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9話 試合直前

やっぱり気合出して書きました。ガンバッタワタシエライ!

「うわあああああ!!」


やばい。これは非常にヤバい。もうあんな経験はしたくない!もう、あんな経験は!

 俺が急いでいるのは単に遅刻したからではない。いや、一応遅刻したからなのだが、俺が真に恐れているのはそのあとのことだ。


それは、俺がまだ駆け出し冒険者だった頃の話だ。俺は名を売るために、闘技大会に参加した。前日の日はワクワクして眠れなかった。それが、いけなかった。俺が目を覚ました時には、外は暗かった。まだ夜か。そう思って、また寝ようとすると、いきなり体を激しい痛みが襲った。当時の俺も、冒険者の端くれ。瞬時に誰かに襲われているのだと理解して扉から逃げようと目を向けたら、、扉の前に数名の男が立っていた。そして、男たちが俺を取り囲み集団リンチにあった。蹴られ殴られ踏みつけられ。男たちが帰ったころには俺は本当に死にかけていた。偶然、音を聞いて駆け付けた隣室の人が治癒魔法をかけてくれなかったら、俺は死んでいただろう。あとから聞いた話だと、男たちは闘技場関係者で、闘技に参加しなかった者はこのような経験をするのだそう。ちなみに、俺は一日中寝て寝過ごしてしまっていたらしい。


 「うっ、今思い出しても体が痛む、、、って、本当にヤバい!これはマジでヤバい!ええい、身体強化!」


あの時の苦痛を思い出しながら、俺は身体強化を使う。間に合いそうにないからな。そして、闘技場まであと半分ほどの所まで来た時、俺は思い出した。


「テレポート、使えるじゃねぇか」


大丈夫、まだ間に合う。俺は急いでテレポートを発動して、なんとか間に合った。


 「すみません、闘技場参加者のサル──サーアです。遅れて申し訳ありません。まだ間に合いますか?」


俺がそう聞くと、受付の人は、


「はぁ?あぁ、とりあえず確認します」


そう言って、紙を取り出した。そしてしばらく待っていると、


「えっと、間違って出てしまったのですね。そのまま入場していただいて構いません」


と言われ、闘技場内に入ることができた。・・・え?どゆこと?俺が呆然としながら立っていると、視界の端でチラッとミーシアが映ったような気がした。しかし、隣に男がいたような、、、まさか!

 闘技場で戦う人は出場者だけではない。強くなるポーションとかハッタリかまして金を巻き上げようとする詐欺師も大勢いる。やばくねぇか?俺はミーシアを急いで追いかけた。

 

「おい、ちょっとまてよ」


近づいてみるとやっぱりミーシアだった。それにしても、隣の男妙に見覚えが、、、って、そんなことは今はどうでもいい!俺は急いでミーシアに近づいて肩をつかむ。すると、


「やめてください!」


そう言ってミーシアが俺の腕をつかみ、投げ飛ばそうとしてきた。が、ミーシアが非力なせいか、俺が神だからか、まぁ十中八九後者だろうが、俺が投げ飛ばされることは無かった。


「やめろよミーシア。俺だよ俺。サルアだよ」


俺がそういうと、ミーシアは「え?」と言いながら振り返る。


「え!?サルア様!?どうして二人も!?」


 ん?二人?もしかして、、、俺がそう思いながら男の方を見てみると、俺がいた。


「あー、はいはいなるほどね。完全理解」


「さ、サルア様?」


俺がそういうが、ミーシアはまだ理解できていない様子。


 「いや、それ俺だけど俺じゃねぇ。そいつ、俺のクローンゴーレム」


まぁ、起きた時点でなんかおかしいと思ったさ。部屋には俺とシーラしかいなかったもん。おそらく、俺と間違えてクローンの方を連れてきちゃったんだろう。ってあれ?クローンがここにいるってことは今部屋にはシーラ一人なわけで、、、


「やべえええええええ!!」


「サルア様!?何がヤバいんですか!?」


「シーラがやべぇ!ちょっと行ってくる!」


そう言って、俺がテレポートを発動──しようと思ったが、もし俺が行っている間に呼ばれたらヤバい。ってことで、天才サルア様は思いついた。部屋にクローンを作り、意識をそっちに移すのだ。本体に衝撃が加わればクローンにもそれが伝わるように設定したら、何とかなる。ってことで、さっそく実行し、部屋に行く。


 「──シーラ!大丈夫か!?」


俺が急いでそう呼びかけるが、返答はない。部屋を見渡すと、窓が開いている。そして、もう一つおかしな点が。床に獣人が倒れ伏していることだ。そして、ベッドで寝息を立てて眠るシーラ。俺は瞬時に何が起こったのか理解して、この結論に至った。シーラ一人で問題ない。ま、一応不安だからクローンゴーレムを1体造る。俺が今捜査している奴と合わせて2体もいれば、今回みたいに間違われることも少なくなるだろうし。


「ったく。こいつは気持ちよさそうに寝やがって」


「もっと…おにくぅちょぉだぁい」


そう言って手を前に出すシーラ。ゾンビみたいだな。動きが。


「ったく。こいつは夢でも肉を食ってんのか。はぁ、しゃなぇねな」


俺はそう言って、この前見た牛の丸焼きを創り出して、結界で保護する。

そこまでやった俺は、意識を本体へと移した。


 「結局、衝撃共有は必要なかったな。頑張ったのに」


とはいっても、ほんの数秒で出来ることだが。なんて言っていると、「うぅぅ」とうめき声が聞こえた。まさか、けが人が?そう思って起き上がると、そこには数十名の横たわっている人たちがいた。大半は男だが。あーはいはい。


「ぜってぇここ医務室的な場所だろ」


まぁ、何があったのか想像つく。


「多分、俺が意識を移した瞬間、本体の俺はもちろん制御を失って倒れる。それでミーシアは俺に何かあったのではないかと心配になり医務室へ俺を連れていき、今に至る。って感じだろうな」


「正解です。よくわかりましたねサルア様」


俺がそういうと、隣からミーシアの声が聞こえた。


「うわああ!?お前いつからそこにいた!?」


「ずっとです。それよりも、驚かさないでください。心臓止まるかと思いましたよ」


うーん、こう、、、ミーシアってON・OFFの差がさぁ、、、うん。まぁいいけど。


「わるかったよ、そんで?俺の出番っていつ?ミーシアの試合は?」


もしかしたら不戦敗とかになってたりしないか?そう思いながら聞くと、


「私は次の次に出番が来ます、サルア様は私の次ですので、ご心配なく」


と言われた。見抜かれてましたか。


 「さて、体調も問題ないし、試合観に行こうぜ」


 そう言いながら俺が医務室から出ると、ミーシアも俺の後に続いて医務室から出た。ちなみに、クローンは医務室の目の前で座っていたから、「おつかれさん」と言ってクローンを吸収した。どうやって吸収したかって?そりゃぁアイテムボックスに決まってるでしょ。容量は未知数だ。ま、気にしなくていいだろう。なんて考えていると、もう闘技場の観客席まで来ていた。

 

「うおおおお!」


「ぬうううん!」


俺達が来た時には、戦士らしき二人が戦っていた。一人はガンガン攻撃して、もう一人はそれを受け流して隙を突く機会をうかがっている。多分。 一応言っておくと、二人は刃をスライムでコーティングした安全な剣で戦っている。まぁ、大きな怪我はしないだけで、普通に切れるが、、、


 「すごい戦いですね。私も汗かいてきちゃいました」


そう言って、ハンカチで額をぬぐうミーシア。


「なぁミーシア。メイクとか落ちたりしないのか?」


ハンカチが大変なことになってそうだが、、、そう思って聞いてみると、


「え?メイクしていませんよ?私の美貌には小細工など邪魔でしかない。キリッ」


「キリって、口に出していうやつ初めて見たぞ。それよりも、お前メイクしてないんだな。それと、あまり人前でそういうことしない方がいいぞ。周りを見てみろ」


俺がそういうと、え?と言いながらキョロキョロ見渡すと、異変に気付いたようだ。観戦していた女性たちからの恨みのこもった目線に。それに気づいたミーシアは、俺の後ろに隠れた。おい、やめてくれ。今度は俺が男たちに睨まれてるから。


「サルア様、視線が怖いです。助けてください」


と言って俺の服を引っ張ってくる。


「はぁ?これくらい耐えろよ」俺がそういうと、ミーシアは泣きそうな目で俺を見て来る。


「っち。はぁ、仕方ねぇな」


俺はそう言って、ミーシアを背にして立つ。そして、ミーシアにも試合が見えるように俺と視覚の共有をする。はぁ、実にめんどくさい。が、泣かれても困るから、仕方なくやってやった。


「貸し1な」


「それを言わなかったらかっこよかったんですけどねぇ」


なんて会話をしながらも、楽しく観戦していたら、とうとう決着がついたようだ。勝ったのは受け流していた方で、地面には攻撃していた方が倒れ伏している。そして、審判が


「試合終了!勝者、東の剣士!」


と勝者を告げると、会場が歓声で包まれた。東の剣士、おそらく、東側から入場したからだろう。そしてミーシアは、


「私はそろそろ準備をしないといけないので、行ってきます。サルア様も頑張ってくださいね」


そう言って、歩いて行った。

そして、俺が壁に背を預けて立っていると、イカツイやつらに話しかけられた。


「おう兄ちゃん。さっきあの女と話してたよな?ここはイチャつくところじゃねぇんだぞわかってんのか?あぁ?」「「そうだそうだー!」」


ボスっぽいやつがそういうと、取り巻きの連中がはやし立てる。


『神の特権【天罰】超弱め!』


 と、俺がそう叫ぶが、、、何も起こらない。が、取り巻きの一人が俺に驚いて「うわぁ!」と倒れ伏して、ボスっぽい男が少し後ずさり、見事に倒れた男の股間を踏み潰した。そして、変な音を立てると同時に男の股間から赤い液体が染み出てきて、ボスっぽい男は足に伝わった気持ち悪い感覚と、男の大事なところを踏み潰したことにより、自分もショックになり気絶。前のめりに倒れるともう一人の取り巻きも巻き込んだ。うわぁ、すげぇや。超弱めの天罰は不運になるんだな。結構大変なことになったが、これだと不公平だと思う。ってことで、残りの股間もつぶして、急いで逃げた。ばれたらヤバそうだからな。

 

「ふぅ、面倒な奴もいたもんだ」


と一息ついていると


「そこのお兄さん、お金に困ってはいませんか?」と、妙に身なりを整えた男が立っていた。面倒


だから白貨をサッと見せると、男は驚いた顔をして去っていった。


 「そこのお兄さん、私と一緒に向こうでたのしいことしない?」


と明らかに美人局感あふれるグラマーな女性に話しかけられたら、


「いや、俺はロリコンだ」


と言って断り、


「おっと、わりいな兄ちゃん」


と肩をぶつけられてスリにあったからこっそり取り返してついでに男の財布も抜き取り、


 「きゃぁ、お金を落としちゃったわ!」


とちりばめられた銅貨を拾っている女性を助けると、


「この泥棒!私の御金を盗もうとしたわね!」


と言われたからムカついて女を気絶させて夜の街へテレポートさせたりと、いろいろやっていたらついにミーシアの出番がやってきた。


「さぁ!次の試合はなんと!今大会初の女性参加者だ!そして相手は、部下への暴行によって騎士団を追放された男!さぁ選手の入場です!」


選手の名前は公開されないらしいな。なんて考えていると、門が開いてミーシアが入場してきた。そして反対側の門では、明らかにヤバそうな見た目をしている筋骨隆々な男。


「さぁ、今大会は殺しさえしなければなんでもあり!部位欠損もOKです!では、試合開始ぃ!」


そうして、ミーシアの試合が始まった。


遅いかもしれませんが、魔法、剣技のランクと、金について、詳しく書きました。


魔法のランクは

初級<中級<上級<白聖級<黒聖級

の五段階あり、剣術も同じである。剣技がどのくらい上達してランクが上がるかは、その人の師匠の主観で決めるため、正確にはわからないが、魔法は魔力操作ができて、具現化できれば初級、攻撃できれば中級、威力が人を殺れるレベルで上級、混合魔法を扱える、例えば炎魔法と水魔法を組み合わせて水蒸気爆発を発生させたりできれば、白聖級、一国の軍相手に4/3以上戦力を削ぐことができるほどの力があれば黒聖級となる。そう考えればサルア化け物ですね。ちなみに、単純な威力では上級どまりで、魔法の使い方とかを工夫しないと白聖級以上にはなれない。ちなみに、ミーシアは上級です。

金は

銅貨<大銅貨<銀貨<大銀貨<金貨<大金貨<白貨<黒貨<王貨の9種類で、一般人が生涯の内見ることができるのは白貨までと言われている。王貨は、王族しか観ることも触れることもできないため、「俺はこんなに王貨を持ってるんだぜ」といった感じで自慢するために使われる。

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