〜…はいはい…オッケー!ウェブね、ウェブ!」
「あれってさあ、絶対聞き間違っちゃうよねえ…一回で聞き取れないの…なんでかねえ…あはははは…続きはウェブでとか、ちょいちょい耳にする言葉だけどねえ…なんだろ、滑舌悪いとか、そういう話でもなくて…ん〜…あたしの心が悪意に満ちてるからなのかなあ…だから、そういう風に聞こう、聞こうって、そんなこともないか…あはははは!」
あっけらかんといつも通りののり。
昨日の出来事なんて、まるで忘れちゃったんだろうか?
いやいや、そんなこたあないわな。
それで大丈夫なのかなあ?
…って、あたしが気にしすぎなのかも。
「…っねえ…あ、そうそう、うちの父ってのも、なんか知らないけど、牛の乳って聞こえちゃうことない?牛乳がどうかした?って感じ…あはははは!」
妙に明るいのり。
もしかして…鶴崎君と…なんか…あった?のかなあ。
なんか気まずくなっちゃったのかなあ。
だとして…だとしても、私には直接関係ないし…。
気になってても、こっちから聞くのは反則だものね。
うん…待とう!
「待ってよう!」
「ん?める、待ってるよ!大丈夫!ってか、めるの方が先に行ってるじゃん!待ってようは、あたしだよ!んふふふ。」
「あ…そうだった、そうだった…えへへ。」
「どしたの?める…ぼんやりしちゃって…あ、もしかしてぼんやりじゃなくて、考え事?」
「…あ、まあ…そ、そんな、とこ、かなあ…。」
「…ふ〜ん…そっか…なんか心配ごと?」
「ん〜…まあ…そう…ん…そう…なるのかなあ…。」
…
「あ…ごめん…あたし、今ちょっと根掘り葉掘りだったね…こういうのはダメだよね…めるがどうしても話したくなったら、話せばいいんだもんね…あたしから、こう、なんつうの…ぐいぐい聞いちゃうのは、ねほハラになっちゃうもんねえ。」
「ん?ねほハラ?何、それ。」
「相手がね、全然喋りたくないのに、しつこく根掘り葉掘り聞いちゃうハラスメントのこと、なの。」
「え?今、そんなハラスメントもあるの?知らなかったあ…。」
「…うん、あたしも知らない…。」
「え?だって…。」
「今、あたしが作ったんだもん。」
「え〜!何、それ〜!あはははははは!」
「なんか、いいかなあと思って…。」
「そっかあ…あはははははは!」
のりはのりなりに、私のこと、心配してくれてたんだね。
…あ…もしかして…昨日の…亀梨君の前でジュース吹き出しちゃった、あれを、私が気にして、落ち込んでるんじゃないかって…そう、思ったんだね。
…あ…や…あれは確かに深く、深〜く落ち込む事例だったけど…
そして、私もうっかりすると、のりにねほハラしちゃうところだったな。
いくら仲良くても、あんまりぐいぐい聞いちゃったり、知っちゃったりするのは、なんか違うと思うから。
今は…デブ会議とか、牛の乳とかでゲラゲラ笑いたい気分。
最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました♪お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願いします。