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その13

前回の続きです。どうぞ宜しくお願いします。

ジュースを吹き出した直後、「ちょっと待ってて。」と3人が一斉に散らばったかと思って程なく、「お待たせ〜!」なんて、トイレから持って来た紙タオルを出入り口の除菌スプレーで程よく湿らせたのを持って来て、それで私が汚しちゃった箇所をささっと拭いてくれて…。

更には「大丈夫?」って私を心配してくれたり、「大丈夫!大丈夫!」って私を元気づけてくれたり。

どっちの「大丈夫」も、すんごくあったかくて、優しくて、「ありがとう。」と返すと、目から勝手にポロッと涙が溢れちゃった。

そんなのも恥ずかしかった。

片付けが一段落して、ようやく落ち着くと、亀梨君が口を開いた。

「…あ、さっきのなんだけど…。」

私は再びギョッとして、一瞬吹き出し咽せそうになるも、今度はセーフ。

「…誰かを好きになっちゃう気持ちが間欠泉って話なんだけどね…。」

折角、亀梨君が話し始めてくれたのに、私は慌て過ぎちゃって、つい遮る形で話を被せた。

「あっ…あ〜…あ〜…そ、それはね…あの…なんつうか…その…よくよく考えてみたら、間欠泉だとね、一定の周期でブファーって噴き出して溢れ出ちゃうから…その…誰かを好きになっちゃう気持ちは気持ちなんだけどね…一定周期で好きになっちゃう訳じゃないから…ちょっと違うかもって…あ、あの、なんか、あの、そんな感じです、はい。」

なんだろう、私。

なんで、こんなに一生懸命話してるんだろ?

ものすごく興奮してるわりには、どこか冷静な部分にいる自分が、妙に冷めた態度で自分を分析してるんだろ?

「あ〜…まあ、確かに…一定周期でって訳じゃないだろうけど…でもさ、抑えきれなくて溢れ出ちゃうイメージは、間欠泉がピッタリ!って思うけど…そうだねえ…そっか、一定周期がちょっと違うか…ん〜…あ!じゃあさ、火山の噴火は?それなら周期は一定じゃないし、でもさ、抑えきれなくてドロッドロの真っ赤な溶岩が次から次に溢れ出ちゃう感じは、どう?ピッタリなんじゃない?」

「そ、そう!そう、だわ!そうそう!火山の噴火の方がしっくりくるね!あは、そう!亀梨君、すご〜い!ねっ!のり!ねっ!」

今度は自分でもものすごくいいタイミングでのパスだと思ったんだけど…のりの反応がイマイチ弱くて…。

そういえば鶴崎君もなんか、さっきからあんま喋ってない気がする。

あれ?…あれ?

よくよく観察してみると、向かい側の2人、買ってもらったジュースをちびちび飲んでるだけで、あんま顔を合わせたりもしてないみたい。

なんかお互いがお互いを意識し過ぎてるみたい。

みたいじゃなく…意識してるんだ。

そっか。

そういうことか。

その後、私と亀梨君ばっかり、どうでもいい様な話をした。

それはそれでラッキー過ぎで、嬉しすぎるんだけど…。

帰り道、のりと2人で並んで歩くも、何故かわからないけれど、何も会話もせず、ただ、歩いただけだった。

別に喧嘩した訳でもないのに。

まあ、こんな時もあるか。

自分の心に、そう落とし込んだ。

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました♪お話はまだ続きますので、引き続きどうぞ宜しくお願いします。

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