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18話 え?お前が?

この話が投稿された今日の17:50分が、この小説の誕生日らしいです。ハッピーバースデー パフパフ


 「意外と、にぎわってますね」


ミーシアがあたりを見渡しながらそうつぶやく。俺たちは今、最寄りの村まで来ていた。理由はもちろん、休息だ。

 俺には球速は必要ないのだが、馬車の中で、


 「サルア様、私馬車の中で寝たんですよ?どこかで休息したいのですが」


 「お尻痛いのです!」


と、二人が文句を言うから仕方なく、この村までやってきた。


 「それで?休息と言ってもこの村で寝泊まりはしないぞ。ベッドも固いだろうし、馬車で移動しながら寝た方がマシだ」


俺が、ミーシアとシーラへそういうが、なにも反応がない。いつもなら、何かしらの反応が返ってくるはずだが。


「あれ?二人とも?」


 そう言ってさっきまで二人がいた方へ向くと、二人がいなかった。慌ててあたりを確認すると、


 「このネックレスかわいい!」


とミーシアが薄い黄色をした宝石が埋め込まれたネックレスを手に取る。おい、それイエローダイヤモンドじゃねぇの?ほら、値段がさ、0の数がおかしいもん。

 ミーシアも値札をみたようで、その金額に青ざめていた。

 一方シーラは、


 「猫耳カチューシャなのです!えへへ」


そう言って、雑貨屋にあった猫耳カチューシャを頭につける。おい、お前は犬だろうが。あいつら、絶対買い物をしたいだけだろう。まぁ、ほほえましい光景ではあるが。

 俺が微笑んでいると、突如、肌を刺すような感覚を覚える。俺は、これを幾度となく味わってきた。冒険者や身分の高いやつは一度は感じたことがあるだろう。そう、“殺気”だ。

 だが、警戒する必要はない。殺気を感じるなら、他のも感じるはずだろう?そして、このさっきと同時に感じるものは、“焦り”“憎しみ”“悲しみ”“恐怖”まぁ、他にもいろいろあるが、そんなところだろう。焦りや恐怖はわかるが、憎しみと悲しみ、これはよくわからないな。ま、こんな感情を垂れ流しにしてるような奴、警戒するだけ無駄だ。

 と、いうことでこいつは無視して旅を進めよう。


 「ミーシア、それがどうかしたか?」


 殺気垂れ流し野郎は無視して、ミーシアに話しかける。すると、待ってましたと言わんばかりに目を輝かせて、


 「サルア様、お小遣いをくれないでしょうか?」


と懇願してきた。が、


 「そうだな。金貨3枚まではいいぞ。お前がさっきまで見ていた白貨5枚のネックレス

買ってやれるほど、俺は甘ちゃんじゃないからな」


 俺が笑顔からだんだん真顔になりながらそう言うと、ミーシアは気まずそうに眼をそらして、

 

「ごめんなさい」


そう言って怒られた子犬のような表情を浮かべた。

 少しだけ。ほんの少しだけだが、かわいいと思ってしまった。

 俺はミーシアのそばから一時撤退し、シーラの所へと行く。


 「シーラ、お前は何をしている?」


俺の視線はシーラのあるところに釘付けとなっている。それは、シーラの頭上だ。


 「お前さぁ、頭大丈夫?いろんな意味で」


その俺の質問にシーラは親指を立てて、


 「バッチグーなのです!」


そう答えた。バッチグーじゃねぇよ。

 俺が呆れた目でシーラを見つめる。仕方のない事だろう。なにせ、シーラの頭の上には、

デフォルトのたれ耳、耳の立った猫のカチューシャ、たれた猫のカチューシャ、サイの角のカチューシャ (?) ジャングルの奥地に住んでいる民族がつけてそうな羽が複数枚ついた冠が乗っている。な?頭おかしいとした思えないだろう。


 「シーラ、どれか一つに絞りなさい」


俺がそういうと、シーラは少しだけ残念そうな顔をして、


 「じゃあこれにするのです」


と、冠を手に取った。

よりにもよってそれかよ。と思ったが、今更買ってやらんとも言えないから、仕方なく買ってやることにした。


 二人とのやり取りを終えた俺は、さっき俺がいた場所で二人を待つことにした。そして、一応二人の安全も考えて、殺気のする方向を察知して、そっちを気付かれない程度に見るが、特に殺気を放っている奴は見当たらない。まぁ、村だしな。周りは入口の方以外森で囲まれている。見つからないのも無理がない。が、視界の隅で、キラリと太陽光を反射させたような光が目に入る。森の中にいるようで、姿までは確認できなかったが、武器は恐らくナイフとかそこら辺の小型の刃物だろうな。ナイフなら、この距離なら今の所問題ないな。

 なんて俺が考えていると、二人が戻ってきた。


 「お待たせしてすみません」


 「いい買い物をしたのです!」


と、二人の手にはそれぞれ、ネックレスが入っているであろう箱に、さっき見たどこかの民族の冠があった。


 「シーラ、お前それ本当に買ったのか・・・まぁいい。二人とも、買い物に来たかっただけだな?」


 

俺が聞くと、二人は口をそろえて、


 「「はい(なのです)」」


と答えた。


 「やっぱりか」


そうつぶやくと、二人はまたもや口をそろえて


 「「あ……」」


と、あきれるようなことを言う。シーラはともかく、ミーシアは知力が高いはずだけどな?もうこれも何回思ったことか。


 「ま、別に怒ってないから安心しろ」


俺がそういうと、二人はあからさまにほっとしたような顔をする。が、俺は甘ちゃんじゃない。


 「その代わり、お前らしばらく買い物禁止な」


俺が今まで見たこともないような笑顔でそういうと、二人の表情は一瞬にして絶望の表情に変わり、


 「それでも大人ですか!」


や、


 「無慈悲な!」


と言ってくるが、俺はそれをすべて無視して、馬車に乗りさっさと村を後にした。


▽▼▽▼


 地図を見ながら、最寄りの国を探してみる。まずは、そこに行こう!と、思ったのだが。


 「ここの国の名前が、アファリンド王国か。で、ここはその東の方、んでもって近い国は、、、マジで?」


地図により、“アファリンド王国”の東側隣は、“エクローゼ”という国だということが判明したが、ここ、人間になんて呼ばれてるか知ってる?ここ、“魔界”って言うんだよ!魔族の国だぁ!


 「いや、無理!絶対行きたくない!よし、別の国に行こう」


ってことで、少し遠いが別の国に行くことにしたのだが、安い地図だったのがいけなかったのか、国の名前が書かれていなかった。

 ちなみに、この地図は冒険者時代に購入した地図で、街を探せばいろんなところにあるような、量産型の地図だ。


 「さて、じゃあ戻るか」


そう言って、馬車を迂回させると、遠くの方に物凄い速度で走っている人影が見えた。


 「何だあれ?」


そう思ったが、気にしても仕方がないから馬車を進ませることにした。


 「確か、こっちだっけか?」


「こっちって、なんのことですか?」


「いや、何でもない」


 俺は、森へ向かって馬車を進めていた。なにせ、さっきこの森の中に飛び込む人影が見えたからだ。遠目からだったからよくわからないが、まともな装備をしていなかったような気がする。もちろん、それが普通ではない。そんなことをやる奴は、よっぽどの馬鹿か、自殺願望がある者だけだろう。


 そうして、森の前までやってきた。

 「そんじゃ、眠っとけ」


森の前で馬車を止め、俺は振り返りながらそう言う。だが、二人は俺の言葉の意味を理解できていないようだ。


 「【スリープ】」


二人を眠らせて、俺は森の中へ入っていく。どんな危険があるかわからないからな。


 「森の歩き方ってなんだっけ?忘れたなぁ。お前は覚えてるか?」


「わからないか。まぁ、仕方ないさ。昔は知ってたんだけどな」


俺は、そう誰かに話しかけるように独り言を言いながら森の中を進む。なぜこのような独り言を言っているのか、まぁ簡単に言えば森が怖い。以上。人間時代、森で死にかけたことか。って、いかんいかん、今は気にしないようにしよう。

 なんて考えていたのだが、


「なぜ、わかった?私はお兄ちゃんから気配の消し方は教えられてるはず」


と、木の陰から少女が出てきた。って待てよ?


 こいつの来ている服、なんか違和感が・・・

 ダボッとした服、鼻が赤い仮面。そう、道化の姿だ。道化、お兄ちゃん、まさかあいつの事かな?

 俺は、闘技場で戦ったあのピエロを思い出す。


 「君は、闘技場でいたあいつの妹かな?」


俺がそういうと、少女は地団太を踏んで、


 「あいつじゃない、お兄ちゃんだ」


と、声は冷静に言ってくる。と、その時俺はこっそりステータスを確認する。ある程度情報を把握したら戦闘に有利に立ち回れるからな。

そうして、お兄ちゃんとやらを熱く説明してくる少女は放置してステータスを確認する。


名前:ミリア  種族:炭鉱族ドワーフ


Lv:17     年齢:16


筋力:81    魔力:0


速さ:611   知力:106


適正魔法

【適正魔法無】


スキル

【なし】


称号

【なし】


加護

──


とのことだ。しかし、ドワーフか。道理でちっこいわけだ。

それにしても、魔力0か。存在したんだな。いや、いないことは無いが、めちゃくちゃ珍しいからな。誰にでも少しくらい魔力があるからな。って、足はっや!?いや、俺の方が速いけど。

……うん。クッソ弱いな。腕力もドワーフにしては弱すぎる。魔力0はこの時代役立たずだし、足が速くても特に意味がない。こいつよりも足が速いやつは何人もいるからな。


 「で、その妹が俺に何の用だ?」


俺がそう聞くと、少女もとい、ミリアは驚くべきことを口にする。


 「お前を殺したい。だが私にはできない。だからお前を殺しに行く」


と、よく意味の分からないことを言った。殺したいけど殺せないから殺しに行くって、どういうことだよ?う~ん・・・わからない。


 「俺はそう簡単に殺せねぇよ。ってか、お前さ、闘技場にいたんじゃないのか?俺の素性くらい知っているだろう」


俺はあそこで神であるということが知られてしまっている。俺が神と知っているのなら、こんな無謀なことはしないはずじゃね?と思ったが、


「素性?」


と首をかしげていたから、おそらくは見ていないのだろう。

知られていないなら、黙っておいた方がいい。俺は


 「いや、俺がそこそこ強いってことだよ」


とごまかす。すると、


「ふっ、貴方からは何の覇気も感じない。もっとまともなウソをつくことですね」


と鼻で笑われてしまった。まぁ、そんな俺強いですってめっちゃ主張するわけないだろう。

 覇気が感じられないとのことだったが、もちろん抑えているに決まっている。それすらも感じ取れなかったのだろうか。まぁ、仕方ないよな。


 「それがわからないなら、お前に俺は殺せない。じゃあな」


と俺が言うと、慌てた様子で、


「ちょ、ちょっと待ってよ!」


と追いかけて来る。俺が少し速度を上げて歩くが、それでもついてくる。それから少しずつ速度を上げて遂に走り始めたが、ミリアは相変わらずついてくる。

 全速力で走ってもいいのだが、それだと地面を蹴った時にここら一体にクレーターができてしまうからな。ある程度の速さまでしか出せない。それに、あまり早すぎると迷うかもしれないからな。それらを考慮したうえでの最高速度に、こいつは付いてくる。時速100kmくらいは超えてると思うけど。普通に走ってくるとか、人間やめてるだろ。


 「ってあれ?俺人間になりたかったはずだよな?なんでこんなことやってるんだ?」


と俺が独り言を言っていると、とうとう息を切らしてきたミリアが、


 「ちょ、ちょっと、ハァ、ハァ、速すぎるでしょう!どんな、化け物体力してるんですか!」


と追っかけて来る。


 「うるせぇよ!俺だってこんな体になりたくなかったわ!」


と、そんなことをしているうちに森の外へと出た。が、視界に馬車が見当たらない。少し離れたところに出たか。

 俺は探知を発動させて、馬車の位置を探す。と、探知に最弱の反応が引っかかった。


 「ミーシアか?」


と言って振り返った時、俺はおかしなことに気づく。最弱の反応があったのは俺のすぐ後ろの方だ。そんなところに、ミーシアがいるはずがない。というか、あいつらは眠らせたはずだ。じゃぁ誰だ?俺が振り返った先には、


「はぁ、やっと追いつきましたよ!」


ミリアがいた。


こいつだったようですね。


国配置 (大国)

 北 

東 西

 南

       ???


                    ???

 エクローゼ

        アファリンド王国



その他小国

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