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12話 思い出巡り

たぶん、もうすぐ一章終わるかもしれません。いや、終わらなないかもしれない。

 「ふぅ、めんどくせぇ相手だった」


神化をといて、ピエロ男に目を向ける。が、男はうつ伏せになったまま動かない。


「そういえば、こいつ、大丈夫なのかな?もうすぐ死んじゃうからなぁ」


 俺が消したのはすべての記憶、それは、人が進化の過程で得てきた本能という記憶すらも消し去った。食べ物すらも食べることができないからなぁ。なんて考えていると、


 「勝者、最弱の神!サーアーあああああああ!!」


「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


とんでもない歓声が響き渡る。って、ちょっとまて?今なんて言った?


 「なんと!今大会で神が出場なさるとは!」


「キャー!サーア様かっこいー!」


聞き間違いじゃなかったようだ。もしかして、気絶してたんじゃなくて、流れ弾とかが飛んでこないように隠れてただけ?

そう思い、俺が観客席に目を向けると、


「「「うおおおお!」」」


とまた歓声が上がる。うるせぇ。と、その時、ミーシアが目に入った。ビックリするほど顔を引きつらせていたが、


「勝者宣言もしてもらったし、戻るか」


これ以上面倒なことにならないように、ミーシアの場所にワープする。


「え?サ、サーア様?」


と、ミーシアが言っているうちに、首根っこをつかみ宿にワープした。


▽▼▽▼


 「うきゃぁ!」


「サルかお前は」


宿について、首から手を離すとミーシアが猿の鳴き声のような悲鳴を上げて尻もちをついた。


「さ、サルって、サルア様の方が名前的にサルじゃないですか!」


「お?今いっちゃぁ行けねぇこと言ったな!?もう戦争しかねぇなぁ?」


「えぇ、いくらでも相手してやりますよ!【我が魔力を以て──】」


「神の特権」


「すみません!ゆるしてください!まだ死にたくないですぅ!」


戦争に勝利したところで、シーラがジト目でこっちを見ていることに気づく。


 「お?シーラ起きてたのか。さっきまで寝てたのに」


「うるさい声でおきのです」


「そうか、そりゃ悪かったな。ほれ、ステーキ?」


俺は牛のステーキをミーシアの前に出す。


「やったなのです!ありがとなのです!」


「そうかそうか、良かったな」


「えへへ」


俺がシーラの頭をなでてやると、目を細めてシーラが笑う。すると、


 「ちょっとなんですか!私との対応違いすぎませんか?ねぇ?サルア様!?サルア様ってば!」


そう言って、俺の肩をつかんで揺らしてくる。


 「うるせぇよ。お前が余計な事しなければあんな大会出る必要なかったんだぞ!」


「し、仕方なかったじゃないですか!」


「仕方なかったじゃねぇよ!ったくもう。お前のせいで神ってことばれるしさ」


と俺が言うと、シーラが


 「それは、申し訳ないと思っております」


「あぁそうか。でもな、謝られてももう遅いんだよ。この村にいると無駄に目立つだろうなぁ。もうこの街抜けるか」


俺がそういうと、ミーシアがさっきよりも激しく俺の肩をつかみ揺らしてくる。


「ちょっとサルア様!それじゃあお金と名声が手に入らないじゃないですか!」


「金は無限だし名声は要らねぇよ!」


と問答をしていると、俺は一つ考えが浮かんだ。


 「そういえば、シーラの問題も解決してなかったよな?もう襲撃対応するの面倒だからさ、獣人の里行って解決しちゃおうゼ?」


と俺が言うと、ミーシアがゴミを見る目をして、シーラが怯えた表情を見せた。


 「ちょっとまて、お前らなんか勘違いしてないか?別にシーラを渡すわけじゃねぇよ。一ついいことを思いついてな」


「ほう、いい事?」


「あぁ、いい事だ」


ってことで、ミーシアとシーラベッドに座らせて、話を始める。


 「えーと、とりあえず、俺は獣人どもがいい加減うざく感じてきた。ってことで、襲撃に行く。でも、シーラを送り込むのは不安だ。だから、俺が行く」


と俺が言うと、ミーシアが手を挙げた。


「はい、ミーシア君」


「あの、どうしてサルア様が行くのですか?そもそも、サルア様は獣人じゃないですか」


 ・・・何言ってんだこいつ?


「何言ってんだお前?どうして今俺が人の姿をしてるんだ?」


おっと、心の声が少し漏れてしまった。


「あっ」


「気づいたようだね。そう、スキル【擬態】だよ」


「なるほど、そんな手がありましたか」


「ま、本当は自動的に人になるだけなんだけどね」


「ウキ―――」


サルのような声を上げてぐるぐるパンチをしてくるミーシアを、頭を押さえて止める。ま、ミーシアは頭がいいから足払いをしてきたが、、、力が無くて全く動かねぇ。


 「もういいだろ、ミーシア。さて、シーラそれでいいか?」


俺がそう聞くと、シーラが黙ったまま頷く。


「よ~し、んじゃあ、明日チラッと街回ってみるか。最後の散策だ。あ、お前らにも擬態かけてやるからな。安心しろ。んじゃ、今日は早く寝ろよ」


「サルア様、擬態が使えるならそれで問題ないのでは?」


・・・うるせぇやい!


 「ってことで、新しい朝が来た!はっはっは!スキル【擬態】!さぁ二人とも!起きろぉ!」


そう言って、二人の眠っているベッドの毛布を引きはがす。


「んっ、サルア様。もう少し寝たいです」


「だめだ!さぁ起きろ!出発するぞ!」


「はいなのです!」


後ろから声が聞こえた。──え?


「うおぉ!?お前、、、いつからそこにいた!?俺の背後を取るとはなかなかやるな」


「えへへ」


俺がそういうと、自慢げに胸を張るシーラ。そんな俺達を見てミーシアは諦めたようにため息をつき、


「じゃぁ、ちょっと準備してくるので待っていてください」


「おう、そうか」


そう言って、すぐに洗面所に行った。今思ったが、宿に洗面所があるなんて珍しいな。普通は寝る場所と食事しかないのが普通だが。ま、いいか。

 そうして、しばらく待っていると、ミーシアが戻ってきた。


「すみません遅れましたって、サルア様も顔ぐらい洗ったらどうですか?」


「いいや、問題ない」


そう言って俺はちゃっと浄化した。こいつは歯磨きも要らないし、寝ぐせも治るから便利なものだ。するとミーシアが「ずるいです!なんでそれ先に行ってくれなかったんですか!」と肩をポコポコ叩いてきたら、ちょっと力を込めてデコピンしたら「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」と汚い悲鳴をあげ、額を手で覆いながらのけぞらせた。


 「お前すっげぇ態勢してるな」と俺がにやけながら言うと、


「誰のせいだと思ってるんですか!もう【ヒール】」


そうだった、こいつ回復魔法使えるんだった。


「ッチ」


「今舌打ちしましたか!?ねぇ、サルア様!」


「うるせぇ、さっさと行くぞ」


「はいなのです」


「はぁ、わかりましたよ!もう!」


と、ここで俺たちの今の姿を簡単に説明すると、


 俺:ヒョロガリ ミーシア:高身長の女 シーラ:猫獣人


ま、適当にやったが、まぁ問題ないだろう。

ってことで、ぐるっと今まで言ってきたところを回ろうと思う。

まずは、最初に俺がやってきた場所だ。


「最初はここも薄暗くて不気味だったよなぁ。今は、活気に満ち溢れているけど」


俺の視線の先には複数の露店が立ち並んでいた。


「そうですねぇ。こんなににぎやかだと、少し前まであんなだったなんて考えられないですね」


「そんなだったのですね」


そうか、シーラは知らないか。ま、シーラには知る必要はないな。要らない記憶だ。


「シーラは詳しく知らなくていい。さ、次のところ行こうか」


「はいなのです」


ってことで、次にやってきたのはあの広場だ。


 「ここで、俺は初めてミーシアを見たんだよな」


「あれ?出会ったのは路地裏じゃないですか?」


「あぁ、あれはミーシアを洗脳していたからなぁ・・・あ──」


「サルア様?洗脳というのは?」


「あ、あぁ!違う違う、ここで初めて洗剤の押し売りと出会ったんだよ!」


我ながら、苦しすぎるいいわけだな。


「はぁ、それで騙せるとでも?はぁ、もういいです」


ミーシアは何とかなったが、シーラ、そんな目で見るな。やめてくれ。


「さ、さて、他のところ行こうか」


そして、数十歩あるいたとことで、目的地に着いた。


「ろ~じ~う~ら~!」


「サルア様?なんでわざわざここに連れてきたんですか?路地裏で、ナニする気ですか!?」


「ナニもしねぇよ!思い出の地を巡るってだけだろ」


俺がそういうと、ミーシアが疑うような目をして、


「ほんとですかね?ま、いいです。それよりも、ここって焼死体が発見されたって場所ですよね?大丈夫ですか?」


「問題ない。ちょっとゴーストがいるだけだ。悪霊だけどな」


「戻りましょう」


「そうだな。シーラも行くか。ってあれ?シーラ?」


さっきまでシーラがいたはずの場所に目を向けるが、シーラがいなかった。あたりを見渡してみると、広場の中心で突っ立っていた。


「シーラ、もしかしてゴーストが怖いのかな?」


「たぶん、そうなのでしょうね。」


よし、たまにゴーストに擬態して脅かしてやろう。


「サルア様。なにか変な事考えてませんか?」


「考えてねぇよ。さっさと次行くぞ」


「はぁ」


ってことで、次にやってきたのは奴隷市場だ。


 「相変わらず臭いねぇ」


「臭いですねぇ」


「ここで待ってるのです。いってらっしゃいなのです」


シーラは鼻がいいせいか、鼻をつまんでそう言った。


「わかったよ。じゃ、チラッと行ってくる」


そういって、俺は奴隷市場に入っていった。


 「そういえば、シーラの母親もいるんだったな」


「あぁ、そういえばそうでしたね。ちょっと見てみますか?」


「うーん、確かに気になる。ちょっと見てみる」


ってことで、獣人コーナーでシーラ似の女の獣人を探すが、


「あれ?いないですね」


「あぁ、どこ行ったんだろう?」


と、そこへ奴隷市場のスタッフが通りかかったから少し聞いてみることにした。


「なぁ、そこの人。ここにたれ耳の女性の獣人はいないのか?」


と俺が聞くと、男が衝撃的なことを言う。


「あぁ、あの獣人なら、死んだよ」


あぁ、死んでいたのか。そうかそうか。


「よかった──」


「え?今何か言った?」


「いや、何もない。さ、ミーシア。そろそろ行くぞ」


「え、えぇ。わかりました」


男に余計な疑問を持たれない内に、さっさと撤退することにした。



 「さて、と。次が最後の所だ。ま、シーラは知らないと思うが、ここ!旧魔法練習場!」


ってことで、元草原の池にやってきた。


「サルア様。ここ、池しかないのです」


「あぁ、ここでシーラはこの光景見るのは初めてか。シーラにいろいろ実験したあの草原だよ。今はあの風景とは大きく異なるけどな」」


「どっかの誰かさんのせいなのです」


「ミーシアのせいでねぇ」


と俺とシーラが会話をしていると、ミーシアが俺達の間に割り込んで、


 「わ、私悪くないですよね!?あれは、世界の意思様に命令されて・・・」


「はいはい、言い訳しない。シーラ、ミーシアみたいになっちゃだめだぞ?」


「はいなのです」


「ちょ、サルア様ああああ!」


「うるせぇよ」


ってことで、思い出の地巡りは終わり、宿に戻ってきた。


「さて、もう夜になっちまったなぁ。明日の朝、すぐにこの街を出て、獣人の村へ向かう。質問はあるか?」


俺がそう聞くと、ミーシアが手を挙げた。


「サルア様、どうやって獣人の村へ行くのですか?」


「あぁ、それか。実はね、この前獣人が来た時に印をつけたから、そのしるしを追えば行けるぞ。もう、獣人の村の位置も把握している。これで十分か?」


「そうですか。わかりました。もう大丈夫です」


「そうか。それじゃ、二人ともさっさと寝ろよ」


「おやすみなさい」


「おやすみなのです」


試合はサルアが闘技場を離れて次の試合に参加しなかったことにより、サルアの参加は無かったことになった。



人族 基本情報

最も数が多い種族。比較的温厚で、高い知識を持っている。一般人のステータスは全て100ほどで、能力値は各種族の中で低い。最も神の加護をもっている人数が多い種族でもある。

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